【閉経前の不正出血】閉経間際のドバドバ血問題の予防法って?
閉経間際にいきなりの多量出血や1カ月も続くダラダラ出血に悩まされる人も多いよう。「ないよりあるほうがマシ……」なんて甘く見ていると、体調不良に苦しむことも。早めのケア&予防がおすすめです。
40代後半の〝月経〟は 、ほぼ不正出血。我慢しないで早めの通院を
卵胞・原始卵胞の数は40代後半になると激減します。エストロゲンを分泌する卵胞そのものが減るためエストロゲンの分泌がゆらぎ始めます。これが主な更年期症状・無排卵月経の原因。同時に、排卵後に増えるプロゲステロンもゆらぎ始め、相対的にエストロゲンが多くなると子宮内膜が上手く剥がれず、厚くなりすぎた子宮内膜が一気に剥がれ過多月経やダラダラ剥がれる過長月経を引き起こすことがあります。内膜が剥がれる際に通常の月経より多く出血し貧血の危険性が。我慢しすぎると命にかかわる重度の貧血になることも。辛い月経異常は予防できます。女性ホルモンのゆらぎに伴う更年期のさまざまな体調不良を防ぐ意味でも40歳前後の人なら低用量・超低用量ピル、40代後半以降の人はHRT(ホルモン補充療法)がおすすめです。
原因は?
▶女性ホルモンの低下
▶無排卵の月経
女性ホルモンの分泌が不安定になると子宮内膜が剥がれにくくなり子宮内部に滞留。それが繰り返され耐え切れなくなった子宮内膜が一気に剥がれると過多月経や頻発月経に。
病院に行く目安は?
▶夜用ナプキンでも漏れる
▶10日以上出血が続く
一度でも月経に異常があった場合は病院へ。夜用のナプキンを使用しても間に合わない過多月経は更年期が原因でなくても治療対象です。だらだら続く過長月経も10日以上の場合は病院へ。
どんな治療?
▶中用量ピルや偽閉経薬
急性期は止血剤・中用量ピルを短期間使用。命にかかわる場合は偽閉経療法で生理を止める場合も。長期的にコントロールする治療法としてはHRT(ホルモン補充療法)などが。
予防できる?
▶早めの低用量ピルがおすすめ
40歳前後なら低用量・超低用量ピルを。ピルは年齢が高くなるほど血栓症リスクが高いため40代後半から始めるのはおすすめしていません。40代後半の人はHRTを検討してみて。
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・医学博士。更年期、妊活、生理不順などゆらぎやすい女性の体のホルモンマネージメントを得意とし更年期医療の専門家として治療にあたっている。
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2020年『美ST』11月号掲載 撮影/大瀬智和、オノデラカズオ(すべて人物)、河野 望、五十嵐 洋(ともに静物) ヘア・メーク/長ふみ、サイオチアキ(Lila) イラスト/今井久恵 取材/佐藤理保子、菊池真理子 編集/長谷川 智、佐久間朋子