パンの専門家に聞く「高級食パン」が美味しくなる切り方

空前の食パンブーム到来で、「高級食パン」専門店が続々とオープン。Mart編集部では、手に入れた高級食パンを最大限に楽しみ美味しく食べる方法を、パンの専門家に教えてもらいました。今回は「高級食パンが美味しくなる切り方」です!

教えてくれたのは

バタートースト評論家 梶田香織さん

バタートーストをこよなく愛する元大手製パンメーカー本社開発部勤務。喫茶店王国・名古屋を中心に食べ歩き歴30年以上。人気のバタートーストナイトを定期開催中。
「高級食パンを美味しく食べるためにこだわるといいこと、注目すべきことをご紹介していけたらと思います」

楽しむべきポイントを切り方で工夫します

「食パンはそれぞれの特性に合った切り方をすることで、いっそう美味しく食べることができます。その切り方をそれぞれの系統に沿って、紹介していきます。

今回は、『LeBRESSO』『乃が美』『俺のBakery&Café』『Panya芦屋』『銀座に志かわ』『嵜本』『あずき』のパンを使用します。この7種類の高級食パンを食べてみて、その系統を私なりに分けるとしたら3つに分かれます。ふんわり系の『乃が美』『Panya芦屋』『銀座に志かわ』。しっとり系の『俺のBakery&Café』『嵜本』。どっしり系の『あずき』『LeBRESSO』。

ふんわり系は、まさにそのやわらかさが際立つ白い部分を楽しめるところ。厚みのあるスライスに十字と×に切り込んだピザのような形のカットがおすすめです。こうすることで、白いところから口に入れて何度もふんわりを楽しめます。

しっとり系は繊維状に生地が裂けやすい傾向がしばしばあります。トーストを食べているときに上面と下面がスライドするようにちぎれることってありますよね。そうならないように、パン自体の特性を生かした食べ方をするといいのです。ボーダーに切り込みを入れれば、繊維が断ち切られ、手で裂きやすくなり、裂けるチーズのように口で裂きながら食べたり、手前と奥は耳だけをサクッと食べて楽しむのもおすすめです。

どっしり系は、ぎっしりした生地を食べやすくするため、大きいクルトンをつくるイメージで切ります。格子状にタテヨコ3本ずつの切り込みを入れるとちょうどいいサイズに。短冊形に切り取って一口サイズずつ口に入れるようにすると、噛むほどに味が増すパンの弾力を楽しめます」(梶田さん)

美味しい厚さ

ふんわりを楽しめる厚めの4cm

しっとりとさっくりが叶うサイズ3cm

サクサク食感の薄めの1.5cm

美味しい切り方

■ふんわり系

十字と×を組み合わせた切り込みがおすすめ。パンの中央のやわらかい部分が角になり、食べやすくなります。

■しっとり系

ボーダーに4本切り込みを入れると、白いしっとりした部分と耳のさっくりした部分それぞれの食感を楽しめます。

■どっしり系

格子状に切り込みを入れて、さらにそれをスティックにして食べれば、ぎっしり詰まった味を一口ずつ楽しめます。

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http://mc.mart-magazine.com/gourmet/21234

撮影/北川鉄雄、中林 香 フードスタイリング/上島亜紀(木南さん分)、はまくま(須藤結子) 取材・文/加藤文惠 構成/タカノマイ(Mart編集部)

Mart2019年6月号
人気店の「高級食パン」をもっと美味しく食べよう!より