Netflix、Spotify…サブスクリプションサービスで生活はどう変わる?

毎月定額でモノを使えたり、サービスを利用し放題にできたりするなど、今、サブスクリプションサービスが増えています。これらを賢く使うことで、使う側の価値観や企業のサービスはどう変わるのでしょうか?

今回は「サブスクリプションサービス」について、経済学者の安田洋祐さんに解説していただきました。

安田洋祐さん

経済学者。専門はゲーム理論。政策研究大学院大学助教授を経て、2014年4月から大阪大学准教授に就任。『報道ランナー』(関西テレビ)や『ミヤネ屋』(読売テレビ)にコメンテーターとして出演するほか、財務省「理論研修」講師、金融庁「金融審議会」専門委員を務めるなど多方面で活躍。ユニークな視点での経済解説に定評がある。

サブスクリプションサービスとは?

期間ごとに料金を支払うことで、一定のサービスが受けられるシステムのこと。例えば以下のサービスが該当します。

・dマガジン(雑誌が読み放題)
・エアークローゼット(洋服レンタル)
・Hulu(ドラマ・映画などの配信)
・Apple Music(音楽配信)
・KINTO(定額料金で車を使える) など

安田洋祐さんが考えるサブスクリプションサービスのメリットは?

ユーザーのニーズに合った新しいサービスが生まれやすくなる

【ユーザーのメリット】
・気軽にモノやサービスを試せる
・自分に合うものを見つけやすい
・モノを持たずに済む

【企業のメリット】
・細かい利用状況が把握できる
・ユーザーとの繋がりが強くなる
・事業の効率化をはかれる

定額で利用できるサービスが拡大中

「サブスクリプション」という言葉を耳にしたことはありますか?商品やサービスそのものを購入するのではなく、商品やサービスを一定期間利用するために料金を支払う方法のことを、「サブスクリプション方式」といいます。定額制のサービスをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

サブスクリプションに含まれるのは音楽配信のSpotify、映像ストリーミングのNetflixなどに代表されるような、インターネット上のサービスだけではありません。定額で家具や洋服をレンタルできる、旬の食材を定期的に届けてもらえる、レストランや美容院を何度でも使える、といったリアルなサービスにも、サブスクリプション方式はどんどん広がってきているのです。

利用するほどよりよいサービスが生まれる

サブスクリプション方式には、企業側、ユーザー側のどちらにもさまざまなメリットがあります。企業側は、一定期間ユーザーに利用し続けてもらうことにより、細かい利用状況などのデータを集めることができます。集約したデータをもとに商品やサービスの改善をすることで、ユーザーとの繋がりがより強くなり、事業の拡大、効率化を狙えるというわけです。

ユーザー側は、定額制なので気軽にたくさんの種類の商品やサービスにトライすることができますし、より幅広い選択肢の中から自分に合ったものを見つけることができます。実際にモノを持つことなくさまざまな商品やサービスを試せるというのは、居住空間の狭い日本人のライフスタイルにもピッタリですよね。

日本には、世界的に見ても珍しい、リアルな世界でのサブスクリプション型ビジネスがさらに拡大していくポテンシャルがあると思います。こうしたサービスが増えれば増えるほど、サービスを提供する企業側に蓄積されたデータが充実することになり、新しいサービスが生まれやすくなります。企業側の挑戦が加速していくことで、ユーザー側の消費行動もどんどん洗練されていくでしょう。

今後どのようなサブスクリプションサービスが登場してくるのか、ぜひ注目してみてください。

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イラスト/熊野友紀子 構成/タカノマイ(Mart編集部)

Mart2019年10月号
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