愛犬と快適に暮らしていくための「住まいの整え直し方」

「ペットは家族」なんて使い古された表現で語るつもりはありませんが、これからの人生を考える上で、ペットは一昔前に比べても、より欠かせない存在になっています。
では、そんなペットと暮らしていく時に、私たちは何ができるのでしょうか。

ただ可愛がるだけではない、共に生きていくパートナーに対する住まいの〝整えなおし〟方があります。

今回は塔下さんのお宅を、1月号本誌より一部抜粋してご紹介します。

 

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<写真>従来のコルクタイルと違い、洗練された雰囲気の床材は「AD WORLD」の「ファッショナブル」。ペットだけでなく、人の膝や腰にも優しい歩行感。床暖房にも対応。デザインは書籍『大人の幸せなインテリア』(HERS編集部編)で見つけたFILEへ依頼。

 

■塔下さん邸:愛犬の脚に負担がない歩行感。実用と雰囲気を兼ね備えた素材

郊外の戸建てに家族4人と愛犬とで暮らしていた塔下さん。息子さん2人が独立し、今後は夫婦二人と愛犬との暮らしという時期に、手のかからない都心マンションへ。

「整えなおしたかったのは、愛犬クララの快適さ。同時に書道家としてのライフワークにさらに磨きをかけていけるような、大人の暮らしにふさわしい空気感でした。以前はクララの脚に負担のないよう滑りにくいフローリングを探したものの見つからず、ナチュラル色のコルクタイルにしたのですが、経年で削れて劣化。満足のいくものではありませんでした」。

本で知ったデザイン事務所に相談をしてリフォームを。グレートーンの落ち着いた色調に、北欧家具がしっとり馴染む洗練されたインテリアですが、ここには愛犬と快適に暮らす多くの工夫が隠されています。

「こんなモダンなコルクタイルがあることは知りませんでした。硬すぎず柔らかすぎないちょうどいい歩行感で、粗相をしてもサッと拭きとれて衛星面もラクで安心です」。

また書に没頭する部屋は小上がりに。「クララはここまでは、なかなか上がってこられません。畳の下は収納にしたので、しまいきれないものを齧るなどの心配もなくなりました」。

 

 

■他にも愛犬クララと快適に暮らす工夫が沢山!

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風が抜けてバタンと閉まらないようLDの扉はつけず
廊下からLDへ連なる扉は風の通り道であることが多く、「バタンと閉まりペットがケガをすることもあるので、安全面を考慮し扉はつけませんでした」。存分に走れるストレートラインはクララへのご褒美。

 

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愛犬が上がれない小上がりにアトリエを。畳したは特注の収納です。
気持ちを落ち着かせて、自分だけの時間を持ち続けることは、大人の暮らしの大きな贅沢。
「ここに上がると自分だけの世界。壁面、そして畳の下にオーダーメイドの収納を作り、すっきりした空間に。マンションらしからぬアトリエ、とても気に入っています」。

 

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コンパクトなキッチン。犬が誤飲しがちなゴミ箱は扉の中に
夫婦二人暮らしなのでキッチンはコンパクトに。ウォールナット、そしてグレーのウレタン塗装で仕上げています。また、キッチンは犬が誤飲を起こしやすい場所なので、きちんと収納計画を立て、ゴミ箱も扉の中に入れています。

 

 

撮影/吉澤健太 取材・文/加藤登紀子 デザイン施工/FILE