【無印良品Part3ベストセラー誕生秘話】柄の長い計量スプーン

皆さんおなじみの”あの商品”が誕生した裏側には、たくさんの秘話がありました。できあがった背景や開発の苦労を知ることで、もっと商品に愛着がわくはず! 今回は「柄の長い計量スプーン」について紹介します。

教えてくれたのは
キッチン・テーブル開発担当 Mさん
店舗にて店長を経験したのち、商品部こども用品の開発担当に。本年度からキッチン・テーブル開発部門を担当。

「量る」に加え「調理に使う」ことまで考えられ、生まれた形
柄の長い計量スプーン

ステンレス製で食洗機にも対応。大さじと小さじの2種類。柄の長い計量スプーン [小]約 5mℓ/約W3.5×H18cm ¥173、[大]約15mℓ / 約W5×H19.5cm¥264

一見何の変哲もない計量スプーンですが「柄の長い」と商品名にもあるとおり、いちばんのこだわりは長くした柄にあります。
「当時の開発担当者が通っていた料理教室で、先生が柄の長い計量スプーンを使っているのを見たのがきっかけで開発がスタート。深めの瓶などにスプーンを入れると、そのまま瓶の中にスプーンが入り込んでしまったり、底までスプーンの先が届かず、中身がうまく取り出せなかったりする経験ってありますよね。そんな不便をなくして、より計量しやすくできるように、柄を長くすることで容器の底まですくえて、調味料を無駄にすることなく使えるようにしました。また、ねばつく材料などもすくいやすいように、スプーンの部分はあえて浅くしています。加えて、レシピには大さじ2分の1、小さじ2分の1などの表記も多いですが、目分量になりがち。でも特にお菓子やパンづくりだと仕上がりに大きく影響する部分でもあるので、きちんと量りたい。そこで内側に半分の線を刻印することで2分の1の量でもより正確に、簡単に量ることができるようにしました」

小さじ、大さじともに、内側に2分の1の線を刻むことで、手間をかけなくても正確な計量ができるようにしています。

柄の長さは大小まったく同じ。長めにつくることで、量るだけでなく、そのまま調理器具として使うこともできるように。

深めの瓶にスプーンを入れても、底の角まで届いて便利。取りにくい瓶の奥までし っかり取り出せます。

「また、スプーンで調味料を量り、そのまま混ぜて火にかけてとろみなどをつけるときも同じスプーンを使っていたそう。先生の計量スプーンの使い方から、柄が長いことで調理道具としても十分に使えることを発見しました。従来の計量スプーンより数㎝だけ長くつくることで、計量するだけにとどまらず、そのまま調理ツールとして使えるようになって、用途の幅が広がりました。柄の長さを生かして、柄の部分をすりきりとして使うこともできるように。このように料理をするところまで考えてつくったのがこだわり。ぜひ使ってみて、よさを体感していただきたい商品です」
深めの瓶にスプーンを入れても、底の角まで届いて便利。取りにくい瓶の奥までし っかり取り出せます。

イラスト/吉岡香織(asterisk agency) 撮影/中林 香 取材・文/西村絵津子 構成/上原奈緒
※お問合わせ先はすべて無印良品 銀座です。