【TRAVEL】軽井沢Shishiiwa Houseで、冷水希三子さん監修の朝食メニューがスタート!

HERS』でもたびたび登場してくださっている、料理研究家の冷水希三子さんが、軽井沢にあるブティックホテル「Shishiiwa House」の朝食の監修を始めるということで、試食会に参加してきました。 

プリツカー賞受賞の建築家、坂 茂氏設計の、
小さなブティックホテル。

軽井沢駅から、車で25分ほど。ハルニレテラスをさらに北へ進んだところに、曲線の形状が特徴の建物が現れます。こちらが、世界的有名な建築家、坂 茂氏によって設計されたブティックホテル「Shishiiwa House」です。

ししいわハウス(写真: 平井 広行)
Photo: Hiroyuki Hirai

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Photo: jonathan leijonhufvud

自生する楢や桜の木をできるだけ切らずに残してデザインすることで、木々に沿う特徴的な曲線を持つ建物が完成しました。

客室は、全10室。各部屋の窓からは緑がのぞきます。実際に宿泊してみると、横向きに寝ていたため、目を覚まして朝一番に視界に入ってくるのは、窓越しの自然たち。「いい一日」が約束された気分になりました。

森の中でいただくのは、軽井沢を存分に味わう、
冷水希三子氏監修の朝食メニュー。

そんな自然と共生しサスティナブルをテーマにした、Shishiiwa House。
オーガニックで上質なこちらの空間をさらに満喫するための企画が、この秋からスタートする「Shishiiwa Kitchen」です。
冷水希三子さんが作る、新鮮な野菜を使った優しい味わいを生かした料理が、Shishiiwa Houseのテーマにもぴったりということで、第一弾の朝食企画の監修に決まったそうです。

朝食をいただく場所は、中庭に繋がる、「グランド・ルーム」。
アルヴァ・アアルト氏デザインの家具や、坂 茂氏を象徴する紙管椅子が配された空間でいただくなんて、なんと贅沢なのでしょうか。

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Photo: jonathan leijonhufvud

「長野・軽井沢」の風景がよみがえる
目にも体にもうれしい、朝食
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(c)Kazumasa Harada

 監修した冷水希三子さんは、メニューを考案するにあたって、
「素材の味を生かすためにも、できるだけ手を加えず。そして、体にすーっと馴染む味を目指しました。とはいえ、せっかくの特別な空間でいただく朝食なのですから、シンプルとは言え、おうちっぽさのない、メニューを見ながら軽井沢の風景がよみがえるような、そんなレシピを考えました」。

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野菜・パン・ハム……。長野県の豊かな食材をメインに、構成。
メニューはシーズンによって変わると言います。

まずは、かぼちゃのポタージュから。
「昨晩のんびり過ごした方も、食べ過ぎた方も、飲み過ぎた方も。ホテルにはさまざまな方がいらっしゃると思いますので、まず一食目は誰にとっても“優しい”と感じるスープを。軽井沢で育っているかぼちゃのポタージュにしました。ポタージュって美味しいけれど、食べ進めていくとたまに飽きてしまうこともある。そこで、酸味と香りが立っているアマゾンカカオや、シャルドネ品種の種ごと干した、噛むとカリッとする干しぶどう。長野県でたくさん栽培されているくるみなどをアクセントに。そして生姜を加えた生クリームと、朝の目覚めにふさわしい、楽しいと感じる“食感”と“味の変化”を意識して考案しました」。

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次に野菜料理を。

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「サラダやマリネに、蒸した野菜……。温冷バランスの良い野菜料理をと考えました。」
実際に、冷水さんが足を運んで、自ら味わって選んだ食材たちが朝食に並びます。今回は、「軽井沢サラダファーム」と「アグリイズム」の野菜を使用。蒸した蕪、そして蕪の葉のオイル蒸しには、「チーズラボBosqueso」の山羊のチーズで作ったソースをかけて。
ワァッと盛られた、イキイキと力強いハーブミックスに「浅間とり牧場」のポーチドエッグ。「松澤農園」のりんごを使ったドレッシング。ほんのり香るカルダモンが鼻腔を通り抜けます。
「ポーチドエッグを割るタイミングって悩みますよね。でも自由に! それも含めて楽しんでもらいたい」と冷水さん。
「松澤農園」のりんごジュースを使って作ったオリジナルのマスタードソースや、同じく「松澤農園」のりんごを使って作った酸味の少し効いたジャム。そして、「軽井沢デリカテッセン」のローストハム。

「ローストハム、そしてジャムとマスタードソースを組み合わせて、甘いと塩っけのバランスを楽しんでもらえたらと」。

まさに、「長野(軽井沢)」を満喫する朝食メニューになっています。

「きっとこの後のどこかでいただくランチを楽しみにしている人も多いと思うので、昼ごろちょうどお腹がすくくらいの量をと考えました」。

森の中にすーっと馴染む空間と時間。
いい意味で、カジュアルで居心地のよい空間のShishiiwa House。
そして、すーっと馴染み、私たちにそっと寄り添ってくれる朝食。

「暮らすように、過ごす」を叶えてくれるホテルでした。
この秋新しくスタートする朝の時間も、
「長野(軽井沢)」の新しい表情を教えてくれる贅沢なひとときになっています。
季節ごとに訪れたい場所となるはず。

ちなみに、夜は、Shishiiwa House オリジナルウイスキー(グレンファークラス 20年もの)をいただきました。シェリー樽で熟成されたこちら。氷を入れずにストレートでシンプルに。じっくり舌の上で転がすように嗜むと、味の深みがじんわりと伝わってきます。朝も夜も、素材そのものと向き合う。素敵な時間を過ごすことができました。

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(c)Kazumasa Harada

  

※食材やメニューは季節によって変わります。

【DATA】
Shishiiwa House (ししいわハウス)
長野県北佐久郡軽井沢町長倉2147-646
080-7691-6020
https://www.shishiiwahouse.jp/

 

取材・文/松本朋子