「同棲=結婚準備じゃなくてもいい」【同棲カップルのリアル「天国と地獄」①】

コロナ禍で、同棲するカップルが今増えていると聞きます。同じ家に帰るほうが安心、結婚準備に、家賃折半のため――

理由はそれぞれだけど、実際どうなの? お金のこと、家事のこと、別れた後のことまで、友達にも聞きづらいあれやこれを何回かに渡ってお届けします。いつか同棲したい人、近い将来同棲するかもしれない人はぜひ参考に♡

同棲さんいらっしゃい♡1組目

名前:後藤ななえさん(仮名・マスコミ勤務)
年齢:28歳
同棲している場所:墨田区のオシャレタウン
家賃:¥168,000
間取り:2DK、45平米
交際期間:2年
同棲期間:8カ月
彼情報:広告会社勤務の28歳、関西人

「この春、遠距離恋愛から一気に同棲生活に」

ぱつんとしたボブ、スレンダーな体型、元NMB48山本彩さん似のサバサバとした美人。それが今回同棲取材を受けてくれた、ななえさん。東京在住でマスコミ勤務の28歳です。彼は大阪で遠距離恋愛中、と以前聞いていたのですが、コロナ禍のこの春から同棲スタートしたとのこと。それはなぜですか?

「付き合い当初から彼とはずっと東京と大阪の遠距離で。そもそも付き合い始めたときに“私は仕事柄、当分東京を離れるつもりはないよ”と伝えていたんです。それで彼が“僕のほうが動きやすいから、いつか東京に転職するよ”と言ってくれていて。有言実行で、今年の4月に彼が転職をして上京したのをきっかけに、同棲することにしました」

おお~、のっけから愛あるエピソードが。彼は関西人じゃなかったですっけ?

「そうなんです。生まれも育ちも、就職も関西で。ただ、留学や旅行を通して出会った友達が東京にいるので、東京にはそんなに違和感なく来たようです」

でもすごいですね。住まいを墨田区にした理由は何かあるんですか?

「私は特に場所にこだわりがなくて、彼の職場に近いし、これまで東東京に縁がなかったのでいいかなと思って決めました。彼があまり電車に乗りたくないと言うので…。私は服が多いし、彼は登山やゴルフが趣味で、お互い荷物が多いので2DKの割と広々とした間取りを選びました。海外みたいなスタイリッシュな部屋に憧れていたのですが、フローリングの床とか壁の一部の木の色が薄いから、それに近づかなくて、とりあえずナチュラルな感じでまとめています(笑)。ただダイニングテーブルはずっと無垢材がいいなと思っていたので、そこはこだわりました。彼が半年に一回くらい花を買ってきてくれるので、ダイニングに飾ったりしています」

「家賃も光熱費も食費も…カードをひとつにしてすべて折半です」

家賃はいくらで、どう割っていますか?

「家賃は16万8千円で、エポスカードで払っています。そのカードをふたり用のカードにしていて、家賃だけでなく光熱費や食費、デートや外食したときもすべてそこから支払い。毎月明細が送られてくるので、それを見て月末に半々にする、という形を取っていますね」

それはわかりやすくていいですね。モヤモヤしなさそうです。

「そうなんですよ。家賃もひとり暮らしのときより安くなりました。私は彼と同等でいたいというか言いたいことを我慢せず言いたいので、すべて折半のこの形が合っているなあ~と思っています。家事についてもそのときにできる方がする感じ。あえてルールを作っていません。私は週末に友達と出掛けることが多いし、彼もよく登山やゴルフに行くので、その週末に家にいる方が掃除や洗濯をしています。平日はお互い仕事で夜遅いので、夕ご飯は別々。私は基本あまりご飯を作りたくないので、時間がある日は彼が作っておいてくれるパターンが多いかな」

お互い自由に過ごしているのですね。 それって同棲生活が上手くいくポイントだったりしますか?

「あまり意識したことはなかったけどそうなのかも。同棲当初は、夜飲んでいても「早く帰らなきゃいけないのかな」って少し気が引けていたけど、最近は遅くなることを事前に伝えておけば、そこまで気を遣わなくていいのかなって思うようになりました。一緒にいる時間が増えるぶん、お互い別々の自由な時間がある方がいいのかもしれないです」

「麦茶を飲んだか飲まないか。小さなことでイラっと!」

「とはいえ、小さいことでムッとすることはあります。例えば私は常に麦茶の作り置きがないと嫌なのですが、そのお茶を飲みきったまま放置していたり、賞味期限が少しだけ切れたお気に入りのふりかけを捨てられてたり‥。男性って賞味期限にやたら敏感じゃないですか? まだ全然食べられるよ、と思うんですけど。あと私は調味料にはこだわりたいのに、スーパーのプライベートブランドのみりんを勝手に買ってきたりするのも、本当に嫌(笑)。しかも2本とか買ってくるんです!  自分のルールやこだわりを壊されると、地味にイライラしちゃいますね…」

あるあるですね…。そういうときは「これが嫌」って彼に主張しますか?

「みりんの件はまだ本人に言えていなくて、2人でスーパーに行ったときに調味料にこだわっているスタンスが伝わるように振舞っています(笑)。それ以外は比較的伝えるようにしていますね。関西人だからか(?)、彼がせっかちで。こっちが気を遣って遠回しに言うと嫌味に捉えられることが多く「もっとはっきり言って欲しい」と。作り置きの麦茶が切れたときも「お茶、なくなっちゃったんだね」と言ったら、「何それ、嫌味?」と返ってきたり。まぁ実際、嫌味なんですけどね(笑)」

とはいえ仲良さそうです。

「お互い溜め込まないことが大事なので、なんでも言い合える環境作りが大切だと感じています。特に金銭面で上下関係を作ってしまうと負い目を感じてしまうと思うので、フラットなのが私には合ってるかな。あとは仕事で落ち込んだり、イライラして帰宅したときに、無神経なことを言われると、ひとりの方が楽だなって思ったりしますね。ただ私自身、同棲に変に夢や期待を抱いていなくて、一緒に住んだ方がお得だし、効率的だなって思って同棲を始めたので、がっかりすることはほぼないです」

結婚についてはどうでしょう?

「同棲=結婚準備、にしなくてもいいんじゃないかなと思っていて。私はルームシェア感覚で同棲していますね。でももし結婚することになっても、この経験は役に立つと思うし、同棲してよかったなと思っています」

とてもいい意味で、同棲に対して過剰な期待を抱いていない印象のななえさん。それが彼にとってもラクで、いい関係を築ける秘訣なのかなと感じました。同棲=結婚への布石、と考えがちだけど、そうじゃなくてもいい。そんなことに気づかされた取材でした。

次回は同棲したものの、みんながよく悩むあの問題を経て別れたという人が登場。こちらもぜひチェックして!

取材/坂本結香 構成/CLASSY.編集部