”お弁父さん”たちが作る「雑ウマ弁当」が気になる!

最近は、パパたちが作る〝雑ウマ弁当〟が話題です。〝雑〟というのは失礼かもしれませんが、程よく肩の力が抜けていて、でも愛が伝わってくる男の料理が参考になります。今回は、平野レミさんの息子さん、和田 率さん作の〝雑ウマ弁当〟をご紹介!!

和田 率さん
和田 率さん
1979 年生まれ。1男2女の父。大手広告代理店のCM プランナーを経て、キッチン用品ブランド「remy」を立ち上げる。母は料理愛好家の平野レミさん、妻は食育インストラクターでモデルの和田明日香さん。 趣味はサーフィン。著書は子供たちへのメッセージを綴られた『お弁父』(ネコ・パブリッシング)。お弁当がアップされるインスタは@ wadaritsu

 


★ 毎日の変化が 楽しいお弁当!

【魚デー】

「お弁当の定番食材、塩鮭はマヨネーズとカレー粉を合わせて焼き付けたオリジナルレシピです。マヨネーズがオイル代わりになるので油は必要ありません。前日夕飯に妻が作った春菊の白和えを添えて」

【鮭のカレーマヨ焼き】〈材料と作り方〉 塩鮭2尾、マヨネーズ大さじ1、カレー粉小さじ1 弱
マヨネーズとカレー粉をよく混ぜてフライパンに入れ、塩鮭を炒める(塩鮭は3等分くらいに切った方が火を通しやすい)。

【怠慢デー】

「なにかと気の重い月曜は、前日の豚汁を温めてジャーに入れるだけ。だからわが家では、日曜に大量の豚汁を仕込んでおくのがルーティンになっています。添えるのは、ゆかりおにぎり。ごま油で風味づけしたコクのある豚汁とゆかりおにぎりの香りは相性抜群!」

【豚汁】〈材料 5~6人前と作り方〉 豚バラ 250g、ゴボウ1/2 本、その他具材(ニンジン、ネギ、椎茸、コンニャク、油揚げなどをバランスよく)かつおダシ1ℓ前後、味噌大さじ5前後、ごま油適量。
①具材を好きな大きさに切る。
②具材をごま油で2~3分炒める。
③具材をかつおダシで20~30分煮込む(出たアクは取る)。
④味見しながら味噌を加えて完成。

【中華デー】

「火曜日は中華。ごはんを敷き詰めたお弁当箱におかずをドーンと盛り付けます。お弁当には緑・赤・黄の3色が入っていると栄養バランスも自然に整い、美味しそうに見えるのでピーマンは2色使いで」

【青椒肉絲】〈材料 5~6人前と作り方〉 生姜焼き用豚200g、赤ピーマン・緑ピーマン各2個、茹でタケノコ100g
〈肉の下味調味料〉酒大さじ1、醤油小さじ1、片栗粉大さじ1、すりおろしニンニクひとかけ
〈仕上げの調味料〉醤油大さじ1、オイスターソース大さじ1、酒大さじ1、砂糖小さじ1
①具材4つを千切りにする。
②豚肉に下味をつける。
③ごま油で豚肉を炒め色が変わったら、野菜を入れてさらに炒める。
④仕上げの調味料入れて絡めて完成。

<串デー>

「同じ食材でも串に刺してあるだけで、子供はテンションが上がりますよね。だから木曜日は刺ースデー。焼き鳥を魚焼きグリルで焼くと串が焦げてボロボロになりやすいので、最近は、鶏をフライパンで焼いてから串に通しています(笑)。写真は、子供も好きな柚子胡椒つくね串です」

【つくね串】〈材料1 人前と作り方〉 鶏ひき肉100g、マヨネーズ・酒・水各大さじ1/2、醤油小さじ1、柚子胡椒少々、生姜すりおろし少々
①ボウルに材料を練り混ぜ、棒状にまとめる。
②フライパンにサラダ油を熱して両面焼く。
③串に刺す。

【フライデー】

「金曜日はフライデーなので、揚げ物を。定番のとんかつは、『お店の方がたっぷり油で揚げて衣もちゃんとしてるし、どうせ冷めたらサクサク食感がなくなるから、弁当用はスーパーのお惣菜で十分』と身近な料理研究家が言っておりまして(笑)。前日に駅前のスーパーで調達したものです。ただしソースは、とんかつの名店の真似をして考案した秘伝の醤油だれ。これをかけて食べると、普通の中濃ソースじゃ物足りなくなりますよ」

【醤油カツ丼】〈材料と作り方〉 買ってきたとんかつ
〈秘伝の醤油だれの材料〉醤油大さじ2、みりん大さじ2、砂糖小さじ1、赤味噌小さじ1、すりおろしにんにく・生姜各小さじ1
①小鍋で「秘伝の醤油だれ」の材料よく混ぜ火にかける。
②沸騰させてみりんのアルコールを飛ばしたら火を止め、粗熱をとる。

 


◎ お弁当を作るまでは料理の経験はゼロでした

「お弁当を作るようになったきっかけは長女の小学校入学。新たな一歩を踏み出す娘の姿を見て、僕も何かやってみようと思って宣言してしまったのが『お弁当作り』です。

母と妻はたまたま料理を仕事にしていますが、僕はそれまで料理経験はほぼゼロ。最初は失敗ばかりで何度も匙を投げそうになりましたが、娘が喜ぶ顔が嬉しくて、モチベーションに変わりました。

メニューは毎日悩まないよう、曜日別にローテーションを決めています。その中で食材の名前や旬、料理法、さらには歴史や産地など、お弁当を通じて何かメッセージを伝えられるよう心がけています。

妻と比べて、子供たちと接する時間が少ない僕ですが、お弁当を通じて、1日ひとつでも教えられることができたら、立派な食育になると思うのです。

子供たちが大きくなった時に僕のお弁当をどう思ってくれるか、今から楽しみ。この春から次女が小学校に入学するのでお弁当作りは毎朝3個ずつに!頑張っていきたいと思います」

撮影/馬場わかな 取材/安西繁美 ※情報は2021年3月号掲載時のものです。

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