綾瀬はるかさんが考える「カッコいい女性像」特別インタビュー

癒し系なイメージの綾瀬はるかさんですが、身体能力やアクション技術の高さも『奥様は、取り扱い注意』などの作品でよく知られています。フィジカル面だけでなく、内面から強さ、カッコよさ、美しさがあふれ出る、まさに最強の大人女子な綾瀬さんにお話をお聞きしました。

綾瀬さんが考える〝カッコいい女性〞像について

――“カッコいい女性”ってどん

――“カッコいい女性”ってどんな人だと思いますか?
ピンチのときでも発想をポジティブに転換できる人。私自身はあんまりそうじゃないんですけど(笑)。周りの女性にはそういう方たちが多くて、カッコいいな、潔いなと思って見ています。『奥様は、取り扱い注意』の菜美もそういう潔い女性。スパッとしててカッコいいですよね。

――実際に身近な女性で“カッコいい!”と思う人は?
母親かな。「考えてもしょうがないじゃない。なるようになる。次、次!」っていうタイプです。切り替えが早いというか、「物事は通りすぎていくんだから、いつまでもとらわれてちゃダメ」って言ってくれる。おばあちゃんもそうですし、私の周りのスタッフさんや友達もそういう感じです。私が落ち込んでいても、元気づけてくれます。

――こんな女性でいたいという理想像はありますか?
どんなことが起きても自分を信じて物事をプラスに考えられる人は魅力的だし、すごく強いと思います。自分のことを前向きにとらえられたり、自分の気持ちにちゃんと向き合って心が調和している人って、周りの人にも優しくできると思うんですよね。何があっても誰かのせいとか周りのせいにせず、自分が感じたことをちゃんとのみ込んで、じゃあどうすればいいんだろうって前向きに転換できる人になりたいです!

――年齢に関係なく持ち続けていたいもの、変わりたくないことはありますか?
あります!大人になると「周りがこう言うから」とか「この年齢だからこうしなきゃ」みたいなことがすごく増える気がして。でもそんなのいらないなって。いつまでも子供みたいに、物事を純粋に喜べる素直さみたいなものを持ち続けたいし、大事にしたいなと思いますね。もともと素直なほうだと思うんだけど、去年は時間があったので考えることが増えちゃって余計なことも考えたから、もっとシンプルにならなきゃなって思いました。

フィジカルな面での〝カッコよさ〞について

――劇場版『奥様は、取り扱い注

――劇場版『奥様は、取り扱い注意。』でも華麗なアクションを披露。もともとアクションが好き?
好きですね。海外のアクション映画も好きで、やってみたいなと思っていました。マット・デイモンが好きで昔から『ボーン』シリーズはよく観てたんですが、『奥様は、取り扱い注意』の撮影に入る前も観ていました。単に「カッコいい~♡」って思って観てるんですけど(笑)。ドラマ版のときは、寝た状態からパッと起きてペンで相手を刺すという『ボーン』シリーズのなかのアクションをやりたいって言って、取り入れてもらいましたね。

――アクションの魅力や面白さを教えてください
全身をフルに使って表現するアクションは、パフォーマンスとして言葉を使わない見せ場だと感じていて――。会話劇とはまた違う、全身で見せる言葉のない表現が私は好きです。ダンスもそうだと思いますが、絶対に努力なくしてはできないという、成果が見えるのが好きなのかもしれません。

――トレーニングを始めたきっかけは?
もともと体を動かすのは好きで、学生の頃から部活で陸上やバスケをやっていました。運動をすると気分がよくなるので、ジムには10代の終わりからずっと通っていましたね。ジムのなかでも結構ハードなクラスで筋トレしていましたが、アクションものをやっていたとき二の腕がムキムキになってしまって、ドレスを着たら違和感があって(笑)。今は「なるべく筋肉をつけたくないです、ユルめでお願いします」って言ってますね。

――理想の体のイメージは?
以前は週1回、ジムに行かないと気持ちが悪かったんですよ。でも今はドラマでスーツを着ているので、その肩こり解消のために肩甲骨を動かしたり、ちょっと筋肉に刺激を与えればいいかなってくらいのトレーニングで無理なく体を保てればと思っています。全身運動になるので散歩もしてますね。理想は痩せすぎてない、ストイックすぎない体。お尻とか胸に関しては重力で垂れると思うので(苦笑)、垂れないように筋トレしてます。

カッコいい綾瀬さんを満喫できる最新作について

ラストの格闘シーンは自分でもカッコいいなって思います!

――綾瀬さんもドラマの続きが気

――綾瀬さんもドラマの続きが気になっていたという『奥様は、取り扱い注意』。劇場版では〝奥様〞の菜美は記憶喪失となって、名前を変えていました。
記憶を失っている菜美は自分が何者なのかわからない状態なので、海の中を漂っているようなモヤモヤした感じのお芝居をしていました。菜美なのに菜美じゃない人を演じるモヤモヤ感は私自身にもありましたね。やっと〝奥様〞を演じられるのに、誰これ?みたいな(笑)

――あの超絶アクションも劇場版ではさらにパワーアップ。どんな準備をしましたか?
基本的に動ける体は保っていましたが、撮影の3カ月前から体幹を鍛えるトレーニングをハードにやりました。ドラマから時間がたっていたので、基礎のトレーニングから始めて。体が慣れてきた頃からアクションの〝手〞を覚えて、西島さんや対戦相手の方と何回も何回も繰り返し練習しながら強化していきました。映画では戦う相手がロシアの諜報員。彼は背が高くてガタイも大きくて、もともと軍隊経験があるらしく、熱が入ってくると本気でドスッとくる(苦笑)。『もうちょっと力抜いて』って言いながら練習してました。大きな怪我はなかったけれど、打ち身は普通にありましたね

――ドラマ同様、ほぼスタントなしで挑んだのは自らの希望でしたか?
ドラマのときは全部自分でやりたいって言ったんです。でも2年たって年齢も重ねたので『もう無理はできないんで。できないところはスタントさんでお願いします!』っていうスタンスに変わってたんですけど(笑)、実際にやり出すとできるアクションは自分でやりたいっていう感じになってきて…。いつのまにかスイッチが入って、やります!って言ってました(笑)

――とはいえロシア諜報員役の大男相手に戦うのは正直大変だったかと。
辛い…みたいな(笑)。大きい方なので一手一手が重たくてドンッてくるんですよ。寝技もありましたし足技も重すぎるし、彼の腕、丸太みたいなんですよ!ラストの格闘シーンは撮影に4日かかったかな。全身が痛くて脚が棒みたいになったけど、朝、マッサージして軽く筋トレしてウォームアップして、ヨシッ!て気合を入れて挑んでました。辛かったけど、完成したものを見たら『おおー、頑張ってよかった!』って思ったし、格闘シーンは自分でもカッコいいなって思います!

――西島秀俊さんとはドラマ版以来の共演。劇場版では口喧嘩しながら共闘します。
約2年ぶりでしたが、もともと西島さんは〝気のおけない兄ちゃん〞みたいな感じなのでやりやすかったです。二人でタッグを組んで戦うというのはドラマではなかったので、練習も楽しかったですね。『ちゃんとやってよ!』とか『俺がいないところで隠れて練習してるだろ!』とか、じゃれ合いみたいに練習してたので(笑)。西島の兄ちゃんには、〝抜け駆け野郎〞みたいに言われてましたけど(笑)。見応えのあるアクションを楽しんでほしいし、西島さんと演じた夫婦の絆や形にも注目してもらえればと思います

撮影/樽木優美子(TRON management) ヘアメーク/中野明海 スタイリング/西 真由美 取材・文/駿河良美 撮影協力/AWABEES

【衣装】コート¥239,000 パンプス¥99,000 バッグ¥139,000(すべてザ・ロウ/ザ・ロウ・ジャパン)ニット¥21,000(CABaN/CABaN Daikanyama)デニムパンツ¥24,000(イレーヴ/アングロ―バル)ベルト¥10,000(テラ/ティースクエアプレスルーム)イヤリング¥42,000(ポンテヴェキオ/ポンテ ヴェキオ銀座並木通り本店)バングル¥55,000(タプレイ/エスケーパーズオンライン)