明日海りお主演ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』開幕レポート
明日海りおさん主演ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』が10月10日に開幕! 前日に行われた公開ゲネプロの様子や主要キャストの皆さまのコメントをお届けします。
前回のCLASSY.ONLINEでの取材で「今までにない明日海りおを、お見せすることができると思います」と語って下さった明日海さん。今回の『マドモアゼル・モーツアルト』では宝塚ファンが知っている男役の明日海さんとはまた違う、性別にとらわられず〝モーツァルト〟として必死に生きる姿がそこにありました。明日海りおさんをはじめとする主要キャスト4人の皆さまのコメントをご紹介します!
明日海りお:モーツァルト/エリーザ役
「天才音楽家・モーツァルトを演じている明日海りおです。今回は『マドモアゼル・モーツァルト』ということで、実は女性だったという設定で小さい頃は“エリーザ”として、そこから音楽の才能を見出されて男として育っていく、という役です。」
平方元基:サリエリ役
「サリエリ役の平方元基です。イタリア出身の宮廷作曲家で、モーツァルトに恋をしてしまい、当時音楽家には男性しかなれなかったので「僕は男に恋をしたのか?」「ひょっとしてモーツァルトは女なのか?」といろいろな悩みを抱きながら物語を展開していく役を演じさせていただきます。」
華優希:コンスタンツェ役
「モーツァルトの妻・コンスタンツェ役を演じる華優希です。家庭的な女性として描かれていまして、モーツァルトに純粋に恋をしていた少女の時代から、モーツァルトが女だったと分かっても、性別やいろいろなものを乗り越えて与え与えられながら共に歩んでいく姿を、しっかりと描いていければと思っています。」
古屋敬多(Lead):シカネーダー役
「シカネーダー役を演じます古屋敬多です。終盤の方で登場する役なのですが、モーツァルトと一緒にオペラ界で革命を起こそうする、とても野心家でありマルチな才能を持った人物です。」
―注目してほしい見どころを教えてください。
明日海「見どころはたくさんあるのですが、私自身の見どころとしては、“私って何なんだろう”と考えた時に、勇気を出して自分の進むべき道へ歩んでいくところ。勇気を出せたことがすごいなと思います。その勇気というのは、サリエリと出会って気づいた事、コンスタンツェと性別を越えて愛を育めた事、シカネーダーがチャンスをくれて絆を築く事が出来た、様々なキッカケが全部勇気に繋がって結果として出ているので、その過程をお楽しみいただきたいなと思います」
平方「大きな愛というのが大切なテーマでもあるので、そこを感じていただければと思うのと、作中で“精霊”たちがたくさん登場しているのですが、言葉は発さないけれども要所要所ですごく体を使ってダンサブルなナンバーがあったりコンテンポラリー的なダンスがあったりいろんな表現をしているんです。そこも注目して見ていただけると作品をより深く楽しんでいただけるのではないかなと思います」
華「物語にいろいろな展開があって、大切な心の動きの場面がたくさん出てくるのですけれども、前半・後半共にすごく楽しい場面も多いなという印象です。個人的には、明日海さん(演じるモーツァルト)と仲良くさせていただく幸せな場面は、とても楽しくて、そしてドキドキ・ハクハクしながら演じさせていただいていますし、“♪NaNaNa!”などいろんな華やかな場面もお客様にお楽しみいただけるのではないかなと思います」
古屋「皆さんとても素敵で、惚れ惚れしながら見させていただいているのですが、その中でも明日海さんのモーツァルトとエリーザの演じ分けが本当にカッコよくて可愛いので、そこは見どころだと思います」
明日海「私のことはいいので(笑)、 “♪NEW WAVE” (古屋中心のナンバー)の宣伝とか」
古屋「いや、僕なんて…」
平方「みんな控えめ(笑)」
古屋「僕、本当に後半の方に出てきて嵐を起こしていく感じなのですが、革命前夜を見ているような気持に出来ればいいなと思いますし、精霊たちと一緒にパフォーマンスするナンバーは、“圧巻”と言われるように頑張りたいです」
―自分に才能がひとつ与えられるとしたら、どのような才能が欲しいですか?
明日海「切実に欲しい才能なのですが(笑)、短時間で人と仲良くなれる才能が欲しいです。このコロナ禍で人と一緒にいられる時間はとても限られていますし、この仕事をしているとなかなか仕事以外で人と会えなかったりするので、短時間で即!仲良くなれる才能が欲しいなと思います。そう言っても、ここの皆が仲良くないみたいに思わないでください(笑)」
一同「仲良いですよ(笑)」
平方「今思ったのは、即回復したい!ですね。疲れたなと思っても2秒くらい寝たらすぐ元気になれる才能があったら、いろんな事をやれるから全速力で人生を駆け抜けられるかなと思って。即!超回復する才能が欲しいです」
華「今備わっていないとマズイなというものかもしれないのですが…リズム感が欲しいなと思って。アンサンブルの皆さんや古屋さんと明日海さんの“♪NEW WAVE”を見ていても、リズムの取り方がカッコよくて本当に素晴らしいので、この公演の間にいっぱい見て盗もうと思っています」
古屋「こういう取材で緊張しないような」
平方「緊張してるの!?」
古屋「緊張してますよ!正直バクバクで、足も震えていてさっきから止まらなくて。昨日も緊張で寝られなくてですね…強くなりたいです。今年(デビュー)20周年なんですけど、なかなか慣れないです(笑)」
―初日へ向けての意気込みをお願い致します。
平方「稽古場から密になることは避けなくてはいけなかったんですけれども、すごくいいカンパニーで家族のような皆さんとこの物語を温めて作ってまいりましたので、きっといろんなものをお持ち帰りいただける作品になっていると思います。余すところなく楽しんでいただければと思っていますので、よろしくお願い致します」
華「今、こういう状況ですけれども、初日を迎えられるということが本当にありがたいことだなと感じます。個人的には、宝塚を卒業して舞台に立つのが初めてでとても緊張しているのですが、このカンパニーの素晴らしい皆様と舞台を作らせていただけることに幸せを感じていて、一日一日大切に、お客様に愛だったり、温かいものをお届け出来るように精一杯頑張ります」
古屋「稽古開始から約2か月、毎日体調には気を使ってやってきました。いよいよ本番ですが、気を抜かず、千穐楽まで行けることが出来たら奇跡だなと、そういう気持ちで一回一回を大切に演じていきたいなと思っています」
明日海「カンパニーの皆さんと今まで命懸けくらいの気持ちでお稽古をしてきた期間が終わって、いよいよ初日が開くのだと思うと感慨深いです。私たちにとっては板の上に立てるというのは何よりの喜びで、“生きてる”と思える最高の場所であって、そしてお客様と一緒の空間を共有出来る。“幸せでどうなっちゃうんだろう”と今から恐れています(笑)。体力と集中力のいる舞台なので出演者・スタッフの皆様と心を一つにして、いろんな事に気を付けながら大切に一日一日一回一回をお届け出来ればと思います」
『マドモアゼル・モーツァルト』
「モーツァルトが実は女性だった」というフィクションを描いたミュージカル。‘91年に初演され、モーツァルトの楽曲が使用されていることはもとより、小室哲哉が音楽を担当していることでも話題を呼ぶ。初演から30年がたち本年、宝塚元トップスターの明日海りおにより新たな『マドモアゼル・モーツァルト』が誕生。●10月10日~10月31日 東京建物ブリリアホール 作品公式HP
取材/よしだなお 構成/CLASSY.編集室