【赤ちゃんとの簡単な遊び方】もらって渡して「はい、どうぞ」
VERYwebで毎週金曜日に配信中の「こども遊び研究所」。今週は、井出武尊さんが赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しむ遊びをご紹介いただきます!
赤ちゃんと一緒に
「はい、どうぞ」で繰り返し遊べる
赤ちゃんは歩けるようになると、色々なものを手で掴むようにもなります。「これはなんだろう?」と関心を示し、手で掴むことで質感や重さなどを感じたり、あるいはその際に生じる音を楽しんでいるなんてこともあるかもしれません。
そんな頃におすすめなのが「ちょうだい」「はい、どうぞ」と声をかけて掴んだものを、もらったり渡したりする繰り返し遊びです。この頃のもう一つの特徴が、色々真似をするようになるというもの。手に掴んだものを自然とママやパパに差し出してくれる赤ちゃんも少なくないのではないかと思いますが、これはママやパパが優しくおもちゃや食事を手渡してくれる様子を、真似ているのかもしれないですね。
積み木やブロックなどをいくつか置いておきます。たくさんあっても構いません。おままごとの食材やラトル(ガラガラ)のような音の出るおもちゃも楽しいと思います。丸めてたたんだ靴下(もちろん洗濯済み!)なんかも掴みやすい大きさだと思います。
赤ちゃんが掴んだら、ママが手を出して「ちょうだい」と伝えてみましょう。「ください」とか「それ、欲しいなー」とか普段使っている自然な言葉をかけてください。赤ちゃんが手の上に掴んだものを渡してくれたら、「ありがとう!」といって今度はそれを返します。返すときには「はい、どうぞ」と伝えます。
この頃の赤ちゃんというのは、好きな遊びを繰り返したい時期でもありますから、これだけで楽しい遊びの始まりです。きょうだいがいるのであれば一緒に楽しむこともできると思います。
調子が出てきたら少し距離を置いてもいいかもしれません。1~2m離れた場所にカゴなどをおいたら、その中に好きなおもちゃを入れておきます。まだ歩かないハイハイの赤ちゃんには、カゴではなく床に置くと遊びやすいだろうと思います。
おもちゃを掴んだら、先程同様「ください」と伝えます。よちよちと歩いて持ってきてくれたら「ありがとう、はい、どうぞ」と言って、おもちゃを返します。手元に別のおもちゃを用意しておいて、交換するのも楽しいです。エンドレス「はい、どうぞ」遊びの始まりです。
赤ちゃんが気に入った様子を示すようであれば、少しずつアレンジを加えても良いと思います。例えば、もらったおもちゃを使ってお料理をするふりをして「おまたせしましたー」と渡せば、レストランごっこになります。また、おもちゃをもらうときに「100円です」と伝えればお買物ごっこに。
なんでも真似をしたい頃だからこそ、やって見せてあげることで、すぐに真似をする遊びが始まるようになります。言葉をかけることも同じように、今は喋れなくともたくさんの言葉をかけてあげることが、その後のコミュニケーションの礎になるのだろうと思います。
遊びは楽しいことが大前提。楽しければそれ以外に目的なんてなくて良いのだと思います。「〇〇を育む遊び」などと言うことがありますが、遊びの効果を求めて遊ぶのではなく、楽しく遊んだ結果、体や心が成長をするのでしょう。
赤ちゃんの時期はあっという間に過ぎていきます。ですが人生の中でも貴重な大きな成長を遂げる時期でもあります。子どもたちにはたくさん遊んでのびのびと育ってほしいですね。
遊んでみた様子は、ぜひ#takeruide #VERYこども遊び研究所 のハッシュタグをつけてInstagramにアップしてくださいね!
\教えてくれたのは/
◉井出武尊さん Takeru IDE
2004年東京藝術大学先端芸術表現科卒業。子どもと遊びの企業にて多数のプロジェクトに携わり、15年以上にわたって子どもの遊具や遊び場のデザインを手がける。幼少期における表現活動の重要性を感じており、遊びのプログラムの開発、ノウハウの提供、情報発信などに幅広く従事。子どもの表現教育のためのミュージアム設立が目標。2021年1月現在、5歳の娘と毎日遊ぶ様子がSNSを通じてママたちの関心を集めている。Instagram:@takeru_ide