【中学受験㉒】ママたちのファッションに注目してみよう

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これまでのコラムで「志望校選び」のノウハウを長々と語ってきましたが、今回はファッション誌の連載らしく、少し脱線して「オマケのオマケ」。「ママファッション」についてです。「オマケのオマケ」なので、箸休め程度に読んでくださいね。


第10回のコラムで学校説明会に何を着るべきかについて触れました。

わざわざ、このために新調する必要はありません。ただ、学校説明会はオフィシャルな会という位置付けなので、Tシャツにデニムよりはニットのアンサンブルにフレアスカート膝丈なんていう組み合わせを選ぶ人の方が多いよというようなお話でした。例えるならば、ちょっとお洒落な女子会ランチの服装って感覚が近いかな?と思っております。

まあ、何を着て行ってもいいんですが、自分が「もしかして外した?」的な「疎外感」を勝手に感じてしまうと、説明会でのママのミッション(=学校調査)に集中できなくなる恐れがあるので、それはもたいないかな?という程度の話です。

でもね、このママファッション、実は、すごく面白いんですよ。
 
各学校に勝手にお邪魔することが多い私ですが(趣味と呼んでください!)、保護者会やPTA活動にバッティングすることが、まあまあな頻度でございます。つまり、学校に遊びに行かせてもらったら、その学校の保護者ママたちに会えちゃった!って話です。当然、その場で、お話を聞かせていただくことが多いです。

そんなことをしている内に、いつ頃からか、学校によってママたちの雰囲気やら、持ち物が微妙に違うんだなぁってことに気が付いちゃったんです。 「ふわっ」とした感覚だけですが、ママたちの集団も、学校ごとにオリジナルな空気をまとっているように思えてきちゃうんですよね。学校という名のファンクラブの中で朱に交わる内に、ママたちも素敵なグラデーションの赤系になるのかなぁ?と想像しておりますが、このことは、いつも興味深く感じております。

今年の春先に遊びに行かせていただいた学校さんでは、高3保護者会が開かれておりまして、校長先生はじめ諸先生方のお話を拝聴しておりました。さすが、高3の親ともなると「真剣さが半端ないな」と唸っておったのですが、その時間が終わりまして、ママ達を見送っていた時に「ここのママ達、〇〇ってブランドバッグを持っている人が多いなぁ・・・」ってぼんやりと思ったんですね。

もちろんそのバッグ、お安くはないのですが、さりとて、ため息値段ということでもなくしかしそれを置いている百貨店は少ないのでは?という、実に絶妙なチョイスなわけです。「ほのかにいい感じのマダムのかほり漂う、さすがのセレクト!」ってところですかね。

また、同じ春先、別の学校に遊びに行きました。こちらも高3保護者会でしたが、ママ達、ドレスコードならぬカラーコードがあるのかな?と思うくらい、黒色か紺色系統の洋服をお召し。こちらでは、いわゆるブランドブランドしたバッグというものをお持ちのママは発見できませんでした。こちらには、もう何度もお邪魔していますが、いつ行っても、出会うママ達は上品なセンスが光る「確かなお品」をお持ちの方が多いようにお見受けしております。

さらに別の学校に出向きました。ここではPTA役員のママたちがソーシャルディスタンスを保つような形で招集されていましたが、その服装もバッグも実にカジュアル。自由な校風を重んじている学校ですので、そのせいか色とりどりで若さ溢れるママファッションを楽しんでおられるように感じました。

ワタクシ、趣味ですので、こういう面も見るともなしに見ております(笑)

このように各校でママたちのファッションにも微妙な違いがございます。受験生ママがその違いを見られる機会はあまりないかもしれないのですが、実は学校説明会でも微かにではございますが、感じることはできるんですね。

やはり「この学校を!」とある程度はセレクトしていらっしゃる方々ですので、事前に学校の雰囲気をご存知なのだと思います。

ファッションのことだけで言えば、先に出したカラーコード疑惑がある学校の説明会ではポロシャツ・スニーカー派として参加したならば、悪目立ちするだろうなと思いますし(実際、説明会にも何度もお邪魔していますが、お見かけしませんでした)、事例に挙げました自由な校風の学校では「1マイルウェア」のママ達も珍しくはないのです。

重ねて申し上げますが、何をお召しになろうと自由です。ただ、ママファッションにも、校風というものが出るんだね~ってことが言いたいわけです。

もし、学校説明会に出向くチャンスがありましたら、ご自分がそこに居て、心地よいなと思える空間かどうかということも、併せて感じていただけると、よりミスマッチがない学校選びになると思います。

学校選びの本筋とは離れていますが、ご参考になると嬉しいです。

鳥居りんこ・・・作家、教育・介護ジャーナリスト

2003年、長男との中学受験体験を赤裸々に綴った初の著書「偏差値30からの中学受験合格記」(学研)がベストセラーとなり注目を集める。

その後シリーズ化され、悩める保護者から“中学受験のバイブル”と評され、中学受験を辛かった思い出ではなく、子どもとの絆を感じられ、子育てが楽しくなる内容に、心救われ涙する保護者が続出しました。

ブログ:湘南オバちゃんクラブ https://note.com/torinko

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構成/加藤景子 イラスト/村澤綾香

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