心療内科医に聞いた、コロナ禍での自己肯定感の高め方

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「再会の日を〝イメージ〟して、〝準備する〟ことが日々の力になる」

コロナ禍になる前は、家事や仕事の日常の中に「誰かに会う」というプラスαの予定があって、そこに向けて無意識に「理想の自分」をイメージし、近づけるよう努力していたんです。服を考えたり、美容に力を入れたり……と、普段の生活の中にも潜在意識が働き、自然と服や化粧品に目がいくようになっていました。

そもそも「人に会う」ことはいい緊張感がかかるもの。ありのままを見せられる家族と違い、相手の気持ちを想像しながら、共感や気配りをすることで自然と脳が刺激されます。また、「人と会う」のは、理想に向けて努力した自分を表現できる場所でもあります。コロナ禍でその場所がなくなったことで、努力が止まってしまったり、家庭や職場の日常だけに固定されている〝肩書つきの自分〞に息苦しくなっているのかもしれません。

その場合、まずは仕事や家事のルーティンの他に、意識的に「個の時間」を取り込むようにしてみてください。本を読むにしても実用書ではなく、旅の写真集や小説、話題の韓国ドラマを見るのもいいと思います。母や妻など、普段の役割とは違う思考回路を刺激できるような、非日常的な要素を意識的に足すことで前向きな気持ちが戻ってくるはず。

また、久々の再会に「老けたな」とか「疲れてるな」と思われるのは悲しいですよね。「イキイキしてるな」と思われたい。そこは、コロナ禍でいかに自分の日常を〝リフレーム〞できていたかがカギとなります。その差はポジティブの度合い。大変だったり嫌だと感じるネガティブな要素を「1」としたらポジティブ要素を「3」の割合で増やせ、という理論があります。ポジティブの内容は決してドラマチックな出来事でなくてもよくて、コーヒーが美味しかったとか、心地いい音楽を聴く、雑誌でキレイなモデルさんのファッションを見るなど、日常の中から自分で見つけ出し、それがポジティブ要素だと認識することが大事。そういう積み重ねで「自分は楽しめている」という自己肯定感が高まります。「人に会わないから服は必要ない」という話も耳にしますが、人の目も大事ですが、まずは自分に納得し、「日々を楽しめている」と認識できることが一番です。

そして、今の過ごし方が〝老後の自分に繫がる〞と想像して。このコロナ禍をどう生きるか、人間力が試される時期。この先、70代、80代……と年齢を重ねていくと、もっとそれが顕著にでてきます。同じ80代でもイキイキしている人とぐったりしている人といますよね。年を取ってから、人の生き方の集大成が出る。そのために今から整えていくことが大事。今は人に実際に会えなくても、例えば2カ月後には会えるかもしれない。それに向け、何気なく毎日を送るのではなく、その「いつか」を具体的にイメージし、キープしながら日々を前向きに、過ごすようにしてください。

教えていただいたのは

FROM 心療内科医 海原純子さん

Profile
ハーバード大学客員研究員を経て、日本医科大学特任教授、昭和女子大学特命教授を務める。『繊細すぎる人のための心の相談箱』など著書多数。

撮影/西崎博哉(MOUSTACHE) モデル/高垣麗子(身長:170cm) ヘア・メーク/木部明美(PEACE MONKEY) スタイリスト/竹村はま子 取材/石川 恵 ※情報は2021年11月号掲載時のものです。

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