妊娠から【ブラトップ派】になったママ必見! ランジェリーデザイナーが教える素敵な下着

イェーガ千代乃

アトリエでの顧客との打ち合わせなど、きちんと感を出したいときは自身のブランド「Chiyono Anne(チヨノ・アン)」の揺れるドレスにジャケットを合わせて。どちらも、イギリスから取り寄せた肌触りの良いシルク100%で作られている。

 

ランジェリーデザイナーとして女性の身体と向き合ってきたイェガー千代乃・アンさん。自身の妊娠を機に、より自分にフィットするランジェリーの必要性を感じたそうです。<インタビューの前編はこちら

 

 妊婦のときこそ“ご自愛ランジェリー”を身につけて

 

———妊娠期に予想外の手術を体験しながらも、徐々に大きくなっていくお腹や胸と向き合うわけですね。多くのママ達も少なからず身体的な苦しみをかかえる中、下着の苦しさや煩わしさから逃れたくて、つい楽なブラトップを選びがちですが、千代乃さんはどのように感じていますか?

その気持ちはすごくよく分かります。自分の身体の中に別の人間が入り込んでいて、ハイジャックされているような状態ですから。でもそれでも「自分は自分」と思いたいんですよね。妊娠中であっても、女性らしいアイデンティティを隠すべきじゃないと感じています。だから、ファッションも元の状態からあまりブレなくてもいいのかなって思っているんです。私の場合、子宮頸管の手術での入院中、看護師さんには驚かれましたが(笑)、シルクジャージーのレースのランジェリーを身につけていました。「身体に変化があっても元の自分から離れたくない」という気持ちを、ランジェリーに託す思いだったのです。ランジェリーは自分を忘れないようにという、お守りのような存在です。

ランジェリー

ランジェリーに使われる肌触りのいいシルクは、すべて英国から取り寄せている。今シーズンのコレクションは、伸縮性に加え淡く絶妙なカラーリングにもこだわった。

 

 カップサイズの変動にも対応できる!「妊婦さんも使えるフレキシブルなデザインを作りました」

 

———新しいコレクションでは、今のマインドを投影した妊婦さんのためのランジェリーをデザインされているのですか?

 “ビスポーク”以外に、年に2回コレクションラインも発表しています。今回のコレクションの中には、[セレブレーションライン]というものを追加しました。女性の人生の中のマイルストーン的な出来事を祝う、ということがコンセプトになっいて、同時に私自身の妊娠というパーソナルな出来事からもインスパイアされたラインです。通常サイズに加えマタニティサイズも用意して、妊娠している人のためにちょっとした工夫をほどこしているんです。普段使用しているシルクサテンを100%シルクのジャージー素材に置き換えて、伸縮性にポイントをおきました。私自身もカップサイズが2サイズくらいの変動があったんですが、それでもカバーできる伸縮性があります。妊娠期間中だけでなく、その前も後もずっと寄り添っていられるような下着です。

サイズ変動に対応できるだけじゃなく、シルクジャージーは保温・保湿効果にも優れているし、妊婦でなくともカップサイズや体重などの変動が多い人や、敏感肌の人にもおすすめしたいランジェリーです。また、繊細な色にもこだわり、淡いシルバーに、レースにはよく見るとキラッと光るゴールドの糸を使用しています。ピースフルな印象ですが、「繊細」というのは実はすごく強いんだ、と確信した私からのメッセージでもあるんです。

ランジェリー

繊細なレースをあしらった清潔感のあるランジェリーに、デザイナー千代乃さんの洗練したお人柄が現れている。

 

大人の女性こそ“ポジティブボディ”マインドで!

 

———日本人女性は、年を重ねるにつれて変化していく身体を隠したいと思いがちですが…

私は、女性の身体はヒストリーだと思っています。形が変わったとか、崩れたという表現には共感できなくて、ヒストリーに沿って身体が進化したと考えたいんです。だからこそ、その変化を恥ずかしがるものではなく、むしろその歴史をランジェリーで包んであげたい。それも、セルフラブ、セルフアクセプタンスだと思っています。

———ひとりひとり違う身体だからこそ、ビスポークというのはすごく納得できます。

そうなんです。チヨノ・アンのお客様には30~40代の女性が最も多いので、ちょうど出産や育児、さらに仕事に追われてしまって、自分の下着にまで手が回らなかったという人も多いんです。でもあるキッカケ、あるタイミングで、ランジェリーにまた興味を持てたと言って来てくださる方もすごく多い。とはいえ、20代と同じではないからこそ、その人の身体にぴたっとフィットするビスポークを纏うと感動してくださいます。限られた数だったとしても、そのひとりひとりに満足してもらって、ランジェリーを通じて、その人自身と身体への向き合い方にまで、タッチできたらと願っています

「妊婦になったことをきっかけにシルクジャージーの素材でランジェリーを作ってみましたが、しなやかに、柔らかく、身体に沿った伸縮性があるこの素材に、女性らしい芯の強さを感じます」、と語る千代乃さん。妊娠をキッカケに、改めて女性がポジティブに生きていくことと向き合った彼女。その手から生まれてくるランジェリーは、見た目だけではない本当の美しさをも引き出していくようです。

イェガー千代乃・アン

イェガー千代乃・アン

アメリカ人の父、日本人の母のもと東京で生まれ、ロンドンとニューヨークで育つ。ロンドン大学SOASで日本語の学位を取得したあと、早稲田大学へ留学。在学中に、明治維新の女性の下着の変遷が、女性の服装一般及び女性の精神的解放にもたらした影響を研究。さらに英国のデ・モントフォート大学院で、着る人へ精神的、感情的な影響をあたえるような「ビスポーク」によるランジェリーデザインの研究で修士号を取得。2014年にビスポークランジェリーブランド「Chiyono Anne」(チヨノ・アン)を立ち上げる。

 

イェガー千代乃・アンさんがデザインするランジェリーChiyono Anneはこちらでチェック。

※〈Chiyono Anne “Celebration”Lineオーダー受注会〉

下記の日程で一般の方もオーダフィッティングができます。この機会にぜひ体験を!

2022年7月16日(土)&17日(日)ともに12:00−19:00、7月18日(月)12:00-17:00

@WHITE ROOM DAIKANYAMA

東京都渋谷区恵比寿西1-32-4パームヒルズ代官山1F

オーダーフィティングは予約制になっております。<予約はこちらのリンクから>

撮影/HAL KUZUYA 取材・文/須賀美季

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