【性教育ワーク連載vol15】デートってなんだろう? 子どもと改めて考えてみよう!

親子の15分性教育ワーク。前回は「恋愛アップデート」がテーマでした。

今回はデートについてがテーマです。

「デート」と聞くと、何を思い浮かべますか?

「プリクラを撮りにいったなあ」、「自転車ふたり乗りとかしちゃってた(実は、道路交通法上は原則禁止です)」、「地元のジャ〇コに映画を観に行ったり、ランチした」、「おうちでまったり派です」

具体的な行き先や過ごし方はすんなりと出てくると思うのですが、ところでデートって何のためにするのでしょうか?

「単純に好きな人と会いたいから」、「一緒にいると楽しいから」など、人によってデートをする目的は違います。デートプランではなくて、「デートとは何か」を突き詰めていくと、結構奥深く、ひとりひとりの考えが見えてきて面白いです。

もちろん、恋愛をするかしないか、デートをするかしないかは、自分で決めること。「思春期になったら恋愛やデートをして当然!」なんてことはありません。でも、仲の良い人や親密な人との過ごし方について考えることは、関係性や同意について考えていく良いきっかけになります。

今回のワークは親子でやるだけでなく、パートナーや友達と一緒に考えてみるのも楽しい内容になっています。

それでは、ワークをはじめましょう!

今回の15分ワークのお題

①デートするってどういうこと?
②デートにさそわれたら、どうしよう
③デートしたら手をつないだり、キスをするのは当たり前なの?

①デートするってどういうこと?

ワークの後半は関係性や同意について考えていくのですが、まずは「デートとは何だろう?」というのを一緒に考えるところから始めていきます。

子どもに「デートって何のためにするのだと思う?」と話をふって、お互いの考えを言ってみてください。

「遊ぶため」「一緒にいたいから」「おたがいのことをもっと知りたいから」など、色々な意見が出てくると思います。

そうしたら、「じゃあ、デートってどんなことをすると思う?」と聞いてみてください。

「長い時間話す」「公園で遊ぶ」「手をつないだりする」など色々な意見が出るかと思います。最近はオンラインで話したり、一緒に音楽を聴いたりするオンラインデートも流行っているので、それが出てくるかもしれません。

もし全然出なければ「ほら、このまえ駅前で見かけたよ」など身近な例を出してみるといいと思います。ある程度話したら次へすすみます。

②デートにさそわれたら、どうしよう

子どもと一緒にイラストを見て、考えてみてください。

「誰かを好きになるかどうか、デートするかどうかは、自分で決めることなんだけど、イラストみたく、もしデートにさそわれたら何て答える?」
と聞いてみてください。

「誘ってきた人しだいかな」「デートとか興味ないから断る」など色々な意見が出たら、次へ。

「その人と一緒に過ごしたいか考えて、イエスかノーかは自分で決められるよ。もし、デートをさそってきた人が、あまりよく知らない人だったらどうする?」と聞いてみてください。

「怖いから断るかなー」「まあ、少し会うぐらいならいいかな」など意見が出たら次へ。

「あまりよく知らない人とデートするときは、ふたりきりじゃなくて、人が多いところがいいよね。ファミレスとか、人が結構いる公園とかかな。他の友達もさそって数人で会うようにするのもいいね。もし、SNSとかオンラインゲームのチャットで知り合った人とデートに行きたいとおもったら、危険なことが多いから必ず相談してね」

※オンラインゲームやSNSでのコミュニケーションについは連載第8回の記事にまとめてあります。

「あと、誰かを2、3回デートに誘って、断られたら、あきらめるのも大切!何度も誘うと相手の子を怖がらせちゃうからね」と付け加えましょう。

③デートしたら手をつないだり、キスをするのは当たり前なの?

つぎは、親子で一緒にマルバツクイズに答える形式です。次の文が合ってれば「〇」、間違っていれば「×」で答えてください。一緒に答えて、解説も読んでみてください。

第1問:デートの最中は、手をつなぐのが当たり前!

答えは×。デートは、一緒に話したり、楽しんだりするためのもの。手をつなぐのは当たり前ではなくて、2人ともがしたければするもの。手をつなぎたいときは「手つないでいい?」ときくことをお忘れなく!

第2問:デートすることをOKした人は、キスするのもOKということ?

答えは×。デートに行くのをOKしたのは、一緒に過ごすことをOKしただけだから、キスするのをOKしたわけではないです。

第3問:恋人だったら、いちいち「キスしていい?」とか聞かずにキスして大丈夫?

答えは×。恋人であっても、どんな関係でも、手をつなぐ、キスをするとかは、ひとつひとつ言葉で「してもいい?」って確認するもの。前回のデートでOKだったとしても、毎回きく必要があります。もし、おたがいに気楽に「イヤ!」って言えないのなら、一緒に過ごさないほうがいいかも。
 

お疲れさまでした!

次回は、デートDVについてです。

〈次回へ続く〉

イラスト/ばばめぐみ ※イラストは書籍「10歳からのカラダ・性・ココロのいろいろブック 変わるカラダのいろいろ編」(ほるぷ出版)から抜粋

【性教育ワーク連載vol12】知っておこう、性暴力のこと。性加害・性被害を防ぐために(後半)

STORY[ストーリィ]

【性教育ワーク連載vol13】「剃る?」「脱毛する?」「そのままにする?」子どもと考えよう、カラダの毛のはなし

STORY[ストーリィ]

【性教育ワーク連載vol14】親子で一緒に「恋愛アップデート!」

STORY[ストーリィ]

アクロストン

妻(みさと)・夫(たかお)であり、12歳、10歳の子を育てる親でもある、医師2人による性教育コンテンツ制作ユニット。
公立小の保健の授業や楽しく性について学べるワークショップを日本各地で開催。
家庭ではじめられる性教育のヒントや性に関する社会問題についてなどを発信している。

著書:「10歳からのカラダ・性・ココロのいろいろブック 変わるカラダのいろいろ編」 (ほるぷ出版)、「3~9歳ではじめるアクロストン式 『赤ちゃんってどうやってできるの?』」、「いま、子どもに伝えたい性のQ&A 、思春期の性と恋愛 子どもたちの頭の中がこんなことになってるなんて!」(ともに主婦の友社)
監修:シールでぺたぺた「おうちせいきょういくえほん」(主婦の友社)

インスタグラム
https://www.instagram.com/acrosstone/

ホームページ
https://acrosstone.jimdofree.com

STORY