【漢字】「奢侈=しゃい」は間違い!入試によく出るのに、実は読めない漢字3選|CLASSY.
私たちが普段使っている常用漢字2,136字は、「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すもの」であり、表に掲げられた漢字だけを用いて文章を書かなければならないという制限的なものではありません。したがって、身の回りの印刷物や大学入試の漢字の読みなどにおいても、常用漢字外の漢字を目にすることは、けっして少なくありません。
その中には、よく見かけるのだけれど、実は「自信を持って読めない」「何とか読めるけれど意味がわからない」というもの、恐らく誰にでもあるものでしょう。というわけで、常用漢字外の漢字を含む熟語を紹介します。
1.「招聘」
最初は、「招聘」です。「聘」が常用漢字外です。「講師として大学に招聘する」のように使います。さて、何と読むでしょうか?
正解は、「招聘(ショウヘイ)」でした。「聘」は音読みで「ヘイ」と読み、「賢者を招(まね)いて用いる」という意味を持ちます。ですから、常用漢字「招」も同じく「まねく」ですが、「聘」が付いて「招聘」となることで、特に「礼を厚くして人を招く」という意味合いが強くなります。余談ですが、私は「聘(ヘイ)」の読みを、この字が使われた某有名中華料理店の名前で覚えました(実際、このお店と「招聘」以外では、お目にかからない字かもしれません)。
2.「直截」
次は、「直截」です。「截」が常用漢字外です。「簡明直截な表現を心がける」のように使います。さて、何と読むでしょうか?
正解は、「チョクセツ」でした。「チョクサイ」と読んだ人がいることと思います。たしかに、似ている「載」「栽」などは「サイ」と読みますからね。しかし、「截」には「サイ」の読みはありませんので、これは誤読です。多くの人が使うことで、それが慣用読みとなる場合はありますが、完全に認知されているわけではないので、今のところ、やはり「チョクセツ」と正しく読みましょう。
なお、この「截」の字は「矛(ほこ)で断ち切る」意味ですから、「直截」は「思っていることをまわりくどくなくはっきり言うこと」です。同じ「チョクセツ」でも、よく使われる「直接」は、「物事と物事の間に隔てるものを置かずに接すること(対義語は「間接」)」ですから、意味が違います。
3.「奢侈」
最後は、「奢侈」です。こちらは、「奢」「侈」も常用漢字外ですので、難問かもしれません。「生活が奢侈に流れる」のように使います。さて、何と読むでしょうか?
正解は、「シャシ」でした。まず、「奢」は音読みで「シャ」、訓読みで「おご(る)」です。漢字の持つ意味は「多過ぎる・度が過ぎる・ぜいたくになる」などです。また、「侈」は、音読みで「シ」、訓読みではこれも「おご(る)」ですから、意味は「金を使ってぜいたくをする」です。つまり、ほぼ似た意味の二字が連なって、「度を越したぜいたくをする・身分不相応な暮らしをすること」を表します。
なお、「奢」の字を手書きする場合、「大」を書いた後の「者」は旧字体ですから、「点(、)」が必要です。忘れないようにしましょう。
いかがでしたか? では、今回はこのへんで。
《参考文献》
・「広辞苑 第六版」(岩波書店)
・「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)
・「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)
・「新字源」(角川書店)
・「入試漢字2800」(桐原書店)
文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)