【宝塚】元タカラジェンヌ・音波みのりさんが教える「大人の美人見えメーク」

宝塚歌劇団在団中から、“宝塚の

宝塚歌劇団在団中から、“宝塚の娘役”を象徴するような圧倒的な透明感と気品の溢れる佇まいで、多くの人を魅了してきた元星組娘役スター・音波みのりさん。その美しさの秘訣とは?【第2回】はメークアップについて伺いました。

使用アイテムは…

【右から】独自の粉体技術で明る

【右から】独自の粉体技術で明るく透明感のあるキメ細やかな肌を演出。ミラノコレクション フェースアップパウダー2023 ¥9,900〈編集部調べ・11月26日より数量限定発売〉(カネボウ化粧品) ウォータープルーフでナチュラルに描いた眉を長時間キープ。ディオールショウ スルシィル プードル ウォータープルーフ 03 ¥3,410(パルファン・クリスチャン・ディオール) 自眉の黒さを抑える微細パールが高発色を実現。ケイト 3D アイブロウカラーN BR-3 ¥935〈編集部調べ〉(カネボウ化粧品) 熟れたプラムのようなパープルを中心としたシェードは肌映えも抜群。ディオール サンク クルール クチュール 159 ¥8,470(パルファン・クリスチャン・ディオール) 日本人の目に合わせたコンパクト設計で細く短い毛も逃がさずキャッチ。ディーアップ パーフェクトエクステンションマスカラ for カール チェリーブラウン ¥1,650(ディー・アップ) 肌に溶け込むように発色。ナチュラルな血色感をプラスするローズピンク。シャネル ジュコントゥラスト 330 ¥7,150(シャネル カスタマーケア) 内側からふっくら潤ったボリュームリップに。ディオール アディクト リップ マキシマイザー 001 ¥4,180(パルファン・クリスチャン・ディオール)

How to make up

    【右から】独自の粉体技術で明る

    1.パフにお粉をとり、顔全体にポンポンとのせていきます。「あれこれ重ねると崩れが気になるので、ベースメイクは基本的にこれだけです」(音波さん)

    【右から】独自の粉体技術で明る

    2.ペンシルアイブロウを使ってさっと書き出す程度に。自眉を生かしながら、眉頭はぼかしてなじませます。「芯が柔らかくて描きやすいので、ずっとディオールのものを愛用しています」(音波さん)

    【右から】独自の粉体技術で明る

    3. アイブロウマスカラを眉全体に。左右にブラシを細かく動かして一本一本しっかりと梳かすようにつけていきます。「アイブロウマスカラは、その時の髪色によって使用する色を変えています」(音波さん)

    【右から】独自の粉体技術で明る

    4.アイシャドウパレット右下のカラーで目のキワを締めていきます。「普段はアイラインを引かないので、アイラインの代わりになるようにキワにしっかりといれます」(音波さん)

    【右から】独自の粉体技術で明る

    5. 二重幅にパレット中央のカラーをのせ、なじませていきます。

    【右から】独自の粉体技術で明る

    6. 左下のカラーを指にとり、アイホールにのせて4と5のカラーをなじませていきます。

    【右から】独自の粉体技術で明る

    7.パレット左上のラメを指に取り、アイホールの中央にのせます。「ラメ系のものは黒目の上、アイホールの中央のみにのせることが多いです」(音波さん)

    【右から】独自の粉体技術で明る

    8. パレット右上のライトカラーを眉下全体にふんわりとのせていきます。

    【右から】独自の粉体技術で明る

    9.マスカラは根元から、全体にのせていきます。

    【右から】独自の粉体技術で明る

    10. チークを大きめのブラシに取り、頬の中央からこめかみのほうに向かって広めにいれていきます。

    【右から】独自の粉体技術で明る

    11. リップはたっぷりと唇全体に塗っていきます。

落ちないメークを日々研究! 試行錯誤して辿り着いた名品たち

今回ご紹介したのは、お稽古場で

今回ご紹介したのは、お稽古場でも発色をキープして落ちない、そして落ち方までも美しい、厳選アイテムです! いろいろなコスメを試してみて、発色とメークの落ち方がきれいかどうかというのを日々研究し、試行錯誤してきました。気になるコスメは口コミサイトをチェックしたり、必ず手の甲に塗ってしばらく過ごしてみて、発色の持ちを確認したりします。
お稽古の時のメークは、役によって変えています。『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』レオニード役のお稽古では、ピンクブラウン系のアイシャドウを使用していました。

「このバトンを次の世代に繋いでいきたい」

——『めぐり会いは再び〜』で歌劇団を退団されましたが、ご卒業を意識されたのは?
卒業を意識したのは、2021年轟悠さん主演の『婆娑羅(ばさら)の玄孫(やしゃご)』。心から尊敬する轟さんの宝塚舞台作品としては最後の公演でご一緒させていただけるというのは本当に幸せなことですし、これまでの歩みも含めて充実した時間が積み重なっていって…その時に優しく背中をトンってされたような、そんな感覚がありました。宝塚が大好きで、ずっとここで人生の全てを捧げていきたいと思う気持ちもありましたが、轟さんのご卒業という一つの”節目”となる作品をご一緒させていただくなかで、自分としてもまたひとつ夢が叶ったような気持ちもあり、さらに卒業を意識しました。

これまで多くの方にたくさん支えていただき、幸せをいただいてきたぶん、下級生に出来る限り多くのことを残して、このバトンを次の世代に繋いでいきたいという思いが強かったので、時間をかけて私が学んできたことを下級生に伝えていくために、『婆娑羅の玄孫』から約一年後の退団を自分の中で決めました。

「礼くんの星組で、一緒に同じ夢をみたい」

これまでを振り返ると本当にたくさんの成長の機会をいただきました。特にお芝居では、2017年『ベルリン、わが愛』のレーニは私にとっては課題の多い役でした。この役が出来ないと、私はタカラヅカを辞めるしかないのかな…とも。お稽古場からすごく苦しみましたが、この作品をやりきったときに、役者という仕事の面白さだったり、もっといろいろな役に出会いたいと思うことができました。あのとき逃げなくて良かったなと心から思います。この作品以降、どんな役が来ても乗り越えられる!と思えるようになり、より舞台の奥深さに引き込まれました。

そして、礼くん(現星組トップスター・礼真琴さん)とは、これまで数々の作品、場面で組ませていただいて……そのご縁というのは私にとって本当に大切なものです。トップスターに就任された時には、礼くんが率いる星組で、私も一緒に同じ夢をみたい、同じ景色を見たいという気持ちで、これまでの感謝の気持ちも込めて、礼くんがつくる星組時代をともに過ごせたらと思ってきました。

巡り会えたことに心からの感謝を込めて

『婆娑羅の玄孫』から一年、偶然にも11年前と10年前に演じたときと同じ役で退団することが決まり、いろいろなご縁が重なって退団を迎えることができました。卒業する時には、これまで携わってくださった全ての方への“感謝公演”としてすべてを捧げようと決めていたのですが、逆にたくさんの幸せをいただいてしまって…。幸せすぎて胸が苦しくなるって、こういう感覚なんだと思いました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

この状況下で東京公演を完走することができたのは奇跡のようなことですが、組の皆も最後まで元気で明るくて。専科のお二人、組長さん、副組長さんが引っ張って、そしてれいれい(礼真琴さん)となこちゃん(星組トップ娘役・舞空瞳さん)が先陣を切って走り続けてくれるから、皆がその姿を見て、逃げないぞ!頑張るぞ!という、どんなときも諦めない根性がある組だなと思います。

退団公演の時に心のこもったプレゼントをしてもらった分、一緒に走り続けてきた組の皆に“ありがとう”という気持ちを形にしたくて、私からもささやかなお返しとして、手作りのペットボトルキャップ、まつ毛ケース、マスクチャームなどをプレゼントしました。宝塚ならではの文化のひとつですが、在団中は髪飾りやアクセサリーなどたくさんの物を手作りしてきたので、娘役として最後まで手作りにしようと決めて。ひとりひとりの好きな色や好きなものをできるだけ取り入れたくて、『宝塚おとめ』を改めて熟読したり(笑)。皆のことを調べていると「こんな色が好きだったんだ!」とか、新たな発見もたくさんあって、もっといろいろ話したかった、時間が足りなかった…と思いながら製作しました。

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Profile

音波みのり(おとはみのり)さん
2005年宝塚歌劇団入団。10年『愛と青春の旅立ち』で新人公演初ヒロイン、その後11年『メイちゃんの執事』の東雲メイ役、『アルジェの男』のサビーヌ役など多くの作品でヒロインを務め、星組娘役スターとして活躍。22年『めぐり会いは再び next generation/Gran Cantante!!』で宝塚歌劇団を退団。23年2月『CLUB SEVEN 20th Anniversary』に出演予定。

【衣装】ジャケット¥39,600パンツ¥14,080(ともにティテインザストア/ジオン商事)キャミソール¥8,250(ダブルスタンダードクロージング/フィルム)イヤリング¥2,420リング¥1,980<ともにシースキー>バングル¥22,000<クジャク>(すべてロードス)
【お問合わせ先】ジオン商事 tite.jp/フィルム  03-5413-4141/ロードス 03-6416-1995/カネボウ化粧品 0120-518-520/シャネル カスタマーケア 0120-525-519/ディー・アップ 03-3479-8053/パルファン・クリスチャン・ディオール03-3239-0618

撮影/峠 雄三〈人物〉、五十嵐 洋〈静物〉 モデル/音波みのり ヘアメーク/永田杏奈 スタイリング/中村真弓 取材/渋谷香菜子