【週末観たい映画案内】妻夫木聡主演『ある男』は観終わった後に残る余韻がすごい!

「愛したはずの夫は、まったくの別人でしたーー」というキャッチに目を奪われる映画『ある男』が11月18日(金)より全国公開! 平野啓一郎のベストセラー小説を、『愚行録』『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督が映像化。妻夫木聡さん、安藤サクラさん、窪田正孝さんはじめスターキャストが集い、見終わった後の余韻を楽しむ大人のヒューマンミステリーです。

『ある男』あらすじ紹介

映画「ある男」メイン画像

弁護士の城戸(妻夫木聡)は、かつての依頼者である里枝(安藤サクラ)から、亡くなった夫「大祐」(窪田正孝)の身元調査という奇妙な相談を受ける。

里枝は離婚を経て、息子を連れて宮崎の実家に戻り、やがて出会う「大祐」と結婚。そして新たに生まれた娘と4人で幸せな家庭を築いていたが、ある日「大祐」が不慮の事故で命を落としてしまう。悲しみに暮れる中、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一(眞島秀和)が法要に訪れ、遺影を見ると「これ、大祐じゃないです」と衝撃の事実を告げたのだった。

「大祐」として生きた「ある男」は、一体誰だったのか。「ある男」の正体を追い“真実”に近づくにつれ、いつしか城戸の中に別人として生きた男への複雑な思いが生まれていく――。(プレス資料参照)

【見どころ①】愛した夫が“別の誰か”だったと知ったら?

映画「ある男」より安藤サクラさんと眞島秀和さん

あなたは「別の誰か」になりたいと思ったことがありますか? 何らかの理由で本来の自分を捨てたかったり、消したい過去があったり、自分が置かれている状況に満足できなかったり。理由はそれぞれでも、一度は「自分ではない誰か」の人生を歩んでみたいと思ったことがある人は、実はそう少なくないのかもしれません。あるいは、別の誰かというほどではなくても、もう一人の自分、こっちが本当の自分、と思う姿がある場合も。ただ、「別の誰か」になるのを実践するとなると話は別ですよね。

映画ある男より、安藤サクラと窪田正孝と子役の少年

映画は妻夫木聡さん演じる弁護士の城戸が、「ある男」の正体を探るうちに自分のアイデンティティを見つめ直す物語にもなっています。そして、その物語を観ている側の私たちも知らぬ間に自分自身を掘り下げていくような感覚に。同時に、「別の誰かの人生を生きなければいけない」のはいったいどんな人なんだろう、もしかして身近にもいるのかも……と思いを馳せることができる不思議なミステリーになっています。

【見どころ②】妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝のアンサンブルが絶妙!

映画「ある男」の妻夫木聡さん

豪華俳優が顔をそろえる作品は多数ありますが、この映画は主演の妻夫木聡さん、夫が何者だったかを探る妻を演じた安藤サクラさん、そして「大祐」であり「ある男」でもある男を演じた窪田正孝さん、この3人のアンサンブルが素晴らしかったの一言。妻夫木さん、窪田さんは歩く姿や後ろ姿からも登場人物の人生が透けて見えるような凄みがありました。映画「ある男」の窪田正孝さんと安藤サクラさん

安藤サクラさんは子どもを抱えながら離婚をし、実家の文房具店を手伝う女性・里枝を演じています。冒頭近く、里枝が一人で涙を流すシーンがあるのですが、ふとした時にあることを思い出し、考えたくなくても涙が流れてしまう、といった泣き方なのでそれだけで物語にグッと引き込まれてしまいます。『万引き家族』(2018年)で安藤サクラさんの泣く演技を観たケイト・ブランシェットが、カンヌ国際映画祭で絶賛していたというのも納得!

柄本明さんは「ある男」の正体を追う主人公にヒントを与える重要な人物として迫力たっぷりに登場。

映画出演が続く清野菜名さんも、主人公が「ある男」の正体を追う中で出会うキーパーソンを演じます。

【見どころ③】心理的な映像トリックと鑑賞後の余韻を楽しむ

映画「ある男」より妻夫木聡さん

石川慶監督の作品は、映像の表現が独特。陰影があり、登場人物がただ歩くシーンでもこちらの感情をザワつかせるような心理的な映像トリックを仕掛けてきます。そしてラストシーンも、かなり余韻が残り考えさせられる終わり方に。

といってもずっとシリアスなシーンが続くわけではないですし、ヒューマンドラマの要素も強くクスリとした笑いもあって楽しめるエンタメ作品になっています。そしてなんといっても安藤サクラ演じる里枝と、息子(坂元愛登)が二人で向き合うシーンは必見。母親目線で観たら、涙が止まらなくなります。

作品情報

映画ある男より妻夫木聡さん

『ある男』

2022年11月18日(金)全国公開

  • 原作:平野啓一郎「ある男」
  • 出演:妻夫木聡 、安藤サクラ 、窪田正孝、清野菜名、眞島秀和、小籔千豊、坂元愛登、山口美也子、きたろう、カトウシンスケ、河合優実、でんでん、仲野太賀、真木よう子、柄本 明
  • 監督・編集:石川慶
  • 脚本:向井康介
  • 音楽:Cicada
  • 企画・配給:松竹

©2022「ある男」製作委員会

取材・文/富田夏子