吸水ショーツだけじゃない、女性主体の「フェムテック」

10月、フェムテックに関するアイテムやサービスを集めた国内初の大規模展示会「フェムテック トーキョー」へ行ってきました! 東京ビッグサイトでの開催で、出展数200以上・3日間の来場者数は1万4千人以上。入った瞬間から賑わいに圧倒されてしまいました。熱気にあふれたその模様をお伝えします!

 

吸水ショーツ、百花繚乱!

 

入り口でさっそく目に入ったのは、VERY STOREでもセレクトしている<ベア>。人気の吸水ショーツですが、今回「経血量を測定できる吸水ショーツ」のプロトタイプが初披露されていました。

私たちの生活を変えてくれた吸水ショーツ。
入ってすぐのこの人波にびっくり! 
ベアのセミナーも熱気が高まっていました。

参加したセミナーでは、これまで女性の経血量についての詳細なデータがなかったのは「男性医師が多かったことや、癌など生死に直結する病の研究が優先され、生理は研究テーマとして取り上げられてこなかった」からと、登壇した医師がお話ししていました。

これから製品が注目され、実際に経血量のデータが集まることで「女性特有の疾患等の早期発見に結びつくかもしれない」と希望のある話題も。経血量は人と比べられなかったものなので、産婦人科で「多い」「少ない」を伝えるのも難しいし、つい「大丈夫」と我慢しがちですよね。生理は「我慢する」時代から、ピルなどで「自分でコントロールする」時代へ。月経カップなど自分に合うものを「選択する」ことも広まってきていましたが、このように実態を「把握する」のって新しい! 商品化が待たれます。

フェムテックの象徴アイテムになった吸水ショーツの展示面積はやはり大きく、大手の下着会社から繊維の専門会社まで、デザインも機能も様々なものがありました。他にも月経時に使えるアイテムがたくさん。

最近話題のCBD(カンナビジオール)配合のアイテムも目立ちました。こちらは「生理の日用」の、CBD入り入浴剤。
初めて「月経カップ」と「月経ディスク」の実物にも触れることができました! 
Mechi by shikiboの血液がつきにくく落ちやすい加工のパジャマやベッドパットも便利そうだなと思いました。

妊活はセルフという手段も

 

妊活アイテムで目を引いたのは、「セルフ妊活キット」。セックスレス、生活時間のずれなど何らかの理由でタイミングが取りづらいカップルのために開発されたアイテムです。精液を採取し、針のないシリンジで膣内に注入するそうで、すでに市販化されているとのこと。

セルフ妊活キットの<ミータ>。Amazonや楽天でも売っていました。

 

目の前で次々完売する、セルフプレジャートイ

デリケートゾーン用のソープやローション、VIO脱毛専門クリニックのブース、はたまた膣用のエステ機器なども続々登場し、VIOが特にケアするべき大切なパーツとしての認知が高まったことを感じます。

そして、フェムテックが「困りごとを解決する」から、「楽しむ」にまで広がってきていることを目に見えて実感するのがセルフプレジャーアイテムの充実度。以前取材した産婦人科の先生が「ウーマナイザー」をすごくおすすめしてくれたのですが、実物ととうとうご対面! 営業の方曰く、来場者限定の割引もあり、当日販売していたものが次々完売しているとのこと。

こちらが知る人ぞ知る<ウーマナイザー>。
フランス発の<ピュイサント>がかわいい! 
<ピュイサント>は、吸引と振動の両方を持つCシェイプが特徴。
<ハナミスイ>からは7種類のルブリカント(潤滑剤)も。他ブランドでも味や香り、温かさが発現するものなど女性が自分で準備したいおしゃれなアイテムがたくさんありました。

例えばフランスの<ピュイサント>というフェムテックブランドは、これまでタブーとされてきた女性のセルフプレジャーを自信をもって楽しむことを提唱。1回の注文につき1ユーロを、女性器切除に反対する団体に寄付しているのだそうです。セルフプレジャーにより女性が自分を堂々と愛し、女性が主体性を取り戻せるようにとブランドとして発信しています。こちらも会場で次々手に取られていました!

 

これも普及してほしい! 「OiTr(オイテル)」

 

生理の貧困が話題になりましたが、こちらはすべての生理のある人が使えるもの。専用アプリをDLすれば、個室トイレに設置されたディスペンサーで生理用ナプキンを無料で受け取れます(月の個数制限あり)。ららぽーと豊洲や心斎橋パルコ、慶應義塾大学などの全国173施設にすでに導入。ディスペンサーのデジタルサイネージによる広告料で費用をまかなわれているそうで、「生理のある人が強いられる負担軽減のために」と、ジェンダーギャップ解消の視点で作られています。ぜひもっと普及してほしい!

 

女性たちのお祭りかと思いきや、会場にはいろんな年代の男女が半々。ビジネスとしての盛り上がりを感じました。この勢いで、女性の困りごと解決&主体的に楽しめるアイテムがもっと生まれていけばいいなと思います!

 

取材・文/有馬美穂

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