【老眼の初期症状チェックリスト】40代になってから視界がぼやけて見えにくくなってきた

20代、30代と比べて視界がぼやけて見えにくくなってきたと感じていませんか?老眼のせいだと認めたくないけれど、細かい字が見えにくくなり、困っている方もいるのではないでしょうか。本記事では、細かい字が見えにくくなる老眼の初期症状や、老眼初期におすすめの瞳ケアを紹介します。

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1:老眼の初期症状をチェック

老眼の初期症状をチェックリストにしました。該当するものがあるか、チェックしてみましょう。

【チェックリスト】
・目がかすむ
・目に疲労感がある
・頭痛・肩こりがある
・細かい字が見えにくい
・薄暗くなると見えにくい
・目が乾燥しやすい
・まぶたが痙攣することがある

上記の症状が当てはまるほど、老眼の可能性が上がります。ただし、目の疲れや乾燥に関しては、ドライアイや白内障である可能性も。チェックリストで自己判断せず、眼科への受診をおすすめします。

2:老眼は40代から増える生理現象

老眼とは、水晶体の柔軟性の喪失や毛様体筋(もうようたいきん)の機能低下により、近くを見るときのピント調節が難しくなった状態をいいます。水晶体はレンズの役割を担い、毛様体筋は見る対象に合わせて水晶体の薄さをコントロールし、ピント調整する役割を担っています。実は、水晶体と毛様体筋の老化は15歳頃から徐々にはじまり、60歳頃まで進行し続けるといわれています。ものの見にくさを自覚するのは40代頃であるため、この時期から老眼の症状に気づく人が多いのです。老眼は、加齢に伴い目の調節機能が低下し起こる生理現象であり、病気ではありません。誰にでも起こりえるため、老眼かもしれないと思った際は、状況を受け入れて早めに瞳のケアをすることが大切です。

3:老眼初期にやっておきたい瞳ケア5つ

老眼の症状が気になりだしたら実践しておきたい瞳ケアを5つ紹介します。今日からできる方法もありますので、初期のうちから積極的に行っていきましょう。

①目薬をさす

目の調節機能改善や血行を促す成分が配合された目薬を使いましょう。目薬は、眼科処方の目薬でも、市販目薬でも構いません。市販目薬を使用する場合は、ビタミンB12やビタミンE、ネオスチグミンメチル硫酸塩が配合されている商品を選びましょう。

②目に負担をかけない工夫をする

目が疲れたら、ホットタオルで一息つく、長時間のパソコン作業時はこまめに休憩をとり入れるなどして、目に負担をかけないよう工夫しましょう。目の負担は、老眼の症状を進行させる要因のひとつです。

③目に優しい栄養素を摂る

目に優しい栄養素を摂ることで、老眼の進行を遅らせることに期待ができます。目の健康を保つ栄養素は次のとおりです。

・アントシアニン:赤や青紫色の天然色素。ビルベリーやブルーベリーなどに多く含有。
・アスタキサンチン:赤の天然色素のひとつ。エビやカニ、鮭などに多く含有。
・ルテイン:目の水晶体や黄斑部に含まれている成分。緑黄色野菜に多く含有。
・ビタミンA:レバー、うなぎ、卵黄、ニンジンなどに多く含有。
・ビタミンB1:あずき、豆腐、大豆、そら豆などに多く含有。
・ビタミンB2:魚介類、藻類、肉類、野菜類、種実類、豆類、乳類、卵類などに多く含有。
・ビタミンB6:ニンニク、魚介類、肉類などに多く含有。
・ビタミンB12:しじみ、アサリなどの貝類に多く含有。
・ビタミンC:ブロッコリー、赤・黄ピーマン、キウイなどに多く含有。
・ビタミンE:アーモンド、アボカド、大豆などに多く含有。
・ベータカロテン:ニンジン、ほうれん草、ピーマン、かぼちゃ、かんきつ類、スイカなどに多く含有。
・カルシウム:乳製品、 大豆製品、魚介類、海藻類、モロヘイヤなどに多く含有。
・タウリン:貝類、たこ、かに、いか、ニシン、サバなどに多く含有。
・マグネシウム:魚介類、藻類に多く含有。
・DHA:イワシやサバなどの青魚に多く含有。

ブルーベリーや魚を食べる頻度を増やす、海藻類や野菜を1日最低1食はとり入れるなど、摂取頻度や食材に気をつけてみましょう。食事で補いきれない場合は、サプリメントを使用するのもおすすめです。

④老眼鏡やコンタクトレンズを使用する

老眼鏡やコンタクトレンズを使用することもおすすめです。視界がぼやけて見えにくい状態が続くと、ストレスや、肩こり・目の疲れを助長させる可能性も。ご自身の目の状態に合わせ、眼科でコンタクトレンズを購入したり、メガネショップで老眼鏡を購入したりしましょう。

⑤漢方薬を飲む

目のかすみや視界のぼやけは、ビタミン薬や目薬でも対応できますが、漢方薬を飲むという手段もあります。老眼の原因は、加齢によるピント調節機能の低下や血行不良などと考えられています。目の老化対策には、「目に栄養を届けて、ピントの調節機能を回復する」「血流を良くして目の疲れを軽減する」といった働きをもつ生薬を含む漢方薬が用いられます。漢方薬は、目の不調を体質から改善していく効果が期待できます。

<老眼におすすめの漢方薬>

・杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)

体力中等度以下で、胃腸障害がなく、尿量減少または多尿で、ときに手足のほてりや口の乾きがある疲れやすい人に。腎の働きを高め、視力低下やかすみ目、疲れ目を改善します。

・八味地黄丸(はちみじおうがん)

体力中等度以下で、疲れやすくて四肢が冷えやすく、尿量減少または多尿がある人に。腎の働きを高め、かすみ目を改善します。

漢方薬は、体質や症状に合っていないと、効果を感じられなかったり副作用が生じたりすることもあります。漢方薬を選ぶ際は、ご自分の状態や体質に合っているものを選ぶことが大切です。

4:老眼と感じたら早めの瞳ケアを

老眼は年齢が重なることで起こる生理現象なので、病気の心配はありません。しかし、目に負担をかけ続けると老眼の進行が早くなる恐れがあります。老眼だと感じた場合は、初期のうちから早めに瞳のケアを実践していきましょう。

教えてくれたのは…薬剤師 碇 純子先生

神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。あんしん漢方(オンラインAI漢方)はこちら

 

編集/岡村宗勇

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