起業家・東原亜希さんの“実はサスティナブル”なビジネスとは?
モデル業の傍ら、起業家としての顔も持つ東原亜希さん。母として暮らす中で生まれる、「こんなものがあったらいいのに!」というピュアな動機を、賢くしなやかに形にしていくビジネスが話題です。紐解いてみると、地球にも生産者にも、使うママたちにも優しい、まさに今注目のサスティナブルな活動でした。
無駄を省いて良いものを追求、が
結果的にサスティナブルな経営に
30歳のとき自分の貯金で設立した「Mother」。母として仕事の仕方を模索していた時期でもあったので、自分が本当に良いと思えるものを形にし、かつ働き方をマネジメントするには自分で起業するのが一番、と。外注のスタッフや契約工場さんはもちろんありますが、会社自体は最小規模の人数で、返金処理や経理作業は全部自分(笑)。実店舗を持たない通販で宣伝もSNSが中心のため、そのコストの圧縮は商品の質に還元しています。
私のビジネスは、無理なく続けられる“自分サスティナ”が大前提。その上でアパレルは在庫を持たないとか、コスメや食品は人にも地球にも優しくとか、無駄をなくして良いものを作ることを突き詰めたら、結果的に多くの人に共感してもらい、環境への負荷を減らせたという感じかもしれません。
サスティナブルなポイント①
受注生産で在庫を持たず
大量廃棄を防ぐ
「物で溢れた世の中に疑問を感じ受注生産を採用しています。在庫を持つスタイルだと売れ残りを焼却処分するところもあると聞いて、そんなのおかしい!と。経営上のリスクが減るのもメリットです」。昨夏大ヒットしたラッシュガードも、本人が着こなしたビジュアルをSNSで投稿し、受注を募るスタイル。
※現在は販売終了しています。
サスティナブルなポイント②
型数を絞った定番デザインで
過剰な購買を減らす
「クローゼットを整理して結局残るのって普遍的な定番アイテム。それなら最初から、ずっと使える究極の定番を目指そうと。抱っこ紐をしたまま羽織れるパーカとか、パパと共用できるTシャツとか、より幅広く使ってもらえる工夫も。売れるのは嬉しいけれど、流行る=飽きて捨てられてしまいがちなので、定番として楽しんでもらえたら」。
パーカやロンT、シーズンやトレンドを超えた普遍的なアイテムにママならではの目線を詰め込んで。現在は販売終了。
サスティナブルなポイント③
負担のない契約で
農家や工場も持続可能に
「ビジネスの常識から言えば欠品はタブーだけど、例えば一昨年北海道の長雨でジャガイモが不足したときはそれを使ったカレーフレークの生産を一時期ストップ。自然災害は起きて当然だし、“安定供給”って結局は誰かがどこかで無理している可能性も」。工場にマメに赴き信頼関係を築くのもサスティナビジネスの要。
左)VEGETABLE STOCK〈5g×20袋〉¥1,980右・中)VEGE CURRY FLAKE甘口・中辛〈180g〉各¥1,350(すべてMother)
サスティナブルなポイント④
添加物や農薬を極力使わず
安心&安全性をキープ
「青汁も化粧品も家族で毎日使うもの。だから妥協せずに体にいいものを使いたくて。BABY BORN Face&Body Milkは99%天然由来成分、青汁主原料は農薬不使用で使う人にも環境にも優しくを心がけています」。
左)Face & Body Milk〈300㎖〉¥3,800 右)HAPPY AOJIRU〈40包〉¥4,280(ともにMother)
サスティナブルなポイント⑤
“家族に使わせたい”が条件!
宣伝費や人件費を抑えて品質をUP
「商品作りの根底にあるのテーマは、本当に自分が自信を持ってお勧めできるか、自分の家族に使わせたいかどうか。特に食品やコスメの値段は決して安くないけれど、例えばSNSを活用したり社員数を最小限に絞ることで削減した宣伝費や人件費は商品の品質に還元されているので、費用対効果には満足してもらえる自信があります」。
撮影/有馬秀星〈MOUSTACHE〉 スタイリング/中村智香子 ヘア・メーク/木部明美〈PEACE MONKEY〉 取材・文/有馬美穂 編集/引田沙羅
*VERY2020年2月号「地球にも生産者にも、使うママにも優しさが詰まってる♡ 東原亜希さんのビジネスに学ぶ 受注販売ってロスが少ない、これって実はサスティナブル!?」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。