【無印良品Part3ベストセラー誕生秘話】ステンレスボール

皆さんおなじみの無印良品のヒット作”ステンレスボール”。誕生した裏側には、ユーザーの「あったらいいな」を踏襲するための秘話がありました。

教えてくれたのは
キッチン・テーブル開発担当 Mさん
店舗にて店長を経験したのち、商品部こども用品の開発担当に。本年度からキッチン・テーブル開発部門を担当。

店頭や顧客の声を最大限に生かして理想の形を追求

メッシュザルと同サイズ同士を重ねて使うことも可能。ステンレスボール〈外側から〉L約φ22×H9.5㎝¥719、M約φ19×H8㎝¥537、S約φ16×H6.5㎝¥446

ステンレスの美しい質感に着目しがちな、昔から販売されているボウルにも、何度かリニューアルされた経緯があるそう。
「以前よりステンレスのボウルは販売していましたが、最初にリニューアルされたのは2010年です。サイズ展開自体を今販売されている3つの商品に絞りました。リニューアル以前からこだわっていたのが、〝安定性を持たせて調理ができる〞ようにすること。底を平らな形状にすることでぐらつきをなくし、混ぜたりする際の使いやすさを考えました」

どのサイズも内側に目盛りが入っているので、ボウルの中で直接計量することが可能になりました。

底面の平らなラインによる安定性はそのままに、同サイズの重ねやすさを考え、少しカーブを持たせた形に。

「次のリニューアルは’14年。このタイミングで重視したのが、お客様の声と販売する店舗スタッフからの声です。『同じサイズを無理に重ねるとはずれにくくなる』というお客様からの意見、店舗スタッフからは『商品を陳列するときに同じサイズを重ねて並べられないので困る』。それら内外の声に応えるため、約1年かけて開発。同じサイズでもスタッキングできるように、それまでは寸胴のような真っすぐだったラインを底面の安定性は保ちつつ、少しカーブをつけることで同じサイズをスタッキングしやすくし、内側には目盛りをつけました。昨年の秋にはボウルに合わせられる平ザルも発売し、より使いやすさを進化させています」

イラスト/吉岡香織(asterisk agency) 撮影/中林 香 取材・文/西村絵津子 構成/上原奈緒
※お問合わせ先はすべて無印良品 銀座です。