【無印良品Part3ベストセラー誕生秘話】ステンレスお玉

皆さんおなじみの無印良品のヒット作”ステンレスお玉”。誕生した裏側には、シンプルながらもお手入れや収納にまでこだわってつくられた秘話がありました。

教えてくれたのは
キッチン・テーブル開発担当 Mさん
店舗にて店長を経験したのち、商品部こども用品の開発担当に。本年度からキッチン・テーブル開発部門を担当。

お手入れも収納のしやすさもかなえた美しいフォルム

食洗機使用可能。ステンレス お玉[ 小 ]約W7.5×H25.5㎝(柄の長さ20㎝)¥500※[大]約W8.5×H30㎝(柄の長さ24㎝)¥591もあり。

余分な飾りは何もない、ステンレス製のシンプルなお玉ですが、特に柄の部分にこだわりが。
「計量スプーンと同様、内側に目盛りを入れて計量できるようにしました。そして、キッチンツールは吊るして収納する方もいるので、当然柄の先端に穴を開けていますが、実は、引き出しの中にしまわれる方も多くいらっしゃるということに着目。その場合、柄の部分にあまり厚みを持たせるとかさばって収納しにくくなってしまうため、柄の部分はなるべく平たくなるように試作しました」

 

引き出しにキッチンツールを収納するケースも考慮して、柄がかさばらないよう厚みを持たせず平らに。

お玉の内側に15㎖、30㎖の線をつけて計量カップなしでも量れるようにすることで調理しやすく。

「また、お手入れのしやすさにもこだわっています。このお玉は、柄の部分とお玉部分のつなぎ目をフラットにつくっています。というのは、つなぎ目の部分にどうしても汚れがたまりやすくなってしまうため、ツール自体に一体性を持たせる工夫なのです。これは無印良品のどのキッチンツールに関しても言えること。たとえば『シリコーン調理スプーン』という商品がありますが、これは全体がシリコーンでできているように見えて、実は芯材にステンレス鋼とナイロン樹脂を使ってシリコーンゴムでくるんでいるんです。すべてをシリコーンでつくってしまうと、重すぎたり柔らかすぎてすくいやすさにつながらないため、シリコーンの特性を保ちながらも一体性を保てるようにしています。このように、どのツールも使いやすさやお手入れのしやすさにこだわってつくっています」

イラスト/吉岡香織(asterisk agency) 撮影/中林 香 取材・文/西村絵津子 構成/上原奈緒
※お問合わせ先はすべて無印良品 銀座です。