企業へ自分をアピールする第一歩のエントリーシート。どんなことを書くべきか、どう書けば目を留めてもらえるのか悩ましい…。
やりがちな失敗と改善点を教えてもらいました！

学生生活での経験を活かしたエントリーシートを書きたいけれど、どういうエピソードが人事の方に響くのでしょうか？
自分なりに考えてはいますが、見られている点がわからず自信がなくて…。
採用担当者の心を掴む、エントリーシートの書き方が知りたい！

実は企業側がエントリーシートをチェックする方法はさまざま。
一人一人のエントリーシートをしっかり読み込む会社もあれば、学歴など一定のデータをその会社独自のフィルターにかけて選考に残す人を決める企業もあ ります。
学生はエントリーシートの書き方で落ちたと思いがちですが、そうではない場合もあるのです。

では、どんなエントリーシートがいいのか。
学歴など今から変えられないことで選ばれてしまう企業の対策は難しいですが、しっかり読み込んでくれる企業については、その会社のイベントに参加し、マーケットに出ている社会人に話を聞いて探りを入れましょう。
情報収集の中で、その企業が求める能力を感じ取り、自分の持つ要素と融合してエントリーシートに反映をしていく必要があります。

よく学生はエントリーシートに〝ガクチカ (=学生時代に力を入れたこと)〞を書きますが、経験のエピソードだけを記載するのはオススメしません。
2週間語学留学しただけでも「留学をしていました」と言えてしまうし、それがどんな成長のきっかけになったのかわかりにくい。
これでは相手も興味を持ちづらいですよね。

まずは、経験ありきでエントリーシートを書こうとすることをやめましょう。
書くべきことは、自分の思い描くビジョンに対する再現性。
自ら思考し、繰り返し行動をし て成果を出したことを伝えられれば、ビジネスシーンでもそういった行動ができると想像してもらいやすく、採用担当者に会ってみたいと思わせられます。

実際にJJ laboメンバーがエントリーシートの記入にチャレンジ！
自分たちが興味のある業界を想定して書いてみました。
ポイントを意識することで、より良いエントリーシートに！

【BEFORE】

リーダーを務めることが多いです。現在も大学の所属団体の部局長をしています。高校まで競泳をしており、試合の際、個人種目では1着を取りたいという気持ちから負けず嫌いでいつも先頭に立つことを好むようになり、リレー種目でチームが団結力を強める方法を考えることが多か ったことから、組織をまとめるのを得意とする性格になりました。リーダーを務めることが多いのは水泳に取り組むうえで得た経験が基盤になっています。

1.全体的に経験の話が多い！
経験の話は、一番引きの弱い話題です。この内容では引っかかるところが何も作れていません。

2. 団結力を高めるために考えた方法は？
せっかく自分でフリを入れているのだから、説明を加えて。考えた方法を試して、どんな結果だったの？

【AFTER】

リーダーを務めることが多いです。現在も大学の所属団体の部局長をしています。高校の頃打ち込んでいた競泳では、リレー種目で1位を取るためにチームの団結力を強める方法を常に考えていました。行ったのは、チーム全体で、達成したい 目標を毎日設定し、それを共有すること。日々メンバー全員が同じ方向を向いて努力できたことで、リレーのタイムを5秒縮めることに成功しました。組織をまとめるためには目標設定が大切だと学びました。

【BEFORE】

辛い時に踏ん張れるところ。期待に胸を膨らませて行ったニューヨークでの語学留学で、英語が話せず心が折れそうになったり、ホームシックで毎日が辛かったり、予想外の苦しみを経験。しかし、辛い時こそ自分の糧になると考え、毎日をどのように良くしていくか考えながら過ごすことを意識するように。結果、語学だけではなく自身の思考の変化や成長を感じることができた。辛い時にもくじけることなく、状況をプラスに変 えようと行動できるところが自分の長所である。

1.具体的にどのようなプランを練ったのか？
「考えた」という行動をもっと詳しく！思考の根拠となる価値観まで伝えよう。

2.どんな思考の変化と成長があったのか？
サラッと書いているけれど、この部分が一番のアピールポイント。詳しく書かないのはもったいない。

【AFTER】

辛い時にも諦めず踏ん張るところ。ニューヨー クでの語学留学で、英語が話せない上にホームシックになり、予想外の苦しみを経験。しかし、辛い時こそチャンスと考え、毎日ひとつ、現地の文化に触れることを目標にした。結果、語学力が 伸びただけではなく、現地のトレンドに詳しくなり、インスタグラムで積極的に発信するように。帰国してから「ニューヨークについて教えて」と声をかけられる機会が多かった。辛くても状況を打破し、プラスに変えていけるのが長所だ。

【BEFORE】

私の長所は粘り強さだ。大学1年生から飲料 メーカーで営業と学生マーケティングのアルバイトをしている。開始当初から学生営業成績1位を目標にしていたが、1年生の間は1件も契約獲得ができなかった。私は目標達成に向けて、さまざまな解決策を練り行動した。自分らしい営業スタイルを見つけることに努めた結果、2カ月で41件の新規契約を獲得し、全国の学生アルバイトで1位になれた。苦手だと思ったことでも、目標達成のために粘り強く努力できるのが長所だ。

1.努力で見つけた成績アップ方法を具体的に！
「自分らしい営業スタイル」を、もう少し具体的に書きましょう。仕事に取り組む姿勢が伝わります!

2.失敗をした理由を入れると、分析力の証明に目標に対するプロセスがわかりやすいエントリーシートです。
ただ、原因も明確に書くともっと◎。

【AFTER】

私の長所は粘り強さだ。大学1年生から続け ている飲料メーカーでのアルバイトで学生営業 成績 1 位を獲得できたのもこのおかげである。 目標を達成するために行ったのは、誰よりも多くの店舗を回ることと、業績の良い人をマネしつつ自分の良さを活かした営業スタイルを見つ けること。アルバイトを始めた当初はわかっていなかった商品の特長を理解できたことで、トークがスムーズになり2カ月で41件の新規契約を獲得できるまでに成長した。

取材/川端宏実(P.160 ~ 163)、亀井友里子(P.164) JJgirl・laboプロデュース/仁科ゆり、平林保奈美〈cosaji〉 イラスト/小迎裕美子(P.162) 編集/宮島彰子