脳科学者に聞いた「他人に妬まない、ひがまない」方法とは
私たちの日常をザワザワさせる〝うらやましい〟気持ち。リアルな世界だけにとどまらず、ネットの世界でも私たちの心を乱す〝うらやましい〟気持ちについて、その正体や付き合い方を話題の脳科学者、中野信子さんに教えていただきました。
〝うらやましい〟と思ってしまう気持ちと上手に付き合う方法とは?
自分の意思とは関係なく心の中に生まれて、取り扱いに困ってしまう〝うらやましい〟気持ち。〝うらやましい〟気持ちに振り回されない対処法を中野さんに教えていただきました。
ちょっとしたご褒美で自分を満足させられれば妬みも生まれない
「自分は豊かである」と実感している時、人間には、妬み感情が起こるようなココロのスキマがなくなります。その必要がないからです。他人を攻撃するコストをわざわざかけることをやめ、穏やかな心で誰かの幸せを心から喜び、誰かの不幸をともに嘆くこともできるでしょう。もし自分がそう感じられていないなら、ふだんから少しずつ自分を大切にする練習を。一番大切なお客様に出すのと同じように、とっておきのカップで紅茶を淹れて飲んだり、大切な人をケアするようにしてゆっくりお風呂に入ったり。「自分なんかこの程度でいい」ではなく「自分はこの器やケアにふさわしい」と自分が自然な自信を持てるようにしてあげてみて。いきなり背伸びしておどおどしながら何万円もするエステに行かなくても、自分を粗末に扱う卑屈なココロの習慣を変えていくのが目的です。今この記事を読んでいる方は、雑誌を読むことができるというその時間や知的な余裕をより味わって大事にして ほしいですね。本や雑誌を読む、好きな音楽を聴く、きれいなものを見る、おいしいものを食べる、運動するといった、自分を豊かに、大切にする練習を重ねていくことで、あなたはもっと自信にあふれた人になれるでしょう。
お話をお聞きしたのは…
中野信子さん
脳科学者、医学博士、認知科学者。脳や心理学をテーマに人間社会に生じる事象を科学の視点からわかりやすく解説した著書やコメントが多くの支持を集める。嫉妬する感情について取り上げているヤマザキマリ氏との共著『生贄探し 暴走する脳』(講談社+α新書)をはじめ、著書多数。
イラスト/島 タイガー 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc