【HERSの美活】Vol.30 東京都美術館『クリムト展 ウィーンと日本1900』Part 1 美術展のプレス内覧会で美活
東京都美術館(東京・上野公園)で開催されている『クリムト ウィーンと日本 1900』のプレス内覧会に、美活会員の新井希衣子さん(右)と加藤美穂さん(左)が参加しました。
19世紀末のウィーンを代表する画家、グスタブ・クリムト。没後100年と、日本とオーストリア友好150周年を記念した今回の展示。輝く金箔と鮮やかな色で彩られた『黄金様式』時代の作品を中心に、日本では過去最多となる25点以上のクリムトの油彩画を観ることができます。実に、東京では30年ぶりの大規模展なのだとか!
本物の金箔を絵画に用いたクリムト作品にちなみ、なんとフレームに24金の金箔を施した世界にひとつだけのフォトスポットも登場! 日本初公開の『女の三世代』を模した豪華なSNS映えスポットです。
「クリムト展」の醍醐味は、音声ガイドです!
この展覧会でスペシャルサポーターを務める稲垣吾郎さんの音声ガイドを聞きながら、美活会員のお二人に美術鑑賞を楽しんでもらいました。著名人のナレーションだと、さらに興味を持って鑑賞できそうですよね。
「今まで気がつかなかった作品の魅力を発見できるので、最近は美術館で音声ガイドを利用することが多いんです!」と加藤さん。
クリムトは、日本美術やイタリアのビザンチン美術で金箔を使っていたことに影響を受け、『ユディットⅠ』で、油彩画に初めて本物の金箔を用いたと言われています。19世紀末のウィーンでは、日本文化ブームが起きていました。クリムトも日本の美術品を多く集めていたそうですよ。
クリムトは、新たな理想の芸術を生み出すために保守的な画壇を離れ、仲間と『ウィーン分離派』を結成。この『ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)』は、その決意を表した作品であり、金による装飾は、体制に抗うクリムトが生み出した新たな表現方法でした。
「私たちが今この美しい絵を観られるのは、クリムトが新しい試みをしてくれたからなのですね。」と新井さん。
ベートーヴェンの『交響曲第9番』に着想を得て描かれた『ベートーヴェン・フリーズ』は、全長34メートルを超える壮大な壁画。この展覧会では、1984年に制作された精巧な原寸大の複製を通じて、その迫力と壮麗さを体感できます。
巨大な作品ですが、音声ガイド本体の画面部分に、説明ポイントの画像が出現。各部分の解説を詳しく聞けるのでとても分かりやすいんです。その上、第9の『合唱』がBGMとして流れるので、クリムトがこの作品に着想を得た際と近い環境で、〝目〟からだけでなく、〝耳〟からも美術を楽しめるんです。
この音声ガイドが、今回の『クリムト展』の醍醐味のひとつとも言えるかもしれません。
今回の展覧会は、クリムト作品の世界的殿堂である「ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館」の全面協力を得て実現したそう。
この日特別にギャラリートークを行なってくれた、「ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館」のステラ・ローリッグ館長(一番左)と、同館学芸員のマークス・フェリンガーさん(左から2人目)。
「ユディトは、旧約聖書外典に登場する祖国を救うために敵将の首を切り落とした女性。音声ガイドを聞いて、初めて右下に描かれている生首に気がつき、少し驚きました」と、加藤さん。
「私も作品の背景を知ることで、以前よりもこの『ユディトⅠ』に興味が湧いてきました。ユディトはどんな困難にも屈しない女性の強さの象徴であり、抗しがたい魅力を放つ女性の象徴なんですね」と、新井さん。お二人とも、このクリムト展を満喫したようです。
皆さんもぜひ東京都美術館に足を運んで、音声ガイドを聞きながら『クリムト展 ウィーンと日本 1900』で美術を楽しみながら、作品を鑑賞して終わりにならない! 心がワクワク躍る感じを味わいに行ってみませんか?
クリムト展 ウィーンと日本1900
会場 東京都美術館
会期 2019年4月23(火)〜2019年7月10日(水)
休室日 5/7(月)、20(月)、27日(月)、6/3(月)、17日(月)、7/1(月)
開室時間 9:30〜17:30 ※金曜日は午後8時まで(入室は閉室の30分前まで)
観覧料 一般1,600円
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
※愛知・豊田美術館 会期:2019年7月23日(火)〜2019年10月14日(月・祝)