吉瀬美智子さんの現在地「“ママとしての黒”からもう一度自由に大胆な黒を」
「いま、どんな〝黒〟を着たいですか?」─── 何にも染められない色に、素の自分を投影してほしい。このリクエストに応じてVERY NaVYに登場してくれた女優・吉瀬美智子さんが着こなしたのは、吉瀬さんが『リアルに着たい黒』。新しくて美しい吉瀬さんの今をお届けします。
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今まで築いてきた私の「王道」を、
ここで一回崩したい ─ 吉瀬美智子
副産物としての光沢のあるリアルレザーを使った秋冬コレクション。ハードな素材も、胸元の開きとパフスリーブでフェミニンに変えて。ドレス ¥843,700 バッグ ¥247,500(ともにクロエ/クロエ カスタマーリレーションズ)イヤリング ¥1,089,000 バングル ¥775,500 リング ¥533,500(すべてショパール/ショパール ジャパン プレス)
いま、新しい自分の
可能性に向かいたい
「〝黒〟を着ることで、まだ見たことのない私に出会いたいと素直に思いました。これまでできるだけ〝自分を変えない〟ことに力を注いできたけれど、歳を重ね、私自身の生活環境もこの数年で大きく変わりました。いま、止まっていた時計が動き出したような感じがしているんです」
凝り固まった考えをやわらかく耕し、まだ見ぬ花を咲かせる新しい苗を植えようとしている。いまの吉瀬さんは、そのステージにいました。
いままでの黒は
〝ママとしての黒〟でした
「いままでの私の〝黒〟は、守りでした。でももう一度、自由に大胆に〝黒〟を着こなしたい、〝黒〟にワクワクしてみたい、という気持ちが湧いています。そのためには勇気が必要だと、友人の背中を見て気づきました」
同世代の女優仲間が着ていた背中の大きく開いた黒のトップス。デニムを合わせてヘルシーに着こなす姿に、刺激を受けたそう。
「これまでに築いた女優・吉瀬美智子のイメージを求める方もいて、それを打破する勇気がなかったなか、今回初めて出演する媒体からのオファーで、思い切って壁を乗り越えてみようと思ったんです」
偶然にも、いまの気持ちを表現することがお題のこの企画は、吉瀬さんにとって大きな踏み台に。
初めての〝黒〟に
身を任せてみました
撮影当日、スタジオに用意されたあらゆる〝黒〟の服をすべてフィッティングしていった吉瀬さん。あえて、いままでの吉瀬さんらしい〝黒〟を消去していく工程が印象的でした。
そして選ばれたのは、どれも未体験のデザインばかり。甘い黒も、攻める黒も、センシュアルな黒も、吉瀬さんの代名詞でもあるショートヘアがスパイスとなって洗練の〝黒〟へと姿を変えたのです。
「私はメイクもヘアも自分の責任だと思っていて、人任せにしない派です。それが、むしろ守りに入ってしまう原因にも。そこを乗り越え、〝自分には合わなかったね〟くらいのトライ&エラーが、いまの私には必要なんだと感じています」
新しさを迎え入れる人生のタイミングに、懐の深い〝黒〟は有効な色なのだと証明した今回のチャレンジ。最初に紹介した写真は、いろいろな〝黒〟を体験した後のラストカット。〝黒〟の先にある光だけをまっすぐに見ていた吉瀬さんの姿は、可能性を広げた次なる〝美〟を見せてくれました。
着ている私がドキドキする。
そんな黒に惹かれて
「この歳だからこそ、チャレンジしてみたい。勇気をもって着てみた〝黒〟に教えられたことは、ボディメンテナンスなど努力も必要ということ。甘いルックスにショートヘアという、バランスも計算に入れて」
バレエの世界を軽やかにドレスへと変換させた、注目のデザイナー、チカ キサダ。動きのあるカットやチュールを黒で表現し、ロマンティックの中にパンクをしのばせて。ジュエリーにもブラックパールをさりげなく。レオタード ¥24,200 チュールスカート ¥154,000(ともにチカ キサダ/エドストローム オフィス)靴 ¥113,300(ロジェ ヴィヴィエ/ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン)ピアス ¥764,500 ネックレス ¥1,045,000 バングル ¥1,210,000 リング ¥616,000(すべてミキモト)
冒険のコーディネートは
合わせの微差を意識して
「’90年代に経験済みの網タイツとハイヒール。大人には一歩間違えたら危険なスタイルになりそうだけどサックワンピやコートのバランスで新鮮に。この微差が、今っぽくなる要素と知れました。袖を通してみないとわからない、という好例」
大胆なGGパターンが施されたニットドレスと、バタフライモチーフの網タイツ。’90年代を彷彿とさせるルックを、ビッグサイズのブラックコートでアップデートして。コート ¥528,000 ニットドレス ¥264,000 タイツ ¥34,100 シューズ ¥137,500 ハット ¥96,800 バッグ ¥374,000(すべてグッチ/グッチ ジャパン)
サングラスに帽子……
女優っぽいスタイルは避けていたけれど
今は、ものすごくやってみたい!
「小物だけで、違う自分になれる感じがすごく楽しい。私にとっては冒険のベレー帽とビッグサングラスもフレンチシックなニュアンスで、すんなりと着こなせました。〝黒〟ではじめたチャレンジは、素直に普段に取り入れられそうです」
過去の名作を再構築して生まれた、次世代へと受け継ぐアイコン的なジャケット。着心地の良さと大きなポケットが付いて実用的で着回しのきく服は、現代を生きる逞しい女性像そのもの。ジャケット ¥561,000 シャツ ¥198,000(参考価格)デニムパンツ ¥210,000(参考価格)シューズ ¥135,000 ベレー帽 ¥126,500 サングラス ¥66,000 バッグ ¥510,000 イヤリング ¥94,000 ネックレス ¥77,000(すべてディオール/クリスチャン ディオール)
Michiko Kichise
1975年2月17日生まれ。福岡県出身。’07年に本格的に女優デビュー。主な出演作に「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」(CX)、「シグナル 長期未解決事件捜査班」(CX)などがある。
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モデル/吉瀬美智子 撮影/長山一樹〈S-14〉スタイリング/道端亜未 ヘア・メーク/山下景子(KOHL)取材・文/須賀美季 編集/渋沢祥子
VERY NaVY11月号『[大特集]可愛くてカッコいい、誰にでもあるこの色のスイッチ!「大人の甘黒」最前線♥ Part 5 吉瀬美智子さん「黒を纏って〝新しい私〟に挑戦』より。*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。