JJ独占!山賀琴子が語った「今の私のすべて」

自分らしいファッションでいたい、自分らしく働きたい、自分らしく生きていきたい! だって自分の身の回りの憧れの女性ってみんなその人らしいから。それに。これからは“個”の時代って言うし…。そんな私たちの一番身近な憧れの女性が山賀琴子ちゃんだと思うんです。JJ7月号の表紙も飾ってもらった彼女が、芸能界を引退してからこれまでに考えてきたこと、そして今考えていることを語ってくれました!

好きじゃないものを全部捨てて 好きなものだけ残したのが今の私です

女優になってドラマに出演して、JJ でモデルもしていたのに急にいなくなったので、インスタのDM でも「今、なにしてい るんですか?」ってよく聞かれます(笑)。でも、その質問に答えるのは難しくて。自分の会社を作って起業したけれど私を『社 長』と呼ぶ人はいないし、YouTube もInstagram もやっているけれど、『ユーチューバー』や『インスタグラマー』という肩書もしっくりこない。だから、今のところ私はただの山賀琴子です。そして、これからもなにかに所属するつもりはありません。

2 年前、女優としてチャンスをもらったとき、負けず嫌いな私は「やるからには一番になりたい」と公言していたし、本気でそう思っていました。 でも、それはなにも知らなかったから言えただけ。それまで普通の大学生として生きてきた私には、大好きな旅行に好きなときに行けず、 地元・北海道に帰ることもできずに家族と会うこともままならないことが辛くて…。

頑張った先に得られる地位や知名度を、そこまでして手 に入れたいのかな? と違和感を覚えてしまったんです。私にはみんなと同じように結婚願望だってあるし、自分が育った家庭と同じ3 人の 子供を持つことが昔からの夢でもある。たくさん考えた末、もっと自由に自分の時間を楽しむ生き方がしたい、と結論を出しました。そう気付いてしまった以上、続けてもお互いのためにならないと思い、すぐに事務所に相談をして約2 年間の女優活動に幕を引きました。

女優という肩書を捨て、ただの山賀琴子に戻ってからは自由な時間を過ごせるようになりましたが、楽 しい反面、モヤモヤした時期も。SNS で肩書や職業を質問されるたび、『何者』でもない自分を認めてもらうことの難しさを痛感したんです。今まで自分がどう見られているかなんて気にしていなかったし、なにを言われ ても平気な性格ですが、でも、このときばかりは周りの声が気になってしまって…。女優という肩書を捨てたことを後悔したことはないけれど、 自分の選択が正しかったのか自信を失っていました。

悩んでいた私に変わるきっかけをくれたのは、信頼する先輩の言葉でした。ネガティブになっていることを素直に打ち明けると、『なにがしたいか分からなくなったら、テーブルの上 から好きじゃないものを捨てて、好きなものだけを残せ』と言われて。その先輩は、テーブ ルの上に残したものを突き詰めて結果を出している人だから説得力がある。

その先輩に言われた通りに自分の頭の中を整理できてからは、 もう周りの声は気にならなくなりました。捨てたものは私にとって大事なものではないから悩む 必要なんてない。今の私を作ってくれたことへの感謝だけを残せばいい。そして、譲れなかった家族と過ごす時間やいろん な国に旅行に行くことの他に、自分がこの先やっていきたいことがだんだんと見えてきました。私はもともとモノ作りが好き。モノやコトを発 信してたくさんの人に見てもらいたいし、自分が作ったモノを通じてポジティブな気持ちになっ てほしい。そんな思いで今、活動しています。

そんな風に吹っ切れたタイミングでいただいた今回のJJ の表紙のお話。最初はすごく迷いました。なにも肩書がない自分でいいのかって…。でも、きっと、前の私だったらこのお話はいただけなかった。ただの山賀琴子 だからこそできることもあるはずだし、私の選択や生き方が、同じように働いて、悩んでいる誰かの参考になったり一歩踏み出すきっかけに なるならこんなにうれしいことはない。そう思ってチャレンジさせていただきました。

生き方はそれぞれだし正解はない。でも、私は無理せず 楽しそうに生きている人がいいと思うし、自分が好きなことをやって、経済的にも精神的にも自立している女性に憧れます。たくさんの経験 をさせてくれて、辞めるときにも『そういう生き方が合っているよ』と私の選択を肯定して、応援してくれた事務所の方々。いつも支えてく れる人のためにも、自分のテーブルに残したものに集中して、“山賀琴子”としてカッコよく生きていきたいと思っています。

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ルメスジャポン)

Photography_Saki Omi  Hair & Make-up_Yusuke Kawakita  Styling_Mayumi Nakamura  Text_Natsuko Masuda