「受け取ってね」は何て言う?手土産や資料を渡す時に使いたい言葉遣い

手土産やプレゼント、資料などを渡す時に、どのような言葉を使っていますか? いつも「どうぞ」「よろしければ」の一言で済ませている人は多いのではないでしょうか。 「受け取ってね」には、カジュアルから丁寧な言葉遣いまで、実にさまざまな表現があります。 今回は、何かを渡す時に使える表現をいくつか紹介するので、ぜひ相手や状況に合わせて使い分けてくださいね。  

(1)「お受け取りください」

「受け取ってね」を丁寧にした言葉です。 「隣の受付で本日の資料をお受け取りください」というように、日常のさまざまなビジネスシーンで使うことができます。

(2)「お納めください」

「お受け取りください」よりもかしこまった表現で、「どうぞ受け取って納めてください」という意味の言葉です。 「〇〇をご用意いたしました。どうぞお納めください」というように、目上の方に品物を渡す際や式典などの正式な場で何か品物を渡す時などに適した表現になります。

(3)「ご笑納(しょうのう)ください」

「(つまらないものですが)笑ってお納めください」という意味です。 対等の関係にある人や目下の方、親しい間柄の方には使ってもOKですが、初対面の方や上司へ使う場合には注意が必要です。 「つまらないものを上司に渡すのか」と失礼に感じる方もいるため、目上の方へは「お納めください」のほうがベターでしょう。 シリアスな場(謝罪に伺う時の手土産など)では、冗談でも笑えないため「笑納」は使わないようにしましょう。 また、プライベートで手土産を渡す場合には、かしこまった表現よりも「私の地元で大人気のお菓子でして、お口に合うと良いのですが……」「ほんの心ばかりですが、皆様で召し上がってください」などの親しみやすい言葉のほうが喜ばれます。 なお、品物を受け取った時には、「お心遣いありがとうございます。頂戴いたします」が丁寧で好印象です。

(4)「ご査収ください」

「よく調べて受け取ってください」という意味の表現です。 「〇〇の資料を添付いたします。ご査収のほどよろしくお願いいたします」というように、きちんと内容を確認してほしい時に使います。ビジネス文書やメールでよく見る表現ですよね。 なお、自分が受け取ったことを伝える時には「拝受しました」(受け取るをへりくだっていう表現=謙譲語)を使いましょう。   「受け取ってください」のさまざまな表現をご紹介しました。 その場の状況を意識した言葉遣いは、コミュニケーションにおいて非常に大切です。 相手や状況に合わせて使い分けましょう。   文/西谷依里子 画像/PIXTA(Pangaea、nonpii、Pangaea) 参考文献/『新小辞林』(三省堂)