母と同じ“母親”としての道を歩む私が、母を超えるとき……

「私たちのCHALLENGE STORY」を担当しているライターの上原亜希子です。6月号のテーマは「母と同じ道を行くということ」。今回私は、お母さまと同じ美容師という仕事を選択された、吉村友希さんを取材させていただきました。 美容師歴19年の吉村さんは現在、大阪で和テイストのシックな内装で寛ぎの時間を演出する女性専用サロン「SAZAE」で活躍中です。 そして、吉村さんのお母さまは御年70歳を過ぎた現在も、ご自身が経営するサロンで美容師として活躍されている大ベテランです。「私も母のように、積み上げてきたキャリアを大切にしながら生涯美容師を貫きたい」と語る吉村さんの言葉を聞いていたお母さま。とっても嬉しそうだったのが印象的でした。 現在ライター7年目の私、これまでに人物取材だけでなく、商品やホテル紹介、映画の記事など多岐にわたって記事を書かせていただきました。そんな私が、このお仕事に挑戦してみようと思うきっかけになったのは、実は母からのひと言だったのです。   ヨーロッパ留学当初、まだ言葉が通じず涙することが多かったとき。日常生活で困ったことや感じたこと、フランス人のおかしな行動、そして暮らしてみて驚いたこと、涙したことを、日記のようにとりとめもなく書き綴って母に手紙で送っていました。母は、「コラムを読んでいるみたいに楽しくて、手紙が到着するのが待ち遠しいの! 手紙を読みながら、一緒に涙したり、怒ったり、わくわくしたりしているのよ~」と喜んでくれました。書き留めることで気持ちを晴らしていた私にとって、その手紙を読んで母が喜んでくれていたことがとても嬉しかったです。そんな母のひと言が私の頭の中にあったので、STORY誌面に出ていたライター募集の記事に躊躇することなく応募できたのは、母の何気ない言葉のお陰だと思います。派手な応援ではないのですが、常に私の気持ちに寄り添い、静かに私を応援してくれる母。私も母と同じ“母親”となり思うことは、私自身が娘に対し、嬉しいことや悩むこと、そして何かを決断しなければいけないときに、そっと寄り添い、求められたときに少しでも心安らぐ言葉をかけることができただろうか? できるだろうか?ということです。そう、それは私が母にしてもらったこと……いいえ、実は今でも時々してもらっています(笑)。娘の成長と共に成長しているような私が、子育て大先輩の我が母を超えることができるか?! いやいや、とんでもない! 一生あるはずがなさそうです(笑)。
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