《28年間ビューティ担当のベストコスメ》【第18回】“基本を極める”なら花王の化粧水

化粧品は、ライフスタイル、環境の変化、美しさの価値観などさまざまな理由で生まれてきます。もちろん「売れる」ことは重要ですが、作っている時に当事者はそんなことをあまり考えておらず、ただ「女性の肌を美しく見せるのに役立つ製品」を作ろうと思っている――それが28年間、化粧品を見続けてきた私、編集Ⅰが化粧品を愛する理由です。この10年間の目覚ましい進化のトピックを交えて、番外編をお届けします。

基本を極めるなら
花王のエスト ザ ローション

花王独自の「高持続ケラチン保水処方」の他に、エクトインを肌の皮丘に均一に塗布する液膜技術により浸透を高めている。発売前に、アメリカの砂漠で化粧水のみを塗布した状態で3時間、社員自らうるおい感を体験したというエピソードからも製品に懸ける思いが伝わる。エスト ザ ローション 140㎖ ¥6,000 レフィル ¥5,500(花王)2017年9月9日発売。

永遠の課題・保湿。日本人だからこそ化粧水で解決する

いろいろな化粧品が出てきてわかったことは、保湿がすべての基本、ということ。角層における保水研究を30年以上続けてきたエストの「ザ ローション」は、その基本を追求した化粧水です。乾燥した肌と潤った肌の違いは、角層のケラチン線維の状態にあります。凝集したケラチン線維の間を広げ水分を抱え込める状態にすることが大事。しかし一般的な保湿剤は自ら水を抱えることはできても、ケラチンに対しては作用しません。そこで注目したのがエジプトの沙漠の塩湖でも生き抜ける生命体(菌の一種)が生み出すエクトインという成分。極度に乾いた過酷な環境の中でも生命体が生き抜けるのはエクトインのおかげ。エクトイン自身が水を抱える力が強く、ケラチンとくっつきやすいため水を線維内に取り込み、さらに水を閉じ込める作用もあるのです。私は化粧水好きなのですが、化粧水だけでここまで〝深く潤う〟のがすごい、と実感しています。日本人が好きな化粧水を究めた名品。シンプル・イズ・ベストを体現しています。

\使い切ってます/

リーズナブルな価格と扱いやすいボトルでリピート中。レフィルがあるのを後で知りました。朝晩・1日2回使って約2カ月で使い切り。手で押し込むようにつけています。

2019年『美ST』10月号掲載 撮影/河野 望 編集・文/石原晶子

美ST