ニットのお手入れ術&保管方法、ニットの専門家が教える簡単テク

お気に入りのニットはずっとキレイに着たいけど、着れば着るほど毛玉や汚れが気になるもの…。お手入れに関する疑問や悩みに、ニットの専門家に答えていただきました。実はどんなニットも基本は水洗いOKだったり、 お手入れもシンプルisベスト、が正解のようです。

【悩み】干し方や長期保管のコツがわからない!

洗った後の干し方、シーズン終わりの長期の保管方法も、長くキレイにニットを着るためにはとても大切。といっても特別なものを用意することも、難しいテクニックも一切必要ありません。

【解決法1】乾燥機はもちろんNG!干すときは平置きに近い状態でカシミヤだって洗濯機でOK! 脱水しても大丈夫

    基本は「平置き」。タオルを下に敷くとなおよい「ハンガー」を何本か吊るしてその間に通して干すのも◎

干し方の基本は、 風通しのよい日陰での平干し&自然乾燥です。 半絞りの状態でハンガーなどで干すと、 水分が下のほうに溜まってその重みでニットが伸びてしまい、 乾くとその伸びた状態が定着してしまいます。 網の上や平置きハンガーがベストですが、 とにかくニットを平らにすればよいので、 図のようにハンガーを何本か使って横向きにニットを通しても。 また、 バスタオルの上に広げるとより乾きが早くてお勧めです。 その場合は半日くらいでバスタオルをひっくり返してください。 風通しのあるほうが乾きやすいので、 扇風機などの風を当てると早く乾きます。

【解答2】長期保管中は虫害予防と収納方法 に気を付けて!

    防虫剤は「ニットの上」がマストたたまずに「くるくる巻いて」しまうのもOK

シーズン最後の洗濯をしたら、 風通しのよいところでしばらく空気にさらし、 キレイに畳んで密閉度の高いケースに入れて保管します。 シーズン中はあまり重くないニットなら厚みのあるハンガーにかけていてもよいですが、 長期保管の場合はニットが重みで伸びないように畳んで保管するのが基本。 畳まずくるくる巻いてもOKです。 ギュウギュウ詰めにすると畳みジワがついてしまうので、 押さえつけないようにしまってください。 また虫食い防止のため防虫剤も必ず入れてください。 防虫剤の成分は空気よりも重いので一番上に入れるのが鉄則です。

さらに知りたい! ニットのお手入れ Q&A

    Q.シーズン初めの防虫剤の匂いが気になります!
    A.ナフタリンの匂いはドライヤーで簡単に取れます
    防虫剤の匂いはドライヤーの風を当てるとすぐ取れます。 ニット以外の衣料にも使える技なので、 試してみてください。 ただし衣類を傷めないように風は冷風で。 ドライクリーニング特有の石油系の匂いは、 受け取り後早めにビニール袋から出して空気にさらして。

    Q.大事なニットに虫食いが…防虫剤以外の予防法は?
    A.長期保管中もたまにスチームアイロンを当てると効果的
    衣類に穴を開けるのはイガやコイガなど蛾の幼虫やヒメマルカツオブシムシなどの日本の自然界に普通にいる小さな虫。 特に春先は幼虫が孵化するので要注意です。 ついてしまった卵を孵化させないように、 長期保管中に時々スチームアイロンを当てると効果的。

Q.お気に入りのニット着る頻度はどれくらいがベスト?
A.1 回着たら2 日は空ける!畳まず空気にさらしましょう
続けて着用すると毛玉ができやすくなります。 一度着たらブラッシングして毛の絡まりを取り除き、 2日ほど休ませて。 また湿気を逃すためには着用後すぐしまったり畳んだりせず、 しばらく空気にさらすと、ニットのよい状態が保てます。

今回お話を伺った、カシミヤの専門家は…

UTO代表取締役 宇土寿和さん
最高級のカシミヤ専門ブランド「 UTO」 は自社で一貫して企画・製造・販売をするニットメーカー。〝ブランドの本質はもの作り〟という考えのもと、岩手県の直営工場で熟練した職人達が生産を行っている。

イラスト/酒井真織 撮影/清藤直樹 デザイン/椚田祥仁 取材/川西麻依子