「俄雨」はどんな雨?簡単そうで意外と読み間違えやすい漢字4選

いかにも見た目が複雑な漢字は「何だか難しそう……」と感じてしまいますよね。一方、簡単そうな漢字は「何となく読めるかも」と油断しがちです。
しかし、簡単そうに見えても、意外と読み方が難しい漢字は少なくありません。
今回は、そんな“読めそうで読めない漢字”をご紹介。うっかりミスにご注意を!

1.「倹しい」

ぱっと見た目の印象で「けわしい」と読んでしまう人もいるでしょうか。確かによく似ているのですが、「けわしい」の場合は「険しい」と書くので誤りです。
「倹しい」とは「質素」を意味する言葉で、たとえば「倹しい生活を送る」などといったように用いられます。
そんな「倹しい」の正しい読み方は……

つましい」です。また、「けわしい」の他に「つつましい(慎ましい/動作や態度が控えめで、遠慮深いさま)」と読み間違えてしまうケースも。混同しないよう注意しましょう。

2.「弁える」

「公私を弁える」「立場を弁える」といったように、「物の道理を心得ること」や「善悪の分別をすること」などを「弁える」と言います。
「弁当」「花弁」といった言葉のイメージから、つい「べんえる」と読んでしまいがちですが、違いますよ。
「弁える」の正しい読み方は……

わきまえる」です。「弁える」の他に「辨える」と書いても「わきまえる」と読みます。

3.「某」

「誰それ」「何とかという人」など、名前が分からない人や名前を知っている人であっても省略して言う時に「某」と使います。
「某」と書いて、「それがし」や「ぼう」とも読みますが、今回はそれとは別の、もう一つの読み方を考えてみましょう。「それがし」でも「ぼう」でもないとすれば……?
「某」のもう一つの読み方は……

なにがし」です。「なにがし」「それがし」「ぼう」は、いずれも名前や数量、金額などを明確にせず表現したい時に用いる言葉ですが、それぞれ微妙に使い方が異なります。
読み方だけではなく、それぞれの意味も混同しないよう覚えておきましょう。

4.「俄雨」

「曇天(どんてん)」「時化(しけ)」など、気象を表す漢字はいくつもありますよね。今回は、その中でも「俄雨」の読み方を考えてみましょう。
「俄雨」とは「一時的に降る雨」のことを言い、天気予報などでしばしば用いられている言葉です。あなた自身、「俄雨」が降ると聞いて、急いで雨具の準備をした経験があるかもしれませんね。
そんな「俄雨」の正しい読み方は……

にわかあめ」です。「俄雨」以外にも、雨に関する漢字には「氷雨(ひさめ/冬の時期に降る冷たい雨)」や「驟雨(しゅうう/急に降りだす雨)」などがあります。

 

読めそうで読めない漢字、全問正解できたでしょうか? 一見簡単そうに見えても、珍しい読み方をする漢字だと、つい読み間違えてしまいがちです。
読めなかった漢字については、この機会にあらためて正しい読み方を覚えておきましょうね。

参考文献
一校舎漢字研究会〔編〕『きっと誰かに教えたくなる読めるようで読めない漢字2500』永岡書店

文/大内千明 画像/Shutterstock(Naresuan261、fizkes、TijanaM、Yuganov Konstantin)