神山まりあエッセイ➀「うちの息子はファッショニスタ」

VERYモデル神山まりあさんによるエッセイ「笑うママには福来る。」。2019年2月号からスタートした連載がウェブでも読めるようになりました!

みなさんこんにちは! 神山まりあです。
2018年9月に出版した『神山まりあのガハハ育児語録』で
我ら賑やか家族のドタバタ劇を紹介させていただき、
なんだか家族がたくさん増えた気分でとても幸せです。

そして今回、「ガハハ育児日記」を書かせていただくことに。
一人息子・ディーン(2歳6カ月・当時)とパパ・ケン、
そしてママ・まりあの3人家族を引き続き
温かく見守っていただけると幸いです。

さて、ファッションは楽しむもの。
ファッションに決まりはない。
わかってはいるんです。

目下の悩み事、それは息子・ディーンが
お着替え大っ嫌いなこと。
ほんの少し前まではパパとお揃いコーデにしたり、
サンタさんの仮装をしたり、親のやりたい放題でした。
何着てもニコニコでインスタフレンドリー。

しかし。

今は毎朝着替えとの格闘。
だましだましで着替えさせることを試み30分経過。
まだ寒い朝の部屋をパンツ一丁で走り回っています。
スクール開始は9:00。
何とかその前にこの変態仮面に服を着せなければ。
ほんの一瞬の隙に頭から洋服をボフッとかぶせ、
大泣きする我が子の腕を袖に通す。
こんな日常の動作が毎朝必死で繰り返されることになるとは
夢にも思いませんでした。
恐るべし、自我の芽生え。

ある日のことです。

もう何をどうしても裸で学校へ行くと聞かないんです。
すっぽんぽんでスニーカーだけ履き、
「俺は今日自然に返ります」と言わんばかりのドヤ顔で、
ドアの前で仁王立ちしているではないですか。

ディーン君、パンツはせめてはいておくれよ。

外は大雨極寒。

お願いだよー学校遅刻しちゃうよー洋服着てよー
とお願いしても、裸の王様は「かまわん、かまわん」と仁王立ち。

ほら、こんなに寒いんだよーとドアを少し開けてみても、
「苦しゅうない」と顔色一つ変えない。

埒があかないので、裸の王様を抱きかかえクローゼットに連れて行きました。

わかった。好きなものを選びなさい。
無理強いはしない、好きな洋服を着て学校へ行きなさい!

すると「え!?いいんすか!?」という驚きと喜びの顔で
大好きなキャラクターのTシャツをつかみ、
そして水色のパンツ型の水着を取り出しました。

裸よりマシだよな。
水着チョイスだけど、いいよね。
素敵な金子綾さんのコラボ水着だし。

満足そうな顔をしたディーンにTシャツと水着を着させ、
「いいの?」と困惑しているパパに学校へ送ってもらいました。

そうですね、それはまるで、

長洲小力をリングサイドで送り出す気分でした。

お迎えの時間、小力はピンクのキラキラズボンをはいていました。
ズボンの横には「CUTIE ♥GIRL」と書いてあります。

その日の連絡帳『ディーン君は〇〇ちゃんの予備の
キラキラズボンが気に入ったみたいで大喜びでした!』

……ファッションは楽しむもの。
ファッションに決まりはない。
そうだ、我が家の息子はファッショニスタということにしよう。

毎日がネタの宝庫。
それがたまらなく幸せだ!


【PROFILE】
かみやま・まりあ 1987年2月17日生まれ。2011年ミス・ユニバース ジャパングランプリ。2015年結婚、2016年男児出産。インスタグラム@mariakamiyamaも大人気。2018年9月に初めての書籍『神山まりあのガハハ育児語録』(光文社)を刊行。

撮影/イマキイレカオリ ヘア・メーク/TOMIE〈nude.〉 イラスト/natsu yamaguchi デザイン/橋本綾子 編集/湯本紘子

※VERY2019年2月号「神山まりあの笑うママには福来る。」より。
※掲載の内容は発売当時のものです。