日産スカイライン プロパイロット2.0を甘糟りり子さんが試乗! 気になる最新のハンズフリーをレポート
車で出かけたい時、iPadかスマホで呼び寄せれば勝手に車が家の前に来てくれて、目的地をナヴィゲーションにセットすれば後は運転席に座っているだけ。
そんな SFみたいな未来が近いうちにやってくると私は思っています。ガラケーからスマホへの進化の速度を考えてみれば、そんなに的外れなことでもないですよね。
先日、日産スカイラインで一泊二日の旅に出ました。
昨年9月に発売された新しいモデルは13代目。その試乗会です。
スカイラインといったら私にとっては兎にも角にも速い&加速がいい車のイメージでしたが、新型車は先進運転支援技術 「プロパイロット2.0」が搭載されているのが目玉です。
かつて、速く走ることが車の正義でしたが、今はいかに我々の生活をスムーズにしてくれるかがキー。日産は「排気ガス・ゼロ」「交通死亡事故・ゼロ」を目標としているそうです。
横浜の日産本社から試乗がスタート。
まずは東名高速に乗って箱根を目指します。スカイラインの運転支援技術は一定の条件が揃えば、高速道路の同一車線でハンズフリー が可能。
その条件とは、周囲の車との一定の距離や中央分離帯があること、GPSが入るところなど です。東名高速で条件を満たしたので、早速、ハンズフリーを体験してみました。
腕を組んで、足もアクセルから離します。天下のスカイラインといえども、昭和生まれの私は初めのうちはそこまで車を信用できなくて、緊張しました。
つい、「万が一」が頭をよぎってしまうのです。なんていいつつ、自分でも思っていたより早く慣れまして、町田から乗って海老名インター辺りではすっかりリラックス。未来って肩に力を入れ過ぎない方が近くにあるようです。
カーブに合わせてハンドルが勝手にくいくいと動く様子がかわいらしい。愛すべきペットでもあるし、信頼できるバトラーでもある。
調子に乗りやすい私は、そんなことを助手席の同乗者の方を向いて話していたら、前を向くよう車に注意されてしまいました。どうやらスカイラインは包容力のある保護者でもあるようです。
箱根でのランチは「アルベルゴ バンブー」でした。
父が生きていた頃は家族でよく箱根に旅行にきて、バンブーにも何度も立ち寄りました。
なつかしい場所です。久しぶりにここに来たら、いくつもの思い出があざやかによみがえりました。過去は自分を元気づけてくれますね。
ランチの後、次の目的地に向かいました。試乗当日は雨。
箱根らしい曲がりくねった山道は冬でも緑にあふれていて、水滴がその緑をしっとりと見せてくれます。
ここは中央分離帯がありませんから、自分でハンドルを握りました。道路にぴたっと吸い付くような感覚が気持ちよく、運転は移動のための手段であって、同時に上質な娯楽でもあることを再確認。
やっぱりクルマって楽しい。
車中、同乗した日産の方から、運転支援システムの開発についていろいろと聞きました。膨大なデータを組み込むそうですが、「結局、どんなデータも技術も人間の想像力を超えられない」という言葉が印象的でした。
山を降りたら、今度は海沿いの道を走って、「小田原文化財団 江之浦測候所」を目指しました。
ここ、ずっと来てみたかったところです。
写真家であり美術家の杉本博司さんが手がけた美術館ですが、美術や彫刻が並べて展示されているのではありません。
元はみかん畑だったという広大な敷地に石の舞台や光学硝子舞台だったり、茶室だったり、庭園や門だったり、日本文化の原型があります。ここで体験できるものは過去の時間といったらいいでしょうか。
宿泊は鶴巻温泉の「陣屋」。神奈川県に住んでいますが、秦野市にこんなお宿があるなんて知りませんでした。
一時は倒産の危機にあったそうですが、徹底した経費節減&IT化でV字回復を遂げたことでも知られる旅館だそう。広々とした部屋には大きな内風呂がありましたが、時計もテレビもなし。ゆっくりとくつろぎました。
過去が重なって今日ができていて、今日が重なって未来になる。改めて、そんなことを感じた旅でした。