小西さやかさん監修【ネットでできる化粧品検定】添加物は全部悪いは間違い!知っておきたい【コスメの安全性】

「日本化粧品検定」をご存知ですか?化粧品の成分や効果を高める知識を学ぶ、話題の資格検定です。今回、美ST読者のために特別版の「大人のための化粧品検定」を作ってみました。これで自分の美容知識を総点検すれば、明日からもっと効率的に美を追求できるはず。さっそくトライしてみて! ※解答と解説は問題の後にあります。

Q1. 期限の記載がない未開封の化粧品の使用期限は?

(A) 製造から1年 (B) 製造から3年  (c) 製造から5年

Q2. 代表的な防腐剤であるパラベンを抗菌力の高い順に並べなさい

(A) エチルパラベン (B) プロピルパラベン (C) メチルパラベン (D) ブチルパラベン

Q3. 下の文中にある部分(A〜C)のうち間違っているものを選びなさい

化粧品にはアミノ酸、糖類、天然油脂などカビや微生物のエサとなる成分も使われています(A)。もし、微生物が混入して繁殖すると化粧品が変質(B)し、肌トラブルの原因に。一般に化粧品は食品に比べて使用期間が短く(C)、使用中に手指から微生物が入り込むことがあるので防腐剤の添加が必要である。

Q4. 下記の中で界面活性剤として機能するものをすべて選びなさい

(A) 卵黄 (B) 砂糖 (C) 石鹸

Q5. 界面活性剤が肌への刺激にもなり得る理由として適切なものを選びなさい

(A) 紫外線などの外的刺激を通しやすくなるから (B) イオン性のあるものが皮膚の表面に付着することもあるから (C) 皮膚表面を覆って代謝を阻害するから

Q6. 化粧品の原料(A〜D)に関して、それぞれに適する説明を選びなさい

(A) 増粘剤 (B) pH調整剤 (C) キレート剤 (D) 酸化防止剤 a 金属イオンによる化粧品の劣化を防ぐ b 酸性度・アルカリ性度をコントロールする c 液体にとろみをつけ使用感をよくする d 油性成分の変質を防ぐ

Q7. 化粧品の使用方法として安全性に問題があるものをすべて選びなさい

(A) パックを熱湯で温めて使う (B) オールインワンジェルにビタミンC美容液を混ぜる (C) 洗ったファンデのスポンジをすぐにコンパクトにしまう

Q8. 無添加化粧品の「無添加」の意味として正しいものを選びなさい

(A) 肌に負担のかかる成分が一切含まれていない (B) 何が無添加であるという明確な規定はない (C) パラベン、シリコン、界面活性剤を配合していない

Q9. 海外で購入した化粧品を使用する上での注意点として正しいものを選びなさい

(A) 日本では認可されていない成分を配合したものもある (B) ブランドと商品名が同じなら、日本と海外で販売されているコスメの成分は同じ (C) 日本国内の空港免税店で販売されている化粧品は日本の薬機法に基づいているので安心

Q10. ティントリップが落ちにくいのはどちらの着色剤によるものか?

(A) 染料 (B) 顔料

学校法人東京農業大学 食香粧化学科 客員准教授。2011年に一般社団法人日本化粧品検定協会を立ち上げる。大手メーカーで化粧品開発に携わった研究者としての鋭い目線でコスメや美容法を評価。一児の母。

監修したのは……一般社団法人日本化粧品検定協会代表理事 小西さやかさん

解答と解説

A1. (B) 一般的に未開封で3年、開封後は1年

化粧品の使用期限は製造から未開封で3年、開封後は1年と言われています。未開封の場合、製造後3年間は製品が分離や変質しない処方で作られていて、その品質をメーカーが保証しています。

A2. (D)→(B)→(A)→(C) 一番抗菌力が高いのはブチルパラベン

パラベンは長年使用されてきた馴染みのある防腐剤の一つです。配合量が多くなると比例して抗菌力は高くなりますが、敏感肌の人は皮膚刺激を感じるものもあります。

A3. (C) 間違いは(C)の「使用期間が短く」の部分

(A)、(B)は正解。(C)は「化粧品は食品に比べて使用期間が長く」の誤り。化粧品は開封後3カ月~半年ほどの長期にわたって使用することがほとんどです。

A4. (A)(C) 界面活性剤は身近な存在です

卵黄はマヨネーズを作る際の界面活性剤として欠かせません。思いのほか、界面活性剤と私たちは、日常で身近に接しています。

A5. (B) 界面活性剤は良くも悪くも肌への浸透を高めます

イオン性のある界面活性剤は、肌のバリア機能を壊すことも。界面活性剤の種類や配合バランスによっても異なります。また、コスメの美容成分を肌へ浸透しやすくするために配合されることもあります。

A6. (A)-c、(B)-b、(C)-a、(D)-d 品質保持や刺激の低減に必要な成分です

増粘剤は乳化された水と油の分離を抑制して安定させる役割もあります。酸化防止剤の代表的な成分は「体内酸化による老化を防ぐビタミン」としても有名なトコフェロール(ビタミンE)です。

A7. (A)(C) 混ぜるのも基本的におすすめできません

(A)EGFなど熱に弱く変成する成分もあるのでNG。(B)安全性に問題はないが、テクスチャーは変わる可能性も。(C)完全に乾いていないと雑菌が繁殖します。

A8. (B) 無添加化粧品に明確な定義はありません

無添加化粧品≠安全ではありません。「無添加」の意味はメーカーによって違いますが、一般的には旧指定成分が配合されていないことを意味します。

A9. (A) 国によって化粧品の配合禁止成分は異なります

(B)同じ商品名でもそれぞれの国の法律に従って処方や成分が異なることがあります。(C)空港の免税店は日本国内であっても、日本の薬機法の適用外です。

A10. (A) 顔料よりも色が落ちにくい染料がメイン

鮮やかな発色が長持ちするティントリップ。落ちにくいのは着色料に染料を使っているから。染料は、粒子がとても細かいため角層の隙間に入り込み、定着します。

2020年『美ST』4月号掲載 撮影/五十嵐 洋 取材/奥原京子 編集/長谷川 智、佐々木 遼

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