「花のある暮らし」 50代男性編集部員の場合②
HERS5月号「特集・私だけの、ひとり時間。」
P.58からの〈花のある暮らしを、もっと簡単に。〉というページに触発されて、小生もいろいろと考えてみました、の第2弾。
前回はローズマリー盆栽についてでしたが、今回は、今この時季に都下で咲いている花々について。
前回の記事はこちら。
おかみから外出自粛要請が出ているので、なるべく外出は避けていますが、心とからだの健康を自分なりに考えた時に、いっさい外に出ない暮らしは逆にリスクが高いだろうと思い、3密を避けて時折り散歩してます。
幸いなことに、都心から1時間ほどの多摩方面に住んでいるのでソーシャルディスタンスを取りながら静かに散歩を楽しむことは十分可能。ちなみに小生は文化系男子なので、決してランニングしたりもしません。
ちょっとした光合成をしに散歩に出る程度なので大目に見てください。
それにしても、GW前後の季節は本当に花が美しくて気持ちが上がります。
まずは、こちら。
ともにハナミズキです。
暖冬だったせいでしょうか。やはり例年よりも咲くのが1週間ぐらい早いような気がします。
「ハナミズキ」というと、若い人々は一青窈さんの歌を思い出すかもしれませんが、小生の場合は表参道のハナエモリビル(現オーク表参道ビル)の1階にあったカフェ「花水木」です。今は昔、仕事の打ち合わせといえば、とにかく「花水木」だった時代がありました。
ちなみに、ハナミズキの花言葉は「返礼」。
“憲政の神様”と呼ばれた尾崎行雄が東京市長だった頃、アメリカのワシントンD.C.にソメイヨシノを贈った時に、その返礼として贈られてきたのがハナミズキだったのです。
そして、こちらは住宅のブロック塀から乗り出して咲き誇る藤の花。
まるで、塀の外を歩く歩行者に対して「見て、見て、私を見て!」と訴えかけているようですね。
藤の花言葉は「歓迎」です。英語でもそのまま「welcome」。
HERS5月号のP.140でも藤の旬について取り上げていますので、ぜひご覧ください。
白い小花が集まったユキヤナギも綺麗です。
ご時世的には「密集禁止!」と言いたくなりますが……(笑)。
ユキヤナギの花言葉は「愛嬌」。
同じく密集系ですが……。
調べたところ、おそらくタニウツギだと思われます。
花言葉は「豊麗」。なんかセクシーですね。
おや、こんなところに花畑?
塀で仕切られた空き地です。駅に近い角のスペースなので、そのうちビルかマンションが建つのでしょう。でもそれまでの間、さまざまな花々で土地の記憶を彩りたかったのでしょうか。ルピナスやらカレンデュラやら、カラフルな花が咲き乱れる中で、寒白菊も大密集!
寒白菊の花言葉は「清純」。
花々は密集できるから、いいな……などと思いながら、こうなる状況の少し前のことを思い起こしました。
2月中旬に、神楽坂にある取材先の店の前で見つけたオトメツバキの花。花言葉は「控えめな美」。
まるでカービングアートのようです。
一輪だけ静かに咲く様子が、まさに控えめで風情がありました。
4月3日。光文社の近くにある江戸川公園ではソメイヨシノが所狭しと咲き溢れていました。
花言葉は「純潔」。
まだ1か月ほど前のことなのに、すごく懐かしく思われます。
桜のせいではないのだけど、桜が散ってから世の中ちょっと変っちゃいましたね。
人を避ければ、花に出合う。
HERS5月号をはじめ、光文社の雑誌・書籍のご購入方法のご案内について
写真・文/川原田朝雄