vol.4 「建築家とインテリアデザイナー夫妻、こだわりの自邸」
建築設計事務所と同じ、つる性のグリーンに包まれたエントランスが、敦子さんが夫と3人の子どもたちと暮らす家。建築家の自邸とあって、その設計には並々ならぬ思いが込められている。デザインの自由度だけでなく、設計上のチャレンジや暮らすことで知り得る学びも、この家が教えてくれているという。階段をむき出しで作ることで、家全体に風を回しエアコンなしでも快適に暮らせるサステイナブルデザインだ。インテリアデザイナーでもある敦子さんのセレクトで配された家具は、和と洋がバランスよくミックスされ、居心地がいい。さりげなく置かれた絵画やアートピースなどからも、彼女らしい遊び心がのぞく。
モダンな椅子が配された真っ白なリビング。高台に位置するため、大きなガラス窓からは都心とは思えない広い空がのぞいている。普段は3つ子ちゃんの遊び場となって、リビングはとても賑やかだとか。自ら内装デザインした、使い勝手のいいキッチン
緑がのぞく大きな2面の窓にくわえて、天窓もあり、たっぷりと自然光が差し込む気持ちのよいキッチン。機能的で美しいものたちが並ぶ、キッチンの風景
キッチンに堂々鎮座する、生ハムスライサーとエスプレッソマシーン。美食家イタリア人の日常に不可欠なアイテム。インテリアも、日本とイタリアのコラボ
イタリアの建築家、アルド・ロッシのシェルフはどこか日本的な佇まい。普段使う食器や子どもたちの絵本ほか、曲げわっぱや旅先で見つけた工芸品などもここに収納。存在感のある美しい佇まいだ。アートを日常にさりげなく置いて
階段のそばに置かれた赤い座面の椅子。トッサーニ邸では、アクセントとなる“赤”の使い方が上手。Profile
トッサーニ糸田敦子
秋田県出身。女子美術大学を卒業後、米国ロサンゼルスの建築事務所へ。上司でもあった建築家の夫と結婚し、1997年に東京に建築設計事務所「リカル ド・トッサーニ・アーキテクチャー」を設立。インテリアデザイナーとして活躍。日本の自然遺産にも魅了され、ニセコにも事務所を持つ。5歳になる3つ子の男の子のママでもある。