季節の変わり目になると鼻がグズグズ……。そんな症状を風邪だと思っていませんか?もしかしたらその不調の原因は「寒暖差アレルギー」かもしれません。
教えてくれたのは
たなか耳鼻咽喉科院長 田中伸明先生
日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医。医学博士。獨協医科大学医学部卒業。東京女子医科大学東医療センター耳鼻咽喉科入局。2008年から現職。東京都耳鼻咽喉科医会理事。日本耳鼻咽喉科学会東京都地方部会代議員。
寒暖差アレルギーとは?
⇒季節の変わり目などに鼻炎のような症状が出ること
季節の変わり目や、寒暖差が激しい場所に出入りしたときにくしゃみや鼻水が出ることはありませんか? この症状は俗称で「寒暖差アレルギー」と呼ばれますが、医学的には「血管運動性鼻炎」といわれます。鼻の粘膜が温度差に反応してアレルギーのような症状が出るものですが、いわゆるアレルギー症状のように特定の物質をアレルゲンとして反応が出るものではありません。従来は季節の変わり目に起きていましたが、空調設備が発達した現代では、建物の中と外の温度差に反応して通年で症状が出る人もいます。鼻の粘膜が弱い人が発症しやすく、蓄膿症などほかの病気との合併症が起こる場合もあります。病院で鼻症状を抑える対症療法が基本で、抗ヒスタミン薬や鼻水を抑える薬などが処方されます。気になる人は耳鼻科を受診してください。
風邪やアレルギー性鼻炎との見分け方
【風邪】
時間とともに鼻水に色がつき、粘り気が出てくる。発熱、咳、頭痛、喉の痛みなどがある
診断方法:出ている症状を医師が確認して診断
【アレルギー性鼻炎】
サラサラした鼻水が出る。目のかゆみがあることも。
診断方法:病院でアレルギー検査をして診断。
【寒暖差アレルギー】
鼻水はサラサラ。鼻づまりや、目のかゆみは少ない。
診断方法:病院でアレルギー検査をした結果が陰性で、かつ問診で特定の場所や時間帯に症状が出るなどの特徴がわかった場合に診断。
自分でできる対策とは?
①マスクをつける
温度・湿度変化を抑えられる。特に、温かいところから寒いところに出た際の刺激を抑えることができる
②軽い運動をする
ストレッチやウォーキングなどの軽い運動をすることで自律神経を整え、鼻の通りをよくする。
③足元を温める
足元を温めることで血流がよくなり、鼻の症状を抑えられる。
④加湿をする
鼻の粘膜は乾燥に弱いため、加湿を。湿度は50~60%に保つのがおすすめ
◇編集部が選んだキーアイテム◇
キュートなアニマル柄の携帯用ダストケース
携帯用ダストボックスとして使用できる、シリコン製のスリットポーチ。ティッシュで鼻をかむことが多いこの時季、ゴミ箱が見当たらない場所でも安心。かわいらしいアニマル柄にも癒されます。SMART FIT PuniLabo スリットポーチ・Lサイズ(左から)シバイヌ、ブタ、ハチワレネコ各¥1,000(LIHIT LAB.)
鼻がつらい時期は睡眠中に温めて加湿を
「鼻の粘膜がただれた状態だと、過敏になりやすくなってしまいます」(田中先生)。鼻の調子が悪いときは、夜寝るときの加湿加温がおすすめ。マスク内があったか蒸気でじんわりうるおいます。めぐりズム 蒸気でホットうるおいマスク ラベンダーミントの香り(3枚入)¥450(花王)
外出先に温かいお茶を持ち歩いて
乾燥に弱い鼻の粘膜を保湿するのにおすすめなのが、外出先での温かい飲みもの。鼻がムズムズしたら、温かいお茶をゆっくり口にふくんで、鼻の奥までしっとりさせて。短時間の外出にも持って行きやすい、スリムな少量ボトル。ポケトルS (左から)ピーチピンク、バニラ、ネイビー120㎖各¥1,300(デザインワークスエンシェント)
屋外に出るときはストールで鼻元を覆って
室内から外に出るときは、ストールで鼻元を覆い、温度・湿度変化の刺激から鼻の粘膜を守ると◎。春らしいストールなら、外出先で寒いときに羽織るのにもぴったり。一枚持っていると便利です。インド綿大判ストール(シャドーチェック)200×130cm サンドベージュチェック ¥1,810(無印良品)
※掲載中の情報はMart誌面掲載時のものです。
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取材・文/須賀華子 構成/Mart編集部
2020年5月号
カラダの疑問に答えます
「鼻がグズグズこれって寒暖差アレルギー?」 より