幼稚園受験や早期教育、小さいうちから勉強が必要?|専門家が答える“教育虐待”Q&A
Q.1
「幼稚園受験や早期教育に興味津々のママ友。2歳半の娘のお勉強に余念がなく、ベビーカーで移動中にキョロキョロと周りを眺める娘を怒鳴りつけて、ひらがなカードを無理やり持たせていたのには驚き。小さいうちはもっと自由にさせるほうがいいのでは?と思ってしまいます」(3歳・女の子ママ)
A.この年齢の早期教育は
むしろマイナスになることも
早期教育については色々な議論がありますが、脳科学的な観点から言うと、子どもの学びには適した時期があり、2、3歳の頃は実体験が必要な時期。その時期にパターンを覚えさせるのは、脳の発達にとって非常に好ましくなく、好ましくないことを無理強いするという意味では虐待に当たる場合もあるでしょう。本来するべき体験をある程度犠牲にした上で、大人の価値観を押し付けるわけですから、マイナスの要素の方が強いことを忘れないでください。
答えてくれたのは…
●古荘純一先生
小児精神科医。青山学院大学教育人間科学部教授。現在も医療臨床現場において、神経発達に問題のある子どもや不適応状態の子どもの診療を行っている。「親の期待に応え続けることは、子どもにとって本来の姿を否定され続けること」だとし、そういった子どもたちは精神疾患を発症するリスクを抱えてしまうと警鐘を鳴らす。著書に『教育虐待・教育ネグレクト』『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか』など多数。
撮影/古本麻由未 取材・文/宇野安紀子 編集/フォレスト・ガンプJr.
*VERY2020年4月号「受験勉強だけじゃない、過剰な習い事も… もしかして、教育虐待?」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。