受験のために習い事を辞めさせるのは教育虐待?|専門家が答える“教育虐待”Q&A
Q.9
受験とバレエの両立が難しくなり、子どもを無理やり説得して受験一本に。子どもは泣く泣く諦めて勉強に専念していますが、本当はバレエをやりたいことは知っています。でも、将来のことを考えたら、今は勉強を優先してほしい。子どもがやりたいことを無理やり奪ってよかったのでしょうか?(11歳・女の子ママ)
A.勉強に集中すべき理由を丁寧に説明して
習い事を辞めさせたことは虐待ではありません。大切なのは、親の判断で決めたわけなので、なぜ今は習い事じゃなく勉強を頑張ってほしいと思ったのかを、何度でも丁寧に説明することです。「やらないと困るでしょ」という不安型の説明ではなく、勉強することでこの先できることや理解することが増えて、自分の力で人の役に立てる、だから今は頑張ってほしいと伝えること。わかってもらえないかもしれないということを頭に入れながら、何度もきちんと説明すれば子どもに響くし、辞めさせたという負い目も乗り越えられる気がします。
答えてくれたのは…
●小川大介さん
教育専門家。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。京都大学卒業後、中学受験のプロ個別指導教室SS-1を創設。個別面談の実施数は6000を数え、受験学習だけでなく、幼児期の能力育成や親子関係の築き方指導にも定評あり。著書に『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』も。中学受験においては、夫婦の子育てビジョンが重要であると指摘し、著書『親も子も幸せになれるはじめての中学受験』には、中学受験の成功のカギがたっぷり。
撮影/古本麻由未 取材・文/宇野安紀子 編集/フォレスト・ガンプJr.
*VERY2020年4月号「受験勉強だけじゃない、過剰な習い事も… もしかして、教育虐待?」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。