光GENJIを経て、舞台等で活躍中の佐藤アツヒロさんの連載「こじらせ男子でなにが悪い」(略して、こじだん)をご愛読いただき、ありがとうございます。いろいろなことが起きている今だからこそ、自分を常に見つめ続け、半歩先の未来を想像し、新たなものをつくりだし続けてきたアツヒロさんの言葉が届くときなのではないかと思います。発売中のMart6・7月合併号のテーマは「プロを考える」。ジャニーズ事務所にいること、そこでなにを考え、どう生きているのか。その姿から、今の時代を生き抜くヒントが見えてくるのではないでしょうか。
さて、今日は実際の撮影シーンをルポ風にお伝えします。カメラマンさん、スタイリストさん、ヘアメークさん、編集スタッフ。いろいろな目線からお届けしますので、是非その場にいるようなお気持ちでどうぞ!
シーン①
事前打ち合わせ@打ち合わせ部屋
編集スタッフの目線「小道具どうする?」
古民家でレトロな感じで撮ってみたい。そう考えてお打合せしたところ、「書生さんみたいなイメージはどうだろう」というアツヒロさんのご提案が。文机の前に座ってなにか書き物をするなど、具体的なシーンが次々打ち合わせ現場で浮かびました。撮影に使わせていただいた古民家は、実は数年前まで実際に使われていたところ。そういえば小さな机があったな、あれは書き物をするのにぴったりだな。よし、便せんや原稿用紙、筆記用具入れ、万年筆あたりを準備しよう。そう考えたのでした。
シーン②
当日の衣装合わせ@撮影場所の着替え部屋
スタイリストの目線「書生さん風をどう表現する?」
編集部から「レトロな古民家で書生さん風にしたい」とのオーダーあり。基本的には、ざっくりとしたイメージを伝えてもらってそこから想像を膨らませ、いくつかのパターンを組んで持参します。見せてもらった古民家の雰囲気、書生さんという言葉から考えると、白やベージュ、淡いアースカラーのシャツなどに小道具を合わせていこうか。「眼鏡も欲しいです」とオーダーされたので、それらに合うような丸いタイプをレンズあり、レンズ無しで準備することにしました。当日は、実際に机の前に座ったアツヒロさんが、ひとつひとつ眼鏡をかけてみて、「これどう?」と皆で投票し、誌面に採用されたものに決まったのでした。
シーン③
衣装に合うヘアメーク@古民家のキッチン
ヘアメークの目線「衣装に合うスタイル作り」
事前に撮影現場の写真を共有してもらい、自分なりにイメージを作りつつ、現場に向かいます。当日、アツヒロさんとご相談して、完成形を作りあげていくのです。今回は、レトロな古民家で撮影とのこと。サスペンダーとシャツというスタイルに合うような、やわらかくも芯のある空気感を目指しました。実は、ファンデーションも、その日の肌の状態や作り上げたい空気感で変えます。ナチュラルな肌をいかしつつ、自然なツヤが出るような仕上がりを意識してつくりこみました。ちなみに、今回のメーク場所は古民家のキッチンにて。大きな窓もある開放感のある空間で、大きな鏡を置いて作業しました。
シーン④
春らしい写真を撮る@撮影現場の庭・玄関
カメラマンの目線「花のいかし方を考える」
撮影の打ち合わせを電話とメールでしたとき、撮影現場の古民家の花が当日どこまで咲いているかわからないとのこと。そこで、花の咲いた桜の枝を用意してもらいつつ、当日少し早めに入ってロケハンをしました。メインカットに採用されているものからわかるように、庭にはピンク色の可愛い花が咲いていたこともあり、小道具リクエストのあった昔使っていたカメラ(今も撮影できます)を絡めるシーンはここで。編集スタッフさんに立ってもらい、テスト撮りをしました。いろいろ撮ってみたのですが、もう少し春の空気感を出そうと、別途、レンズのそばに花のついた枝を持ってもらい入れ込んで撮影。メインカットや目次写真(全身)にうつった白いふわっとしたものは、桜の花をぼかしたものです。
ATSUHIRO’S EYE
撮影/ATUHIRO SATO