RIKACOさんに聞く、今の自分と大切なフラット靴との付き合い方
ヒールなしの靴で楽しみたい
いつの間にか、大人の女性にとってヒールは履いても履かなくてもいいものになりました。
靴には、ネイルの爪先のように、日々の荒れが如実に現れてしまうから靴のトウも後ろ姿も、これからは気をくばって整えていく、そのくらいゆったりとした余裕が大人のオシャレに必要なのかもしれません。
今回はフラットシューズを選ぶ理由をRIKACOさんに伺いました。4月号本誌より、一部抜粋してご紹介します。
■RIKACOさん
~昔の自分を更新しながら、大切にしてきた靴と付き合いたい~
20代の頃に買ったものには特別な思い入れがあります。
パリの本店で、初めてバーキンを買おうとしていたとき、ローファーとも出合いました。クロコ素材の見事な作りにひと目惚れ。思わず買いたいと思ったものの、ゼロひとつ勘違いするくらいの値段にびっくりしました。それでも仕事を頑張ろう!と意を決して購入。あれから25年以上経っても買って良かったと思える逸品です。
その時代、時代で大切にしているものは、状態を保つようにケアも欠かしません。そういった気持ちが詰まったアイテムが好き。
~中略~
Tシャツ×デニムにフラットシューズは私にとって不変のスタイルのひとつ。ただ自分自身も年齢を重ねていくから同じ服をずっと着続けられるわけではない。
10年前に戻るわけではないから、自分を丸ごと受け入れ、どう進化させ続けるかが大切だと思っています。昔にしがみつかず、今の自分に合うように常に変化させたい。そういうことも含めて、年齢を重ねるとますますセンスが問われると実感しています。
加えて、無理してオシャレをする必要を感じなくなりました。でもオシャレ心は忘れたくない。ただ足が痛くなるのはもはや絶対にイヤ。むしろ甘やかしてあげたいくらいです。
だからこそ、TPOをわきまえた靴としてもフラットシューズは毎日に欠かせないもの。
自分自身と服はアップデートさせ、靴は時代に合った思い入れのあるものを選ぶ―― 今の私の結論です。
大切にケアし続けている思い入れのあるものがフラット靴には多くあります
<左から>
GUCCIのエナメル素材シューズは’80年代後半に買ったもの。ラウンドトウのフェミニンさが気に入っています。エルメスのオーセンティックなローファーは15、6年前に。当時もデニム×Tシャツに合わせていました。エルメスのクロコ素材ローファーはレアなもの。ずっと変わらない価値があると思っています。レペットは数年に一度は更新する、変わらずに好きなアイテム。
RIKACOさん
モデル、女優、タレントとして数々の映画、ドラマ、CMに登場。現在もファッション、美、健康、ライフスタイルに注目が集まる。You Tube配信など新たな試みも。
撮影/嶋野 旭 ヘア&メーク/高取篤史<SPEC> 取材・文/金沢由紀子 構成/永吉徳子