「布マスクの正しい洗い方」をマスター!夏に向け正しい洗濯&保管法

緊急事態宣言が解除された後の新たな生活様式では、引き続き3密を避けるとともに、マスクの着用が求められています。マスク生活が継続される中、使い捨てマスクから、洗って繰り返し使える布マスクを使用する方も増えています。少しずつ外出する機会が増え、さらに季節も高温多湿の夏シーズンにも向かい、布マスクのケアはこれからますます重要です。そこで今回は、布マスクを清潔に使い続けるためのお洗濯方法と洗い方に関する疑問にお答えします!

布マスクは洗濯機ではなく、1日1回、1枚ずつの「手洗い」が基本!

布マスクは、洗って繰り返し使えるのがメリットですが、清潔に使用するにはお洗濯が肝心!汚れやニオイを取り除いて、繊維を傷めないためには、洗濯機ではなく「手洗い」がベストです。他の洗濯物や他のマスクから、菌やウイルスが付着するのを防ぐため、1日1回、1枚ずつ、衣料用液体洗剤と塩素系漂白剤で洗います。いちいち面倒!と思うかもしれませんが、ていねいに洗うことで、汚れをしっかり落とし、「縮み・しわ・ヨレなどの型くずれ」や、「ゴムが伸びる」などの悩みも軽減できます。また、1枚ずつ洗うことは、他の洗濯物や他のマスクから、菌やウイルスが付着するのを防ぎます。さらに、洗い方を少し工夫すると、女性に多い「口紅やファンデーションが落ちにくい」といった悩みも解決しやすくなります。

【STEP1】まずは、家庭で洗えるかを確認しましょう

    【家庭でお洗濯できる布マスク】
    ◎綿素材のガーゼ生地など、布製の家庭用マスク
    ◎パッケージに「家庭で洗える」と表示されているもの

    【家庭でお洗濯できないマスク】
    再利用を想定しておらず、性能低下や型くずれの可能性があり、洗濯はおすすめできません。
    ×パッケージに「家庭で洗える」と明記されていない布マスク
    ×不織布の使い捨てマスク
    ×家庭用マスクではない、医療用マスクや産業用マスク

    Q.ポリウレタン素材のマスクは洗濯できますか?
    ポリウレタン素材のマスクは、パッケージに「家庭で洗える」と明記してあれば洗えますが、塩素系漂白剤を使用すると黄色く変色したり、強度が低下するので、塩素系漂白剤の使用には注意が必要です。

【STEP2】 布マスクのお洗濯の洗剤を選びましょう

布マスクは、一般的な衣料用洗剤で洗えますが、水に早く溶ける液体洗剤がおすすめです。パッケージに「中性洗剤で洗いましょう」と表示のあるものは中性洗剤を使用します。

    布マスクは、一般的な衣料用洗剤で洗えますが、水に早く溶ける液体洗剤がおすすめです。パッケージに「中性洗剤で洗いましょう」と表示のあるものは中性洗剤を使用します。

    布マスクのお洗濯では、以下のポイントを守りましょう。
    ★衛生面から、1日1回は洗濯しましょう。ただし、1日2回外出した場合など、汚れを感じたらその都度、お洗濯しましょう。
    ★菌・ウイルスの付着を防ぐため、ほかの人のマスクはもちろん、自分のマスクでも一緒には洗わず、1枚ずつ手洗いしましょう。
    ★汚れや菌・ウイルスの付着を防ぐため、洗濯する前後にしっかり手を洗いましょう。

    超コンパクト中性液体洗剤
    「スーパーNANOX」(左)「スーパーNANOX ニオイ専用」(右)

    リニューアルしたおしゃれ着用洗剤
    「アクロン」

【STEP3】 基本的な布マスクの洗い方

衣料用洗剤で洗い、汚れが気になる時は、さらに塩素系漂白剤を使用して洗います。

【準備するもの】
●布マスク
●洗面器(ない場合は、洗面ボウルを利用)
●洗剤
●スプーン
●清潔なタオル
●洗濯バサミ
●炊事・掃除用ゴム手袋 ※手荒れしやすい方、塩素系漂白剤を使用する方
●スポンジ ※口紅やファンデーション汚れが気になる方

【基本の洗い方】

    ①洗面器に水と衣料用洗剤を入れる。

    ②スプーンでかき混ぜ、洗剤を溶かします。

    ※水2ℓに超コンパクト液体洗剤「NANOX」なら小さいスプーン半分、おしゃれ着用洗剤「アクロン」なら5ml(キャップでの計量がおすすめ)

    ③洗剤液にマスクを入れて10分浸す。

    ④やさしく10回ほど押し洗いする。

    ※手で10回ほど押し洗いします。マスクの繊維を傷める可能性があるため、ごしごしもみ洗いするのはNG。

    ⑤口紅やファンデーションなどの気になる汚れは、洗剤液の中に浸した状態で、手やスポンジでやさしくたたき洗いします。

    ※布マスクに口紅やファンデーションが付着すると、洗濯をしても落ちにくいので、マスクの下にインナーマスクもしくはガーゼを入れる、化粧品を薄めの色にするなどの工夫をするとよいでしょう。

    ⑥洗剤液を流す。

    ※マスクを洗剤液からそっと取り出し、両手ではさんで押しながら水気をきります。マスクをねじらないように気を付けます。

    ⑦洗面器の洗剤液を静かに流します。

    ※菌・ウイルスが混ざっている可能性のある洗剤液が飛び散らないように注意してください。

    ⑧洗面器に水道水をためてすすぐ。

    ※洗面器に水道水をため、マスクを入れ、水の中で振りながら十分にすすぎます。

    ⑨マスクの水気をきる。

    ※マスクを両手ではさんで押しながら水気をきります。

    ⑩清潔なタオルではさみ、両手でそっとたたいて水気を取ります。

    ※タオルにのせる位置を2~3回ずらしながら行うと、タオルにしっかり水分が吸収され、乾きが早くなります。

    ⑪陰干しする。

    ※マスクは洗濯をすると縮む場合があるので干す前に縫い目方向にピッピッと引っ張り、更に横方向も引っ張り、形を整えることで、型くずれを防ぐことができます。

    ⑫乾燥機は使わずに、陰干しします。

    ※マスク本体を洗濯バサミで留めると、ゴムが伸びるのを防げます。

【STEP4】さらに汚れが気になる時は漂白剤を使います

    ①塩素系漂白剤と炊事・掃除用ゴム手袋を準備。

    ※汚れが気になる場合は、衣料用洗剤で洗ったあと、さらに塩素系漂白剤で洗いましょう。必ず、炊事・掃除用ゴム手袋をつけましょう。
    ※塩素系漂白剤を使うと色落ちする可能性がありますので、色柄物のマスクの場合は、酸素系漂白剤を使います。

    ②洗面器に水と塩素系漂白剤を入れる。

    ※水1ℓに対し、塩素系漂白剤15mlくらいが目安です。

    ③漂白剤にマスクを入れて10分浸す。

    ④漂白剤液を流す。

    ※10分後、マスクを両手ではさんで押しながら水気をきり、洗面器の漂白剤液をゆっくり静かに流します。この時、漂白剤液が飛び散らないように注意してください。

    ⑤洗面器に水道水をためて2回すすぐ。

    ※洗面器に水道水をためてマスクを入れ、漂白剤がしっかり取れるように、水の中で振りながら十分にすすぎます。これを2回繰り返します。塩素のニオイが気になる場合は、塩素のニオイがしなくなるまで、十分にすすぎを繰り返してください。

    ⑥基本の洗い方同様、マスクの水気をきり、陰干しします。

💡塩素系漂白剤を使う時の注意点

・製品の容器に「塩素系」と記載があることを必ず確認。
・塩素系漂白剤は、「次亜塩素酸塩」を主成分とし、強いアルカリ性で漂白する力が強いため、肌を傷めないように炊事・掃除用ゴム手袋を着用。
・酸性タイプの製品や食酢・アルコールなどと混ざると有毒な塩素ガスを発生する危険があるため、必ず単独で使用。
・脱色作用があるため、色柄物が色落ちする可能性があります。
・小さなお子さんがいる場合には、手に触れないように置く場所にご注意ください。

よくある質問は?

    Q.洗濯後、マスクはどうやって保管すればいい?
    ホコリや菌・ウイルスなどが極力付かないように工夫することです。洗ったマスクは、使う人ごとに中身が見えるジッパー付きの袋に入れておくと、マスクをむき出しのまま保管しておくよりも清潔に保つことができます。名前を書いておくと間違えません。

    Q.マスクを洗濯する時、すすぎ時に柔軟剤を使ってもいい?
    柔軟剤はマスクへの使用を想定していないため、使用は避けてください。

    Q.洗濯後にマスクを乾燥機にかけても良い?
    熱に弱い材料が使われているマスクもあるので、縮みなどの型くずれを軽減するためにも、乾燥機は使わず、自然乾燥させてください。

    Q.塩素系漂白剤は「キッチン用」でも良いですか?
    塩素系漂白剤は、キッチン用と衣料用がありますが、お洗濯に使用するための「衣料用」を使用してください。

    Q.酸素系漂白剤を使用しても良いですか?
    酸素系漂白剤を使用してもかまいません。また色柄のマスクの場合は酸素系漂白剤がお薦めです。酸素系漂白剤を使う場合は、洗剤で洗った後ではなく、最初に洗剤と酸素系漂白剤を一緒にしてつけおきします。水2ℓに超コンパクト液体洗剤「NANOX」なら0.7g(小さいスプーン半分程度)、おしゃれ着用洗剤「アクロン」なら5ml(キャップでの計量がおすすめ)と液体酸素系漂白剤「ブライトSTRONG」 を20ml入れ、マスクを30分つけおきします。その後は、基本の洗い方と同様に10回程度押し洗いをして
    から、すすぎをしましょう。この場合は、炊事・掃除用ゴム手袋を使用します。

    Q.洗剤と塩素系漂白剤を同時に使ってはダメ?
    洗濯機で洗うときは、洗剤と漂白剤を同時に入れることもありますが、マスクの場合は、まず洗剤で汚れをしっかりと落とし、漂白剤の効果が最大限に発揮されるよう、洗剤で洗った後に、塩素系漂白剤を使用するようにしましょう。

教えてくれたのは…

ライオン株式会社 お洗濯マイスター 大貫 和泉
(消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士 健康予防管理専門士)
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わってきました。母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をわかりやすくお伝えしていきます。https://lidea.today/about

情報提供:
ライオン リディア https://lidea.today/articles/002534
スーパーNANOX https://top.lion.co.jp/products/nanox/
アクロン http://acron.lion.co.jp/
ブライトSTRONG https://www.lion.co.jp/ja/products/283
構成/CLASSY.ONLINE編集室