ホームベーカリーの“魔術師”が伝授するお店みたいな食パン【2】濃厚リッチな「ミルク生食パン」が早焼きコースで!

続々と食パン専門店が登場している中、今注目の食パンの一つが「ミルク食パン」です。
牛乳を中心に、生クリームや練乳、バターなど、各店こだわりの乳製品を練りこんで焼かれたパンはリッチでミルキーな味わいで、耳までふんわり柔らかいのが特徴的です。

最近は「牛乳食パン専門店」もオープンするほど、ミルク食パンにスポットが当たっています。代表的なものを私なりに3つほどチェックしてみました。

まずは、東京足立区の老舗の牛乳屋さんが手掛ける、日本初牛乳食パン専門店「みるく」。ここの「東京みるく食パン」は牛乳だけでなく、生クリーム、蜂蜜などを加え、甘味とコクのあるミルキーな味わいに仕上げています。
また、人気食パン専門店「嵜本」の「極生“ミルクバター”食パン」は北海道産牛乳や北海道産生クリームを始め、国産バターや蜂蜜を使用し、コクがありながら、自然な小麦の甘味すら感じる食パンになっています。
そして新宿に本店を構え、全国に続々と店舗数が増えている「一本堂」の「牛乳食パン」は、水分を全量牛乳にし、北海道産練乳を加えた、ソフトで優しい甘みのミルク風味がたまらない食パンです。

牛乳食パン専門店「みるく」の「東京みるく食パン」。

食パン専門店「嵜本」の「極生“ミルクバター”食パン」。

「一本堂」の「牛乳食パン」

一口に「ミルク食パン」といっても様々ですが、私はこれらのミルク食パンを参考に、美味しいとこどりして、レシピアップして焼き上げました♪
名付けて「ミルク生食パンプレミアム」です。

思い立ったらすぐ焼ける!早焼きコースならではの優秀食パン


以前から、教室の生徒さんにも、「早焼きコース(2時間)で、高級食パンのようなパンができませんか?」と聞かれていましたので、この機会に試してみました。その結果、今回のミルク食パンは“早焼きだからこそ”美味しくできることを発見!これからの季節、気温があがり、ホームベーカリーにありがちな「膨らまない」という失敗の恐れが少ないのも利点です。
私の早焼き食パンのレパートリーの中でも自信作に仕上がりました。

2時間でふんわりしっとり食感に仕上げながら、コク旨に焼き上げるために、ギリギリのラインまで水分量を上げ、優しい甘みと、くどくならない後味にするための乳製品の分量のバランスに注意を払い、何十斤も焼き上げましたが、試行錯誤の結果、お店の食パンに劣らずいい出来上がりになったと思います。
耳との境もなく、ほんのり優しい甘みでそのまま丸ごと美味しく食べることができる食パンなので、大人だけでなく、お子さんにも気に入っていただけるはず。ご覧頂いている皆さんにも毎日焼きたくなるパンの一つになっていただけたら嬉しいです。

他の食パンやパンのアレンジは私のInstagram(@atrio_emy)でもご覧いただけますので、是非参考にしてみてください。

強力粉はふっくら焼き上げに適していて、粉自体の風味があまり強くないものがベスト!

強力粉は絶対にこれでなくてはダメ!というわけではなく、よりお店の食パンの食感、風味に近づけるために試行錯誤してセレクトしました。
その中で私のオススメの強力粉はふっくらした食パン作りに適してる北米産小麦粉「イーグル」、国産強力粉であればもっちり&ふんわり感が強く、日本人好みの食感に焼きあがる「春よ恋」です。粉自体風味が特に強くないので、乳製品の風味、香りがより引き立ちます。

「ミルク食パン」のキー食材はこの4つ!


いま発売されているミルク食パンを見てみると、こだわりのコクのある牛乳を中心に、生クリーム、蜂蜜を使用しているものが多く、これを中心に練乳が入るか入らないか、というのがトレンド。今回のミルク食パンはさらにしっとり、ミルキーな旨味をひき立たせたかったので練乳を加えたバージョンにしました。
使用する牛乳ですが、最近、「特濃」とよばれるものをよく目にしますが、これを使う場合は生クリームは乳脂肪分の低めのものを、普通の牛乳であれば生クリームは乳脂肪分の高いものがいいと思います。出来上がりの味の好みに合わせて、試してみてください。

「ミルク生食パン プレミアム」

材料(1斤分)
強力粉…250g
牛乳…170g
生クリーム…30g
練乳…5g
蜂蜜…10g
砂糖…10g
無塩発酵バター…15g
ドライイースト…4g

つくり方
1.パンケースに牛乳、生クリーム、練乳、砂糖、蜂蜜を入れ、強力粉を入れて、無塩バターとドライイーストを入れたら本体にセットする。
2.早焼きコース、焼き色「淡」にセットして、スタートボタンを押す。
3.焼き上がりのコール音がピピーッと鳴ったら、パンケースを取り出して2〜3分したら、パンケースの周りを叩き、横にして振りながらパンを取り出す。


とにかく驚くほどふわふわなので、パンケースから取り出すときも、ケースを横に振りながら、パンを潰さないように注意して取り出してくださいね。

もっちりしっとり、口溶けなめらかで、濃厚リッチな味わいが完成!ちょっとのつもりでつまみ食いすると止まらなくなるので要注意ですよ(笑)

焼き上げたその日はまずそのまま味わって!

ふわふわ食感とミルク風味をダイレクトに味わって欲しいので、まずはシンプルに召し上がって下さい。バターやジャムをのせてそのまま食べたり、サンドイッチにしても最高♡
私は厚めにカットしたパンをちぎって、オリーブオイルにハーブソルト(カルディのレモンペッパーがお気に入り)を加えたものにつけながら食べるのが大好きです♡
フワフワパンにハーブソルトのオリーブオイルが染み込んで、ジューシー&極ウマです!

翌日もしっかりふわふわですが、食べる分だけカットして、ビニール袋に入れ、口を軽くたたんで、電子レンジ600wで10〜20秒加熱するだけで焼きたての美味しさがよみがえりますよ。

 

八代恵美子/フードエディター

Martでは編集ライターとして活躍する傍ら、ホームベーカリー特集で有名店の食パンを再現するフードコーディネーターとしてもおなじみ。再現したパンはお店からもお墨付きをいただくほどの出来映え。自身が開催するホームベーカリーレッスンは告知公開と同時に満員になるほどの人気。機種を選ばず、焼き上げるレシピも好評。インスタでも数々のおうちパンを紹介している。
Instagram:@atrio_emy
HP:atrio-food.com

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