薬にも毒にもなる。知っておきたいコーヒーの正しい知識

仕事や勉強の合間のリフレッシュに、好きなドラマや映画を観ながらリラックスするために……昨今のおうちカフェブームでコーヒーがより身近になった人も多いのでは。でも、そんなコーヒーがもしかしたら毒になるかもと聞いたら、ちょっと不安になりますよね。

でも、慌てなくて大丈夫。飲み方を工夫すればもちろんプラスの効果だってあるんです。

医師の立場から美容と健康を医療として追求・発信している友利 新(ともり あらた)先生の著書『やめる美容』から、コーヒーについての正しい知識をご紹介します。

体にいい? 悪い? コーヒーの基礎知識

身近だからこそ、気になるコーヒーの真実。プラスの意見もマイナスの意見もある……その理由は?

薬にも毒にもなるコーヒー

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リフレッシュやリラックスするひとときをくれるコーヒー。よい効果がある反面、ときには毒になることもあるんです。

コーヒーを飲むことには賛否両論が

体の健康という観点から見ると、コーヒーはどのような位置づけなのでしょうか? じつはコーヒーを飲むことに関しては、賛否両論があるのが現状です。

コーヒーのプラスの効果

カフェインを摂ってから運動をすると脂肪の燃焼が増える、コーヒーを飲むと便秘によいなど、プラスのデータも存在することは確かです。脳にやる気がおきないときにカフェインを飲むことで脳の疲労物質が低下するという研究報告もあるため、コーヒーを飲むと頭がしゃきっとするというのはあながち嘘ではないでしょう。

コーヒーのマイナスの効果

しかし、その一方でコーヒーに含まれるカフェインの過剰摂取はめまいや興奮、吐き気などの健康被害をもたらすとされています。

健康に悪影響が生じないと推定される1日あたりの摂取許容量は、個人差が大きいことから国際的にも設定されていません。しかし、たとえばカナダ保健省では、健康な成人は1日あたり最大400mg(約コーヒー3杯分)未満とするなど、世界各国では注意喚起が行われつつあります。

やはり過剰摂取は体に毒。もちろん、個人差はありますが、必要以上に摂取した場合はカフェイン過多になる可能性が高いといわれています。カフェイン、つまりコーヒーは、飲み方次第で「薬」にも「毒」にもなるのです。

1日の最適な摂取量

日本ではコーヒーの摂取量というのが明確には設定されていません。では、望ましい摂取量とは? 私は朝昼晩1杯ずつ、つまり1日あたり2〜3杯程度にとどめることをおすすめしています。

もし、あなたが1日2〜3杯のコーヒーを飲んでも飲み足りないのであれば、カフェイン中毒を疑ったほうがいいかもしれません。カフェイン中毒になると、刺激を求めるようになり、カフェインに対しての耐性もできてしまいます。

過去、日本でもカフェイン入りのエナジードリンクを飲みすぎて死亡する事故がありました。過剰摂取が体に毒であることは明確。何事も適量がいちばんです。

コーヒーではないコーヒー類にご用心!

身の回りにはコーヒーやコーヒーを含んだ飲料品があふれていますが、なかには、コーヒーとは呼べないものも存在することをご存知ですか?

たとえば、100円程度で購入できる缶コーヒー。これはカフェイン以前の話です。缶コーヒーには、添加物や糖質がたくさん入っているので、コーヒーというより「ただの甘い飲み物」という認識を持ちましょう。ブラックならまだしも、もはやこれらをコーヒーと呼ぶことはできないと思います。

また、よく会社に備え付けられている簡易コーヒーマシーン。ボタンをピッと押すと小さな紙コップに液体が注がれ、さらに数十円で購入できるため、日常的に飲まれている方も多いかもしれませんね。この手のマシーンから出てくるカフェオレに入っている“ミルクのようなもの”、これは牛乳ではありません。ただの油です。

よく喫茶店でもらえる小さな容器に入ったコーヒーフレッシュも油です。これをコーヒーに加えたところで、まったくカフェオレにはなりません。

今こそ見直すべきコーヒーの飲み方

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知らず知らずのうちに、毒になっているかもしれないコーヒー。では、コーヒーのプラスの効果を得るためにはどうすればいいのでしょうか?

コーヒーを飲むなら専門店で

コーヒーは、きちんとした専門店で味わっていただくことをおすすめします。コーヒー専門店と謳う店ではきちんと豆をひき、抽出したものを提供しているはずです。

また、最近コンビニなどで多く展開されているコーヒーマシーンもその場で豆をひいて淹れているのでよいといえるでしょう。もしマイルドにしたいなら、牛乳をちょこっと入れる程度にとどめていただきたいです。

時間が経ったコーヒーは毒と思って

酸化したコーヒーを飲むことによって懸念される害もあります。酸化しているものを体に入れるのですから、当然体の中が錆びついてしまいます。

やはり、コーヒーは淹れたてに限ります。そもそもコーヒーにはアロマを楽しむリラクゼーション効果というものがあるのですから、時間が経って酸化してしまうと元も子もなくなってしまいますね。

正しくコーヒーを飲むための3つのポイント❤

コーヒーは毒になるこもあるとはいえ、我慢する必要はありません。適量を適度に楽しめばいいのです。

最低限おさえたいポイント3つ

最後に、これまでの話をふまえて、コーヒーを飲むにあたっておさえておきたい3つのポイントをおさらいしておきましょう!

コーヒーの飲み方、3つのポイント

・フレッシュな状態のものを1日2〜3杯程度にとどめる
・缶コーヒーではなく、きちんとした専門店で購入する
・コーヒーに何かを入れるとしたら牛乳にする

すぐにでも始められる、やめる美容❤

『やめる美容』より、生活に身近なコーヒーについてピックアップしました。書籍では、これ以外にも実は体によくない食事法などの正しい知識のほか、すぐにでも始められる20のやめるべき美容習慣を紹介。「肌トラブルに合わせた化粧品はやめる」など、気になる話題が盛りだくさんです!

やめる美容 著者・友利 新 定価(本体1,300円+税)/光文社

 

友利 新……医師(内科・皮膚科)。 沖縄県宮古島市出身。 東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。 現在、都内のクリニックに勤務する傍ら医師という立場から、美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための啓蒙活動を雑誌・TV などで幅広く展開。書籍の執筆や講演会なども多数行っている。 2004年第36回準ミス日本。 2016年第9回ベストマザー賞【経済部門】受賞。 子育て応援・ママ応援大使。3児の母。

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