「将来、何になってほしい?」子どもの質問への親の答え、正解は?
最終回
三男一女東大理Ⅲ合格!佐藤亮子ママがVERYママに贈るお悩み相談。最終回のテーマは、「子どもの夢、要望にどう応えるべきか」です。(第3回の記事はコチラ)
Q1
4歳の娘が「将来、何になってほしい?」と私や夫に聞いてきます。どう答えるべきかいつも悩んでしまいます。(幼稚園年中の女の子のママ)
A1
悩む必要はありませんよ。「あなたがなりたいものになったらいいのよ」と答えたらいいことです。このお宅の場合、たぶん、ご両親が日ごろから「あれがいい、これがいい」と将来の職業について、話されているのではないでしょうか。子どもは親の気持ちに沿って考えたいと健気に思っているのでしょう。しかし、親の勝手な職業観を子どもに押し付けるのは良くありません。
親が教えるべきなのは、職種のいい悪いではなく、どんな職業でも立派だし、働くということは素晴らしいことなのだ、ということです。
うちの長男は、幼稚園の卒園アルバムの「何になりたい?」という質問に「ピカチュウになりたい」って書いていました。子どもって本当に可愛いなと思いましたね。
親のするべきことは、子どもが職業を選ぶときに選択の範囲を広く持てるように、基礎学力をしっかりつけておくことです。その後、どのような仕事を選ぶのかは子ども本人に任せましょう。子どもの人生なのですから、親が口を出すことではありません。
<第1回は「子どもに自主性・個性を求めるべきか」>
Q2
4歳の息子が誕生日プレゼントに「天体望遠鏡がほしい」とのこと。そこで、おもちゃと本物、どちらを買うべきか迷っています。また、佐藤さんの4人のお子さんの幼稚園時代のプレゼントで、よかったものがありましたら教えてください。(幼稚園年中の男の子のママ)
A2
せっかく望遠鏡を買うのなら「月のクレーター」と「土星の輪」は見えたほうが楽しいです。おもちゃでは見え方がイマイチなので、高価なものは必要ありませんが、やはり本物の天体望遠鏡を買ってあげてください。子どもにも簡単に扱えるものにしてくださいね。
自分の天体望遠鏡で本物の月のクレーターが見えると親子で感動できます。土星はちょっと遠いのですが、輪が見えると、子どもは大喜びします。
わが家の場合、誕生日プレゼントといえば、誕生日の子にだけ渡すのではなく、4人全員に同じものを渡すことにしていました。新しいおもちゃですから、1人の子にだけプレゼントを渡すと、誕生日の子に「貸して、貸して」ということになります。でも、誕生日の子は自分がもらったものなので、貸しませんよね。そうなると他の子どもたちは妬ましく思うという構図になります。それでは、全員が幸せにはなれないでしょ? 私は、誰か一人でも悲しそうな顔をするのを見たくはないので、誰かの誕生日をみんなで心からお祝いするために、みんなに同じプレゼントを、ということにしたのです。
プレゼントはいろいろありましたが、戦隊モノの「〇〇レンジャー」の合体ロボのようなものはよく買いました。あとは、立体のジグソーパズルも喜んでいました。
子どもが4人ですから、年に4回、誰かの誕生日をみんなが楽しみにしていました。これは、“きょうだい”が仲良くする秘訣だと思います。
また子どもの誕生日には、私が苺のケーキを作りました。子どもが小さいときは、ホールケーキ1つで間に合っていたのですが、4人が小中学生になると量が足りずに2つ焼くようになりました。6人家族でクリスマスを入れると年7回。おばあちゃんやおじいちゃんが来たりすると8回とか9回になります。年中ケーキを焼いている感じでした。かなり上達しましたよ。
家の中に手作りケーキが焼ける匂いが漂うのはホント幸せなひとときでしたね。子どもたちはオーブンを覗き込んで大喜びでした。
<第2回は「幼少時の習慣付けはどうすればよいか」>
Q3
家事と子育ての両立は、どのようにしたらいいでしょうか? 私はシングルマザーで仕事もしなければならず、頭が痛いです。(小4男子のママ)
A3
まず、家事と子育てに限らず何事も「両立」はあり得ないということを確認しましょう。多くのママが、家事と子育てを上手に両立できていないことに悩んで、「努力が足りない」と自分を責めたりするのです。でも、「両立」できていないのはママのせいではありません。もともと、「両立」はできないのです。だから、ご自分を責めないでくださいね。働いているママはもちろん、専業主婦でさえ、家事と子育てを完璧に両立させることは無理です。1日24時間しかないのだから、どちらかを優先するしかありません。
子どもが小4ということですから、ママが家に帰って学校の宿題はやっているか、授業は理解しているか、テストではどのくらい点を取れているのか、ということは把握してください。ママは疲れていると思いますが、できれば30分は子どもの隣で勉強を見てあげてください。教えなくていいのです。毎日30分でも、ママがそばにいてくれると、子どもは勉強の習慣がつきます。
日曜日に、親子で1週間のスケジュールを立てましょう。それをノートに書いて子どもに渡しておいてください。子どもは学校から帰ったらノートに書いてあるスケジュールの通りに勉強するということです。子どもは決められたものがないと何もできません。
働いているシングルマザーでも、専業主婦でも、ママが主体で子育てをすることは覚悟しましょう。
なるべく子どもの食事は、簡単なものでいいので、ママが作ってあげてください。外で売っているお弁当などにばかり頼ると親子の絆がなかなかできません。食べ物というのは本当に精神的に大事なものなのです。子どもの心を支えるのはお袋の味、作ることをがんばってほしいと思います。
最後に、幼少時代、子どもが身につけておくべきことの一番は、やはり基礎学力です。特に、算数、国語の基礎学力作りですね。算数と国語で分からないことはないか、毎日子どもに聞いて学校に送り出してあげてください。
さあ、子どももママもニコニコ100%の笑顔でこの貴重な時期を目一杯楽しんでください。
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プロフィール
佐藤亮子 大分県出身。津田塾大学卒業。英語教師として勤務後、結婚。長男、次男、三男、長女の4人を出産。4人兄妹が東京大学理科Ⅲ類に合格したママとして、育児法や教育法で注目を集める。好評既刊『志望校に一発合格する過去問攻略法』(小社刊)が絶賛発売中。