感染症から身を守る!【涙の免疫力】の鍛え方
唾液や涙などの粘膜に含まれるIgA(免疫グロブリンA)という抗体は、細菌やウイルスなどの異物から体を守り、分泌量が多いことで感染予防に。体の中に侵入させない免疫力を高めることが先決です!
脂を含んだ上質の涙が内から外から免疫力をUP
涙は99%が水分で1%がマイボーム腺から分泌される脂です。質のいい涙というのは、いい脂が出ていて水分とのバランスがよく免疫物質IgAが含まれているもので、タマネギやゴミによる反射の涙はタンパク質やIgAは含まれない質の悪い水だけの涙です。免疫力を上げるには質のいい涙をたくさん出すこと。バランスのいい食事、温める、洗う、といったケアで涙の質が上がりますが、強いストレスでホルモンバランスが崩れると涙の質も悪くなって免疫力が下がります。感動や喜び、悲しみなどの涙を流すことによって副交感神経優位になることも免疫力を高めるポイント。泣くことでIgAやリンパ球が活性化して体に入ろうとする病原菌やウイルスを撃退します。
京都府立医科大学卒業。研究専門分野はマイボーム腺機能不全。ドライアイの名医と名高い。全国での講演やメディアにも出演多数。
対策1:30分に1回ぎゅーっとまばたき
スマホの長時間使用などで目が乾いた時におすすめ。ぎゅーっとまばたきすると出るのは、水と脂どちらも含まれる質のいい涙。目薬よりも自分の涙を出すほうが栄養たっぷり。
対策2:目を温める
ビニール袋に入れて保温状態にしたホットタオルを5分間まぶたの上にのせて目を温めると、詰まっている脂が溶けて目も開けやすくなり、いい涙が出るので気持ちもスッキリ。
対策3:目元の血流UP
眼球まわりや眉下の骨の辺りを指のはらで優しく押さえてマッサージ。目元の血流がよくなることで温度が上がってマイボーム腺の脂を溶かし、質のいい涙が出やすくなります。
対策4:ビタミンA&Cを摂る
口から入れる食べ物で体にいい栄養と水分を与えないと、目からもいい涙は出ません。ビタミンA、C、抗酸化食品やオメガ3など目にもいい栄養素で血液がきれいになると質のいい涙になって免疫力を上げるIgAが増えます。
2020年『美ST』6月号掲載 撮影/藤原 宏(pigmycompany) ヘア・メーク/Sai モデル/吉村ミキ スタイリスト/柿田たみか 取材/浦﨑かおり 編集/長谷川 智