ホームベーカリーの魔術師に聞いた! もっとラクになる「基本のき」【パンケースに仕込み編】

パンの材料が揃ったら、いよいよ仕込み!ホームベーカリーはパンケースに材料を間違いなく入れてスタートボタンを押せば、あとは焼きあがるのを待つだけの便利な家電です。
とはいえ、さらに美味しく、見栄えもいいお店みたいなパンに仕上げるにはちょっとしたコツがあります。初心者の方はもちろん、長くホームベーカリーを使ってきた方も今一度、チェックしてみて下さいね。いつものホームベーカリーパンがバージョンアップしますよ♡

スケールは0.1g単位で計れるものを!

食パン専門店のパンのレシピはドライイーストをはじめ、材料の分量も0.1gにこだわったレシピが多いです。ドライイーストはパンの食感や膨らみに大きな影響を与えるものなので、スケールは是非、0.1g単位で量ることのできるものを用意することをお薦めします。私の使っているデジタルスケールは携帯もできるステンレス製の蓋付きのもの。デザインもシンプルで、サッとふくだけでいつもきれいに保つことができ、蓋を兼ねたトレイも2つついているので、ちょっとしたものはこの上で量ることができます。ものによっては個数が量れるのも嬉しいんです。とにかくコンパクトなこのサイズ感がとても使いやすく、収納にも困りません。こんなに様々な機能を携えているのに価格がお手頃なのもいい!これが教室では大人気で、レッスンにきた生徒さんはみなさんその場でポチっています(笑)

TOKAI デジタルキッチンスケール

材料の計量が面倒なら、スケールの上にパンケースを置き、材料を入れていけばOK!


はかりの上にパンケースを置き、目盛りをoにセットしたら、材料を入れて量ってはまた、目盛りを0にして次の材料を入れて量る…この繰り返しでOK!次の材料を入れる前に、目盛りを0にすることを忘れずに。

絶対ダメだと思っていた「あのタブー」、破って大丈夫でした!

1.水分は最後に入れる→水分は最初に入れる。

機種によっては、水を最後に入れるレシピになっているのですが、つい「入れすぎた!」ということも多いもの。最初に入れれば、粉を入れる前なので減らすことも簡単。そして、全体に満遍なく混ぜ合わさり、焼き上がりもきれいに仕上がります。混ざりムラがあったり、焼き上がったパンの端に粉の塊が残るというようなこともなくなります。夏場や室温が高いとき(約25℃以上)は冷やして加えましょう。間に合わないときは私は水の一部を氷1〜2個に置き換えて加え、冷たくして加えたりしてます。
私の材料をセットする順番は水分、砂糖、塩などを入れたら、粉で蓋をして、バターとドライイーストの順です。

私の使っている機種は後入れ推奨ですが

先に入れてしまってOK!

2.ドライイーストは時差で入れる→最初から入れてよし


パナソニック製のホームベーカリーはドライイーストケースがついていますが、他のメーカーのものの場合は同時に入れるように指示がついているものが多いですね。私はドライイースト入れがついていても予約のときにしか使いません。すぐにスタートするときは粉の上に最後に入れてスタートさせます。後から入れてイーストの粒が残ったということがあったのですがそれも解消されました。
パン屋さんにホームベーカリーの取材に伺った時にドライイーストを一緒にバサッと入れていたのを見て、分けていれなくてもいいことを教えていただいてからはずっとこの方法です。この時、気をつけなくてはいけないのが、ドライイーストは塩と近づけないということです。塩には殺菌効果があるので、イースト菌と敵対し、発酵を妨げてしまい、結果パンがきれいにふくらまなくなってしまいます。でも、塩と触れてしまったからもうだめ!というわけではなく、ちょっとの時間ならほぼ問題ありませんよ。保管は蓋のついた容器に入れて冷蔵庫で。

3.いちど蓋を閉じたらもう開けちゃダメ?→練っている時から発酵の始まる前までなら大丈夫!

材料入りのパンケースを本体にセットしてスタートさせたらもう蓋を開けてはいけない、と思われている方が結構いらっしゃったのですが、基本は1次発酵前、2次発酵に入る前は蓋を開けても大丈夫です。具材を練り込んだり、織り込んだりするのにホームベーカリーでは混ぜ込むタイミングをセットできるのでおまかせする方が多いかもしれませんが、生地を取り出すのであれば1次発酵後です。

4.羽根の穴が気になる人は、2次発酵前に羽根を取って

ホームベーカリーのパンはパンケースの羽根の部分の亀裂が気になる人は多いと思います。2次発酵前であれば、蓋を開けて生地を静かに横にずらして、手を入れて羽根をとればOK!穴が1つ残りますが、小さな穴で目立ちませんし、羽根によってパンを取り出す時にパン底が破けたりすることがなくなります。

5.途中で出かけなくてはならなくなった!こねた生地は取り出せない?→2次発酵前ならばOK。

パン生地を練り始めてしまい、そのまま焼くことができなくなってしまった場合は練り上がった生地を大きめのボウルや保存容器に生地を入れて、冷蔵庫の野菜室に入れておきましょう。
24時間以内に冷蔵庫から取り出して、冷蔵庫に入れる前よりも約2倍の大きさになっているのを確かめて、ガス抜きをして成形するなり、まとめてパン型に入れるなりして、2次発酵をしてオーブンで焼きます。冷蔵庫で1日発酵させたパン生地はオーバーナイト発酵と言われ、味わいの深いパンに焼き上がります。

八代恵美子/フードエディター

Martでは編集ライターとして活躍する傍ら、ホームベーカリー特集で有名店の食パンを再現するフードコーディネーターとしてもおなじみ。再現したパンはお店からもお墨付きをいただくほどの出来映え。自身が開催するホームベーカリーレッスンは告知公開と同時に満員になるほどの人気。機種を選ばず、焼き上げるレシピも好評。インスタでも数々のおうちパンを紹介している。
Instagram:@atrio_emy
HP:atrio-food.com

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