4月後半から5月上旬にかけてMart Webにて展開した「お馴染みチェーン店のテイクアウト事情」連載記事。日々のごはんづくりに疲れているみなさんの、少しでもお役に立てればという思いのもとの企画です。ファミリー層にもおススメのテイクアウトメニューの紹介とともに、実際にライター澁谷と新里で商品を持ち帰り食べてみるという内容でした。
ある日、光文社に1通のメールが。
「Mart編集部様 チェーン店のテイクアウト企画拝見いたしました。ぜひ、私どものテイクアウトも召し上がっていただきたくご連絡いたしました」。拝見すると、差出人はとんかつ専門店の「とんかつ新宿さぼてん」などを経営されるグリーンハウスフーズ広報部の萩原樹里さん。
ご連絡をすると、「どの記事も、とても愛を持ってテイクアウト商品を取材されていたのが印象的でした。私どものテイクアウト商品もぜひおススメしたく取材にお越しいただけませんか?」とのこと。これは嬉しいお言葉♪ お気持ちに応えるべく、取材チームは新宿さぼてんのテイクアウト事情に迫りました。
工夫を凝らした夏の限定商品をお持ち帰り
新宿さぼてんは、レストラン業態とテイクアウト専門デリカ店があります。今回うかがったのは、デリカ店舗。揚げたての商品がずらりと並んでいます。美味しそう~!
ご連絡をいただいた萩原さんと対面。お弁当だけでなく、常時約12種類のお惣菜を販売されているそう。そして、季節や月ごとに替わる限定商品も含めるとかなりの商品数に。住宅地か、学生が多い街かなど、街の特性にもより売れ筋は変わってくるそうです。
「Mart Webのテイクアウト記事でライターさんがいろいろ工夫して召し上がられている様子も、なるほど! と思うこともたくさんありました」との言葉もいただきました。テイクアウト記事では、そのまま食べずにいろいろアレンジしてみたのですが、ひとつのものをこうにもああにも工夫する考え方は、Martの読者さんたちから学んだことでもあります。自分のアイデアを入れると、食べることもとたんに楽しくなります。
せっかくなので夏の限定商品の中からテイクアウトさせていただきました。
「アジフライ」。毎年この季節の大人気商品だそう。長崎県五島列島沖で獲れた真アジを使用し、肉厚でジューシー、脂がのって旨味たっぷりのアジフライ。タルタルソースつき。1枚 ¥286(税込) お魚は苦手でも、フライなら食べられるというお子さんも多く、ファミリー層にも人気です。 ※本商品は9月末までの販売。
「オクラと長芋のロースカツ巻き」。 お野菜たっぷり、オクラと長芋を三元豚で巻きあげた新商品。カットした断面も心が踊ります。1本 ¥280(税込)
そして開発に1年間試行錯誤したという、希少部位のヒレかつ「フィレブリアン」。
肉質の良い中央部分のみを低温でじっくり揚げ余熱で寝かす「低温調理法」でつくられています。 1枚120g ¥853(税込)
最近コロナ太りもあり、カロリーも気になるところ。そんな私に、店長さんからアドバイス。
「レストランでも千切りキャベツを一緒にお出ししているのですが、デリカでもお持ち帰り用千切りキャベツをお買い求めいただけます。フライを召し上がる前にキャベツを食べると油の吸収を抑える効果があります。食物繊維もしっかりとれますし、とんかつ類との相性もバツグンです」。なるほど! 一緒にテイクアウトしました。
この道30年とんかつ職人おすすめの温め方を試してみました!
スーパーの総菜売り場などでもよくフライ・とんかつを購入するのですが、自宅でうまく温められないのが悩みどころでした。レンジで温めるとどことなく油っこくなってしまい、トースターで加熱すると中まで温まっていないというような。私が雑だからかもしれないのですが、そのせいか家族には「買ってきたやつだ」とすぐバレます。
そんな悩みを、新宿さぼてん広報の萩原さんにお話していたところ、「実は弊社に、とんかつ職人と呼ばれる者がおりますので、おススメの温め方を聞いてみますね」と聞いてくださいました。その方法は、これまでまったく想像もできなかった「レンジ+トースター」のW加熱なんです!
レンジでとんかつ中心を温め、トースターで外側のフライ部分もカリッとさせるこの方法、簡単なのに効果は抜群でした!
「フィレブリアン」の場合は、まず500Wのレンジで30秒加熱。ラップはせずそのままでOK。
続いて、トースターに入れ850Wで約20秒加熱。時間的にはとても短いのでわずらわしさはなく、逆にワクワク感が高まります。
今回特別に、今夏限定販売している商品と定番品の温め時間数を表にしたものをいただきました。ぜひ参考にしてみてください♪
サクッとカットするためのコツもうかがい、お店みたいな盛り付けが完成!
もうひとつ、いつもうまくいかなかったのが「フライをサクッとカットする」こと。我が家の包丁の切れ味がよくないのか、はたまたこれも雑な性格のせいか、どうしても衣が取れてしまったり、つぶれてしまったりして、きれいな形をしたとんかつやフライたちがどんどん悲惨な姿になってしまったことは数知れず。こちらも、とんかつ職人さんのアドバイスをいただきました。
とんかつ類がうまく切れない場合、肉と衣の付け方に理由があることもあるそうなのですが、今回のように専門店さんで購入した場合は、やはり包丁の使い方で変わるそう。「基本的なことですが、包丁の使い方が違うのかもしれません。上からぐっと押していて、身がつぶれてしまっているのでは? 包丁を滑らせるようにして前に押し出すと上手く切れますよ」とのこと。早速実践!
「サクッ」と音が聞こえますか? 聞かせられないのが残念なくらい、まず先ほどの温めでまるで揚げたてのようなサクサク感になっており、包丁をまっすぐ降ろしつつ押し出すと、きれいにカット。気持ちいい!
このような感じに。我ながら美味しそうです! 一口いただきましたが、やわらかなお肉にびっくり。リッチ感も半端なく、おうちではつくれない逸品と確信しました。
ご飯のおかずだけじゃない! 幅広いメニューに応用できた
フライはご飯のおかずにしていたことがほとんどでしたが、パンにはさんでサンドイッチにすることにしました。こちらも事前に新宿さぼてんの商品開発部のみなさんに味のヒントをいただいたので試してみることに。さすがプロのアドバイス、決め手はあわせるソースにありました。
アジフライにはからしマヨネーズを用意しました。
カットしたアジフライに塗ります。
市販のホットドッグ用パンに切り込みを入れ、千切りキャベツ、からしマヨネーズを塗ったアジフライをはさみ完成! 脂ののったアジフライ、それもサクサクアツアツにマヨ、からしと絶妙な味のバランスに幸せ感いっぱいです。
フィレブリアンはわさび醬油か生姜醤油が合うとのこと。チューブ生姜と醤油をささっと混ぜて、食パン、千切りキャベツ、フィレブリアンの上から垂らしてサンドしました。
こちらも口に入れた瞬間、ジューシーなお肉と生姜醤油がからみあい、シャキシャキの千切りキャベツの食感も加わって、とにかく美味しい!
オクラと長芋のロース巻きかつは、醤油麹ですでに味付けずみ。その形も生かして、手巻き寿司のようにご飯と海苔で巻いたり、薄焼き卵で巻いてもとのこと。今回はご飯をちょっと少な目にしてつくってみました。華やかで見た目も満足、もちろんお味も大満足でした。
「これから暑い夏、揚げ物をするのは重労働に感じることもあると思います。そんな時、ぜひ専門店のお惣菜に頼っていただき、暑い夏を美味しく乗り越えてください」と萩原さん。揚げ物はカロリーがと気にする方もいるかもしれませんが、一緒に野菜を食べられるし、満足感も高く、特に豚肉はビタミンBという体に必要な栄養素も入っているのでおススメな食べ物なんです。この夏、スタミナも付けて乗り越えましょう!
取材・文/新里陽子
※詳しくは新宿さぼてんとんかつのホームページをご覧ください。https://shinjuku-saboten.com/